第80話:第五章完結・全次元の窓口が開かれた日〜さらなる高次元と時空を超えるスローライフへの幕開け〜
「はぁ〜……どこを見渡しても、本当にみんな幸せそうにしてるなぁ」
『海上神聖宮殿』の自室で、僕はふかふかスプリングベッドの上に身体を預け、特製クッションを抱きしめながら部屋の中に広がる光景を眺めていた。
二重サッシと多重結界、自動気圧・温度調整のおかげで、室内は本日も年間を通じて完璧な温度22度・湿度55%。
足元からは床暖房の優しい温もりが伝わり、膝の横ではシャドウキャットのミミが「スースー……」と気持ちよさそうに丸くなって眠っている。
いまや僕の自室のベッドは、ニコやギドたちが完成させた『全次元中央ベッド統括同期システム』によって、全多次元宇宙の『絶対中央主軸』となっていた。
ベッドの周りを取り囲む七色のホログラムと、優しく揺らめく次元ポータルの向こう側。
天界の雲の上の神殿、外宇宙の銀河帝国のリビング、暗黒魔界のあたたかなこたつ、そして並行世界の穏やかな街並み。
かつて相容れなかった神様も、銀河皇帝も、大魔王も、怪物さんたちも、全員がパジャマや部屋着姿で温かいハーブティーを飲みながら、リモート画面越しに「ルーカス様、本日も健やかにお過ごしください」と笑顔で手を振ってくれている。
「ルーカス、新しい温かいハーブティーが入ったよ。いちごのタルトと一緒にどうぞ」
「ありがとう、アロイス父さん、エレナ母さん」
温かいカップを受け取り、一口すすむと、果実の甘みとハーブの爽やかな香りが胸いっぱいに広がった。
「ルーカス、部屋の外の防衛結界もポータルセキュリティも完璧だよ。今日も100%安全だからね」
「お兄様! 全多次元宇宙から届いた感謝のお手紙、本日分も綺麗に保管いたしましたわ!」
カイル兄さんが優しく僕の頭を撫で、リリィが満面の笑顔でメモ帳を抱きしめる。
ドアの陰やリモート画面の向こうからは、国防総監ラグナル、衛生長官クララ、錬金術師ギド、ドワーフのブラム、大商人シルヴィアをはじめとする50人の頼もしい仲間たち、そして何兆という全次元の生命が、温かく静かに僕を見守ってくれていた。
(前世の病室で天井を見上げていた頃には、こんな世界があるなんて思いもしなかったな……)
たった一人の部屋で病気と戦っていた僕が、この世界で温かい家族と出会い、自分の「ぬくぬく長生きしたい」というボヤキを叶えてもらっていくうちに……気づけば地球を超え、宇宙も、異次元も、すべての世界がひとつに繋がった平和なスローライフ空間が完成していた。
全次元の窓口が僕のベッドの上で開かれ、誰も争うことなく、誰も無理な身を削る労働や修行をすることなく、誰もが健康で笑顔になれる場所。
僕にとって大切なのは、豪華な権力でも、至高の神皇という肩書きでもない。
ただ、この安全でぬくぬくとした部屋で、大好きな家族や仲間たちと一緒に、毎日美味しくご飯を食べて笑顔で長生きすること。
「みんな……いつも本当にありがとう」
ハーブティーを飲み干し、特製クッションに深く深く頬を寄せると、自室全体がどこまでも優しく至福に満ちた空気で満たされていく。
広がり続ける全多次元宇宙の平和とぬくもりを胸に抱きながら、僕は世界で一番幸せなほっこりとした笑みを浮かべ、静かに目を閉じるのだった。
第五章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
全次元を巻き込んだ『多次元ホワイト楽園国家』がここに完成いたしました!続く第六章では、さらなる高次元の存在や未来・過去の時空すらも、ルーカスのボヤキの前にひれ伏す(?)ことになります!
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続く第六章の開幕は、丸1日の焦らし期間(お休み)をいただき、【8月15日(土)の21:00】に爆誕いたします!最高の新章突入となりますので、ぜひ今のうちにブックマークをして、自室のベッドでぬくぬくとお待ちください。どうぞよろしくお願いいたします!




