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第九話 早速トラブル発生



 手続きは特になく、注意事項だけを聞かされて、ダンジョンに入る許可が下りた。

ちなみにダンジョンは最低でも魔術師一人が必要らしい。


 エスケープ、という強制帰還の魔術が使えるものがいるのが最低条件らしい。

フレアさん、誰でも入れるゆうてましたよね?


 強制帰還の魔術は誰でも覚えることはできるそうだが、魔術師限定となるそうだ。誰でも、というよりかは魔術師なら誰でも、って感じなのかな?


 中に入ってみるが、これといっておかしな点しかない。


 まず目に入ったのは鬱蒼とした草原。

なぜあんな石でできていた遺跡の様な場所の中がこんなんなのだろうか?


 とは言ってもここは異世界ですはい。

それくらい当たり前なのでしょうねー。


 フレアさんも当たり前な顔してますし……。

俺が異常なわけか……。


 少し傷ついた。


「それにしても、だいぶ風変わりしたわね」

「ん? それって」

「昔、私がまだここで活動してた頃はもっとたくさんの魔物が湧いていたわ」

「そうなんですか?」

「ええ。一応はね」


 フレアさん、本当に謎多いんですね。

あなたじゃなくて、このダンジョンですが……。


 それにしても、昔こんな文献を読んだ記憶が……。


「スタンピード……」

「え?」

「いえ、昔……一年ほど前にダンジョンに関する文献で読んだんですが……」


 曰く、前兆として、ダンジョンに通常現れる魔物の量が半数以下に減る。


 曰く、その期間が長いほど巨大なスタンピードが発生する。


 曰く、スタンピードとは暴走であって、全ての魔物を倒さない限り終わることはない。


 曰く、周期的に起こるものらしい。


「あら、それじゃ今年か来年にでもくるかしら?」

「もしかして……」

「ええ。最後にあったのは今から十年前。文献だと、二十年前。つまり、十年周期で発生するかもしれないわね……。にしても、どこの文献を読んだらそんなものが?」

「王城にあっただけです」


 フレアさんが目を見開く。

王城は確かに通常は入れない。あ、そういえば文献を読めるのは普通は王とその王族、主に国王か女王からの許可がでており、付き添いに王女か王子などの国王・女王に直接的に関係のある王族がついていなければならないのだ。


 それを達成していることに驚いたのだろうか?

俺はサーシャ 様のお気に入りっぽい立ち位置だからか、普通に入れたが……。


 勇者だからだろうか?


「スタンピードの前兆かもしれないって報告したら報酬出るかな?」

「かなり出るかもしれないわね。まあ、嘘じゃないって前提で話が進んだらの話だけど……。だから、判明するまでは出ないと思うわよ。それに、ランクアップしてもらえるかはわからないわよ」


 まあ、報酬で金貨が三枚出たら良い方かな。

俺の今までの稼ぎとトントンだけど……。


「あら、確実なものにしたいなら、情報を私と共有すれば良いじゃない。私はこれでもここのダンジョンに十年前からいるのよ。周期の情報くらい、提供できるわ」


 確かに周期の情報は必要だ。

ダンジョンには必ず周期が存在する。


 魔物が湧く周期、宝箱がどこかに新しく現れる周期。

様々な周期がある。スタンピードは発生後から再発生まで長いため、どうしてもその存在を知る冒険者が少ない。


 普通の冒険者は大抵、魔物の数が少ないで片付けてしまうが、知識を持つものは違う。


 だが、普通の冒険者・稀有には膨大な知識があった。

レベルが上がってもステータス上がらないと悟り、一ヶ月目にして早々に戦線からさり、ずっと文献をよみふけったのが、ここで報われたのだ。


「ふう、でも、この程度だとあと三ヶ月以上は猶予があるわ。残り一ヶ月前に判明していなかったら、報告しましょう。そうすれば、報酬が増えるはずよ」


 あざとい……。

アザトース1号のあだ名をつけても良いだろうか……。


「だから、今はあなたのレベリングよ。あなた、ステータス今は上がってるんでしょ?」

「ええ。今は、ですけどね……。いつ止まるかわかったもんじゃないですよ……」


 事実、今のところレベルが26から28になったが、結構一気に上がった。

多分、26までのステータスが一気に加算されたのだろう。


 平均150くらいだったのが、今では平均1000近くまで上昇した。

さらに、補正値、というのがついており、すでにそっちは+5420 になっている。


 補正値は確か〈奪命剣〉の仕業だったっけ?

そんなことが書いてあった気がした。


 そう考えていると、早速……というかようやく魔物が登場してくれた。

と言っても数体。


 これでは焼け石に水にしかならない。


「ちなみにスタンピードってどのくらいレベルが必要ですか?」

「んー? そうねぇ。200くらいじゃない? 大体、BかC程度しか出ないわけだし、これくらいあれば、そこらの冒険者と遜色なく戦えるはずよ?」


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