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三者三様(※違います)

 久しぶり|(の投稿)です。GW中に三話更新できたら褒めてください。

こう、ピンっ、とくる物が書けなかったので時間がかかりました。こっから攻めれればいいですけど。


「ちっ。逃げたか」

「だから……! だからあれほど……むぐぅ」


 我慢の限界と口を開いたティオを、アルマが片手で口を掴み、黙らせる。


「少し静かにしろ。もう死んでいる。逃げたのはそっちじゃない」


 少し遠くの民家。その屋根上にアルマは視線を送っていた。

ティオは目がいいわけでも悪いわけでもないが、アルマの見ている方向を見れば、まあ何がいるかは大体分かった。


 具体的には、屋根の上をぴょんぴょん飛んでいる奴らがいた。


「え? は?」


 驚くべきはその服装だろうか。各段変でもない服装の男〜……っぽい人と、聖職者がちょっぴりグレたような服装のじょせ〜……い? であった。


 ちょっと微妙な服装。それが最終評価ってことでいいだろう。


「ちょ、誰あれ……さっきのおにーさんと……えっと……」

「わからん。見たことないな。まあ、少なくともそこそこの手だれではあるだろう」


 ちょっぴり疲れたような、気怠さを感じさせる声音で、アルマは言い捨てた。

ぶっちゃけ仕事増えたー! 状態なので残業確定申告を食らったようなものである。


「お、追う……の?」


 普段の彼なら、一つ返事でああとか言いそうなものだが、残念ながら状況が状況である。





「ぜったいにやだね」


 清々しいで済ませられないほどの笑顔で、アルマはティオを振り返る。



 彼、これでも珍しいのだ。

仕事に異議を唱えるのが…………



………………………………………


「君言語能力ある? あ、それとも病気?」

「おちょくってるのかしらぁ?」


 片眉をピクピクと上下させながら、カイネルはくら〜い笑顔で稀有の顔を見る。


「本心」

「殴るわよ?」


 今度はあっけらかんとした顔で平然と返してきた。これ全部演技とかないよね?


「全く、あなた、人のペースを乱すことしかできないのねぇ……」


 いろんな意味で、の言葉はそっと飲み込んで、カイネルはそう言った。


「別に。そうとも限らないけどね」


 コーヒーが欲しい。

最近人と話してると眠気がさしてくる。どうしてかは知らないけれど、無性にベッドにダイブしてそのまま本読んで寝落ちしたくなる。そして本を顔面にぶつけて飛び起きるのだ。


「なかなか矛盾してるわね」

「うん……」

「ま、まあそれはそうとしてねぇ……」


 カイネルがパンっ、と手を叩いた。

多分区切りを設けたいんだろう。そうでもしないと……


『止まらないおバカがいるからね』


 ダマレェイ。


「私は至って本気よ」


 普段なら、よぉ、となるはずのところが、まるで何かがとれたように、スムーズに言葉が出たような……そんな感じだった。

真剣さが、よくわかる。前に話した時よりも、もっと。もっと真剣。自分の命よりも、真剣。


「フェンネルト。聞き覚えはあるかしら?」


 王族家だったっけか?


『バァカバァァカ! 全く違うわよバーカ!』


 笑いながら言われるとイラつく、ってイメージあったけど、ここまで露骨に言われるともはやあぁそうだね、くらいしか思えねぇ……。


『貴族様よ! 私が相手したクラインちゃんのところよ!』


 へぇ、あの女の子が〜……ふ〜ん、なんか親戚の子とすれ違ってたのに気づかなかったの、と言われてる気分ですねはい。


『はぁ……』


「………ま、まあいいわぁ……」


 呆れられた。


「フェンネルト、私は貴族家とつながっているの」


 話を促す。

別に対して興味ないっちゃ興味ないけれど、楽しそうだし。ただでさえゲームとかアニメ見れないんだから、楽しければなんでもいい気がする。


「私の本名、あなたは知らないでしょうけれど、私は魔法を、魔術を、その基盤たるこの国を守らなければならないの」


 な〜んか変な話になってる気がする。

本名? 知るかよ。


 大体僕は記憶力がいいわけでもないしね。


「要するに! 私はこの国を守りたい! なのに!! なぜか! 『守衛の大罪(うち)』は! この国を乗っ取ろうとする始末!」


 あー、ハイハイ、だいたいわかったそういうことね。

うんもういい言わなくていいうるさい鼓膜が破れるんだよ第一お前の声高いから嫌いなんだよもう少し低い声で喋れよこれだから女子は。


『あなたも大概でしょうにこの両性類』


 だまれい。


「はぁ……とりあえず、組織に侵入するところからよ。まあ私の連れなら通れるでしょうから、せめて何か顔を隠すものを用意しなさい」


 ん?


「いや、なぜ?」

「なぜって……あぁ、そうだったわねぇ。あなた、あのゴリラは覚えているかしら?」


 ゴリラ? う〜ん……? ゴリラ?


あ! もしかして……THE不良さんでは?!


『しらんだまれうるさい』


いや貴方あの時いなかったでしょうが…………


「あー、うん。なんとなく」

「そう、ならいうけれど、あいつの名前はダンジェル。あんななりして本来はテクニックタイプっていう憎たらしいやつよ」


 はいはいそれで。いろいろ気になるところはあるけれどそれで?


「ダンジェル、あれでも神子よ」

「っっんグェ!!!!!?」


 ンンンンnなんの神子だばかヤロォおおおおおおおおお


『そこまで露骨に……?』


 考えてみろ、筋肉達磨の怖ヅラ?不良野朗がイエス様|(別にキリスト教じゃないけど!)やら我らがロ〇・シズと同類なんだぞ嫌に決まってんだろおおおお|(マジ泣き)


『そういう問題なの?』

そういう問題なんだよバーカ。


「なんの神子なの?」


『なんで返事は冷静なのよ……』


 んな呆れて言われましても返事は冷静。心は乱れて。


『聖徳太子もご乱心ってか』


はいはいそういうことにしておきますよ。


「並列。分裂。そこら辺に関する神子だって聞いてるわぁ。具体的にどうなのかは知らないけれど、そんな感じでしょうねぇ」


 ふむふむ、分裂。神子で、分裂。

絶対やばいやつやん。


『なんか自分と全く同じ強さの存在を生み出す! 何て能力ありそうね』


 それどころか何十人も出てきそうなくらいの響きだけれど……。


「安心なさいな、ダンジェルは味方よ」


 えー、味方なの〜……むしろ敵が良かった……。


『当たり判定広かったしね』


 分裂できるなら是非とも練習代になって欲しかったのに……。まあいいや……。無い物ねだりしてもしょうがないし。


「それで?」

「それで、って……。ここまできたら察しなさいよ」


 理解ができない。なぜ情報を言わない。そこが大事ではないか。

暗殺依頼をするのに詳しいことを言うべき場所ではない、そう言う状況であるのはわかる。でも言ったほうがさ、伝わるじゃん。


「はぁ……まあいいわ。少し、多めに教えておくわぁ」


 一つ。『守衛の大罪』最高戦力は〈腐蝕の神子〉

この力において、触れたものは腐食する。要するに腐ってボロボロになるわ。この効果は、耐性の効果が半減され、無効化はできないものよ。要するに防御が難しい攻撃を出してくる、って思ってればいいわ。


二つ。彼らは『魔神』研究をしていること。

もしあなたのスキルがこれに影響できるものであれば、惨事になるわ。


 三つ。前と違って、あなたの組織は、いくら小さくて、いくら影が薄かろうと、れっきとしたうちの組織の敵対組織。うかつに名前を出してはいけない。


「大きく分ければこんなところかしら? 後は随時教えていくわ」


 なるほど要するに全部覚えてないしわからないと。


『私たちの常識的にはそれが普通なんでしょうけれど……いいのかしら、こんなTHE闇組織さんの幹部さんがこんなアバウトで……』


 まあそこに関しては触れちゃダメでしょ。


『はっ、あんたまさか!』


 なんの話をしているんだばか。一体何を読んでいるんだばか。


『ふふふ、妄想も一つのイメージトレーニング|(言語能力退出中)』


 ほっとこう。


「はて、あなた、今何か失礼なことを……」


 はーい気のせいでぇす。きのせぇええええでぇええええええす。


 人の心を読めるやつばっかの環境とは実にいづらい!

どうせ私のこと理解してないくせにとか何考えてるかわかんないでしょ。


 はんっ! わかったらこうなっちまうんだ、今のうちに考えを悔い改めるってことっすなぁ|(自分で何言ってるかわかってない。)






『笑えねェなァ』

『面白くは……、ないかな?』


「ごめん、なさい……です」


『チッ、気にすンな、グズ助』

『あぁもう! あなたもそんなこと言わないの! 気にしないでね? シズ』


 バシッ、と。頭をしばく音がした。


「はい……です」



 楽しく、過ごせる。そんな予感が、最初に出会った時からしていた。

それでも、なかなか笑わせることができなかった。


 親はいない。知らない。私はどこにいるかも知らない。

だから、親の記憶なんて、ない。


「弱くて、ごめんなさい……」


 いつも、自然とそんな声が漏れてしまっていた。自分の強さを否定するために、心の弱さを肯定するために、呟いていたのかもしれない。


 それでも、二人は優しかった。怖い時もあったし、いつも怖い気がするけれど、いつも私のことを考えてくれていた。

ちゃんとできれば、頭も、撫でてくれた。失敗しても、慰めてくれた。


『シズゥ、テメェはよォ、強くなくていいンだよォ』


『そうよ。あなたの、私の、こいつの力は、『逃げる力』なのよ。『戦う力』じゃないわ』


 今でも、よくわからない。この二人は誰なんだろう。あのときは、名前を知らなかった。今は知っている。


 お姉ちゃんは、わがままで、でも優しくて。兄さんは怖くて、でも優しくて。

私は、特に何もない。


『オレァよォ。どッかで間違えたンだよォ』『私は、どこかでね、間違えてしまったの』


『『自分の存在意義を』』


 二人はいつも、この話を私にしてくれた。私にとって、楽しい話もつまらない話も、存在しない。この、何もない場所で、話を聞けるだけで楽しいし、喋れるとなればもっと楽しい。


『契約を二度はいえねェよォに、一度きまッちまッたモンは覆せねェ。だからよォ、選択する時ァいつでも言ッてこい。一緒に考えてやる』


「うん……」


『あなたは、どうしたいの? シズ?』


 私?

私は……。


 この暗い部屋の外に出たい。それで、お姉ちゃんと兄さんと……二人と、世界を見てみたい。

それで、それで……そのあとは……。





「起きなさい、シズ。時間よ」

「ん……んん……」


 体を酷使したような倦怠感に襲われながら、目を開ける。





「おはよう、ございます……です」


今日も、楽しい一日が始まりそうだ。



三視点=三者三様|(※違います)


ここから攻められればいいですけど!|(大事なことなので二回言いました)

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