16話 再びダンジョンへ
装備はショップで買った剣だけにしている。まだこの辺の階層には人がいるので初心者を装うためにいつもの装備はつけない。
1階層を歩いていると現れたモンスターはオークだった。
これでこのダンジョンが大型ダンジョンだと確定した。
「出来るだけ早く進むぞ」
俺は早く進みたいため気配察知でなるべく戦闘を避けて移動することにした。
1階層は1時間もかからずに階段を見つけた。
「それにしてもそこそこ人がいるな」
2階層に来るまでに30人くらいは見たと思う。
基本2〜4人くらいでチームを組んで探索しており1人でいるのなんて俺くらいだ。
他の人から見たら自殺志願者に思われたかもしれない。
2階層を進んでいる途中だった。
「きゃ〜!!!!」
女性の悲鳴が聞こえてきた。
「なんかあったのかな?」
俺は声がした方に急いで向かった。
向かった先には男性2人と女性1人の3人パーティーがおりオーク5体に囲まれていた。
流石にやばい状態だと思い助けに入ることにした。
「大丈夫ですか?」
「ちょっと勝てそうになくてこの子を連れて逃げてくれませんか?俺たち2人でこいつらを引きつけて時間を稼ぐので」
女性を守るために自分たちを盾にする所を見るにこの男達はめちゃくちゃいいやつだ。
「ちょっと離れててくださいね」
俺はオークに向き合った。
「おい!殺されるぞ!」
「大丈夫ですよ」
俺はそう言いオーク5体を10秒かからずに倒した。
倒し終わったので3人の方を見たらびっくりしていた。
「ありがとう!助かったよ」
「ありがとうございます」
「ありがとう」
「いえいえ、助けれてよかったです」
あとちょっと遅かったらたぶん誰か死んでいただろうな。無事助けることが出来てよかった。
「それにしても君強いね」
「まさかオークをあんな簡単に倒すとは」
「凄いです」
「まぁそうですね」
ここのオークは俺が初めて戦った時の個体よりも弱いがゴブリンよりも全然強いのでそれを瞬殺したとなると強いと思われても仕方ないがない。
「それより怪我大丈夫ですか?」
あまり強さについて触れられたくないので話題を逸らした。
よく見るとオークに棍棒で腕を殴られたのだろうか腕が曲がっていた。
だがこれくらいの怪我なら回復魔法で治せるレベルだ。
「ああ、骨までいっているな。でも死ななかっただけマシだ。」
「ちょっと腕出してもらっていいですか?」
「それはいいが」
彼は戸惑いながらも俺の方に腕を出してきたので俺は彼の腕に手をかざして回復魔法を使った。
「エクストラヒール」
回復魔法を使った瞬間に元通りの腕に戻った。
「嘘でしょ」
「まじか!回復魔法も使えるのか!初めて魔法で治療をしてもらったけどこれはすげぇ」
彼は腕を動かしながらそう言った。
「助けてもらったばかりか腕まで治してもらって本当にありがとう!」
「いえいえ次から気をつけてくださいね」
詮索される前にここを離れよう。
「それでは急いでいるので」
「ちょっとまだお礼を」
俺はお礼が欲しくて助けた訳ではないので無視して走っていった。
「あいつ凄かったな」
「それな!」
「あんな人もいるんですね」
俺たち3人は幼馴染でパーティーを組んでいる。
俺、田中圭介は自慢ではないが剣道で県大会に出るくらいの腕前で剣術4を持っておりレベル10だ。
浅野裕翔は火魔法3を持っておりこいつもレベル10だ。
本田真美も風魔法2を持っておりレベル9だ。
幼馴染3人とも才能がありこの辺では強いパーティーの内の1つだ。
俺たちは最近、オーク肉が高値で取引されていることを知りこのダンジョンに来た。
なぜ高値になったかというとシエルという配信者がオーク肉が美味しいと言っていたので美食家たちが食べた結果、ブランド豚として認められたからだ。
来たのはいいがみんな考えることは一緒で1階層は人が結構多く狩りをするにもなかなかオークに出会えない。
そのため俺たちは強さには自信があったので2階層に降りてオークを狩っていた。
2体同時に現れても倒せていたので余裕だと思っていたがまさか5体も出ると思わず逃げる前に囲まれてしまい動揺した俺の腕をオークは棍棒で殴ってきて骨が折れてしまった。
このあとの展開はさっきあった通りだ。
「俺たちは全然強くなかったんだな」
「上には上がいるんですね」
「あの人が来なかったら死んでいたな」
俺たちは自分たちの強さに自信を持っていたせいで調子に乗っていたがいざピンチになるとこの程度だった。
あの青年の助けがなかったら死んでいただろう。
「調子に乗らずに地道に強くなろうな」
「そうだな」
俺たちは今回で初心を思い出した。
「そういえば助けてもらったのに名前聞いてなかったですね」
「もし次会ったらその時に名前も聞いて改めてお礼で飯でも奢ればいいさ」
俺たちはまたあの人に会うことがあればお礼をしようと決めた。
「は〜疲れた」
あのあと俺は休憩をせずに10階層まで降りてきた。
ここまでこれば他には誰もいないだろう。
「休憩しよう」
スーパーで買ってきたカップラーメンに魔法で作り出したお湯を入れて食べた。
やっぱり缶詰やパンばかり食べていたからカップラーメンでも美味しく感じる。
「そういえば仮面の検証をしていなかったな」
仮面が透明になるかの確認するために仮面と鏡を取り出した。
仮面を着けて透明化するように念じてから鏡を見ると着けたはずなのに何も着けてないように見える。
「これなら常時着けてもバレないな」
常時着けれるとステータスが補正されるのでありがたいしオンオフで顔が隠せるのはありがたい。
「あとはこの仮面のスキル偽装ってなんだろう」
〈偽装5 ステータス、職業、スキルを偽装できる〉
「俺が誰かに鑑定された時にステータスを誤魔化せる感じかな」
このスキルがあればステータスを低くしたりスキルの数を減らして弱く見せることができるから余計なトラブルに巻き込まれなくなるだろう。
俺はステータス画面をいじってステータスを変えてみた。
神崎蒼空 18歳 人間 レベル10
職業 なし 加護 ラミリアの加護
HP 215/215 MP90/90
攻撃力 62
防御力 54
体力 58
敏捷性 60
魔法力 55
魔法耐性52
スキル
剣術4、暗視3、鑑定5、アイテムボックス5
耐性
物理耐性2、魔法耐性1、毒耐性1、恐怖耐性1
称号
ワールドビギナー
試練をクリアせし者
俺がレベル10くらいの時のステータスとスキルにしてみた。偽装のレベル5では変えれてこれくらいだった。
でもこれなら鑑定をされても初心者に見えるだろう。
「あとはユニークスキルの書を使うか」
ダンジョンを攻略した時に貰えたアイテムだ。
「こんなぽんぽんユニークスキルを配っていいのかな?」
ユニークスキルは強力なかわりに所持している人がとても少ないイメージだ。
「まぁそんなこと俺が気にすることではない!ユニークスキルならなんでも強いだろうし何のスキルが手に入るかワクワクするな、魔法系は持っているからそれ以外でお願いします!」
楽しみすぎて心臓が早い気がする。
『ユニークスキルの書の使用を確認。ユニークスキル継承1を獲得。』
「継承?どんなスキルなのか想像もつかないな」
〈継承1 魔石や死体から10%の確率でスキルを1つ獲得する〉
「とんでもないスキルだな!」
全属性魔法みたいな攻撃系のスキルではないがスキルのコピー系の能力なのでスキルが多くなれば汎用性が高くなる。
まだレベルが低いので低確率だがスキルを獲得出来るのは最高すぎる。
これならレベル上げだけじゃなくてスキルでも強くなれる。
「魔石ならたくさんあるし使い道もないから使っちゃお」
さっそく検証のためにアイテムボックスからEとF級の魔石を200個ほど取り出した。
スキルの使い方は獲得したときに頭に入っている。
俺は手に魔石を持ち言った。
「継承」
特に何も起こらず魔石は粉々になってしまった。どうやら失敗のようだ。このスキルを使うと魔石を駄目にしてしまうがしょうがない。
「まぁ10%だから」
俺はひたすら継承と言っていった。
『スキル棒術1を獲得』
F級の魔石を15個ほど使って初めて成功した。
「よっし!成功だ!」
この調子で残りの魔石も使っていった。
『スキル飛行1を獲得。既存のスキルのため飛行2に統合されました。』
『継承のレベルが2に上がりました』
200個ほどあった魔石からスキルを取り出せたのは14個だ。
獲得したスキルは棒術、飛行、体当たりだ。たぶんだが魔石のモンスターのスキルをランダムで獲得するぽいのだ。
今回使ったF級とE級の魔石はゴブリン、オーク、ウルフ、リトルビーだ。
棒術はゴブリンやオーク、飛行はリトルビー、体当たりはウルフやリトルビーのスキルだろう。
「この仮説が正しい場合にデュハランの魔石からなら何のスキルが手に入るんだろう?」
失敗したら勿体無いのでまだデュハランの魔石は使うつもりはないが強力なスキルが多かったので継承のスキルのレベルを上げてから使いたい。
「そういえばさっきスキルのレベルが上がったな。確認してみるか。」
〈継承2 魔石や死体から50%の確率でスキルを1つ獲得する〉
「え?レベル1上がるだけで効果が上がりすぎでしょ」
これならすぐにいろんなスキルを増やせそうだ。
「スキルは使えば使うほどレベルが上がるからこんなことなら魔石売らなければよかったな〜」
まだE級の魔石だけでも400個ほどあるが店で500個も売ってしまったことを少し後悔している。
「魔石も集めていってスキルでさらに強くなるぞ!」




