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15話 久しぶりの地上

 「それにしても地上も変わったな」


 ダンジョンを出て妹のところに向かって行ってるが俺の知っている地上とだいぶ変わっている。

 まず地震の影響で地面は割れたままの場所や崩れた家があり復興作業が進んでいない場所が多い。


 大きいメイン通りに出ると復興作業はほぼ終わっており見たことがない店があった。

 たぶんこれが視聴者が言っていたダンジョン産の買取の店かギルドだろう。


「病院も行かないといけないけど流石に店が気になるな」


 早く妹に会いたいが先に店に入ってみることにした。ここの店の看板にはダンジョンショップと書いている。


 店に入るとジュエリーショップにあるようなショーケースや大きいショーケースの中にダンジョン産の物と思われる品が並んでいる。

 

「おー凄いな、いろんなアイテムが置いてるな」


 ポーション、武器、アイテム、魔石などさまざまな物が置いている。


「この短期間でよくここまでの品を揃えるよなぁ」


もっと少ないと思っていた。


「それにしても値段が高いな。こんなの買えないぞ」


 鑑定で見てみるとE級のちょっとしたアイテムでも50万円〜100万円くらいするしショップで買える下級ポーションですら2万円くらいする。


「このアイテムたちはきちんと等級や効果が書いてあるけど誰か鑑定でもしたのかな?」


 鑑定が出来る魔道具があるのかそれとも鑑定のスキル持ちの人が鑑定をしたのか気になる。


「そうですよ」


 声の方を向くと店員さんだった。


「誰か鑑定のスキル持ちなのですか?」

「はい、私が鑑定を持っています。実はこういう店を開くには鑑定のスキルを持っている人がいないと営業が出来ないという法律があるんです」

「そうなんですね」


 お店も訳の分からない物なんて売れるわけが無いし買う人も大金はたいて買いたくはないからだろう。


「あのお聞きしたいのですがここではどういうアイテムが売れますか?」


 アイテムボックスに色々あるから物を減らすためとお金が欲しいので売っておきたい。


「ダンジョン産の物ならなんでも売れますよ。魔石でも武器でも買取ります。ただ等級の高いアイテムは現金をすぐに用意が出来ないので時間がかかります。」

「なるほど」


 C級のアイテムは数千万から数億で売れると聞いていたから現金をすぐに用意する事は出来ないだろう。


「じゃあとりあえず魔石を500個ほどいいですか?」

「500ですか!?」

「買取できないですか?」

「買取は出来るのですがまとめて500個も持ってきた人がいなかったので驚いてしまって」

「そうなんですね」


 どうやら多すぎて驚いていたようだ。もっと少ない数にしとけばよかった。


「その500個の魔石はどちらにありますか?運ぶのが大変でしたら何回か来てもらっても大丈夫ですよ」

「ちょっと待って下さいね」


 俺はアイテムボックスから等級がFとEの魔石を出した。


「アイテムボックスですか!?珍しいですね」

「あはは」

「じゃあこちらお預かりしますね。店内でお待ちください。」


 店内で商品を見ながら30分ほど待っていたら呼び出しがされた。


「今回、お持ちいただいた魔石はF級が330個、E級が170個です。F級の魔石1つが買取1000円、E級の魔石1つ3000円ですので全部で84万円になりますね」

「え、?ほんとですか!?」


 想像よりもずっと高い。せいぜい10万いけば良い方だと思っていたのでびっくりだ。


「この金額で大丈夫です」

「ありがとうございます。こちら84万円ですね。」


 臨時収入を得たので朱音にデザートでも買っていこう。

 

 俺は店を後にしてケーキを買って病院に向かった。




 私は見てはいけないものを見てしまいました。

 今日もいつも通り初心者ぽいお客さんにこのお店の説明を兼ねて話しかけました。


 対応しているとこの店で買取できる物を聞かれたので説明をしました。

 そしたらなんと魔石を500個も買取に出されて驚いてしまいました。

 数が多すぎることもびっくりしたのですがアイテムボックスのスキルも使えていたのです。


 一見、初心者の探索者だと思いましたがもしかしたらとんでもない人なのかもしれないと思いました。

 私は鑑定のスキルが使える為、お客様に悪いと思いつつも興味本意で鑑定をしてしまいました。


(名前は神崎蒼空で年齢は18歳か。若いですね)


 それでここからがとんでもなかったのです。

 

(レベル84!?しかもステータスが全て600超え!?)

 

 私の鑑定のレベルではここまでしか情報が分かりませんがスキルもとんでもないんじゃないかと思います。

 どうしたらこの短期間でこんなに強くなれるのか不思議になりました。

 私が見てきた探索者でも1番強くてレベルが20くらいでしたので正直84なんてありえないと思っています。


 ですがある人物のことを思い出しました。それはダンジョン配信者のシエルの存在です。


 私も彼の配信を見たことがあるのですが先ほどの声がシエルと似ていたので強さといい最近50層のボスを倒してダンジョンを攻略していたので出てきたとしたらほぼ本人で間違えないでしょう。


(あれだけ強かったらダンジョンも攻略出来るでしょうね)


 正体を隠して配信している人なのでこのことは私の中で留めておこうと思います。


 


 病院に着き、受付に向かった。


「こんにちは、神崎朱音の兄です。面会をお願いします。」

「蒼空くん?」


 受付をしていたら名前を呼ばれた。

 呼ばれた方を見てみると俺のことを知っているナースのお姉さんだった。


「久しぶりね。半年近く何やってたの?朱音ちゃんのお見舞いにも来ないで」

「いろいろありまして」

「まぁ詳しくは聞かないけど朱音ちゃん寂しがっていたわよ」

「すみません」


 やっぱり寂しがっていたようだ。申し訳ないと思う。


「それで朱音は元気ですか?」

「朱音ちゃんは・・・」


 何故かお姉さんは何か言い淀んでいる。


「朱音に何かあったのですか?」

「まずは会いに行きましょうか」


 なんか嫌な予感がする。


 俺はお姉さんについて行き朱音がいる病室の前まできた。


「朱音ちゃんを見ても取り乱さないでね」


 お姉さんにそう言われ病室に入った。病室に入ると寝ている朱音がいた。


「寝てるんですか?」

「いいえ、ここ4ヶ月くらい目を覚ましてないの」

「嘘ですよね?」

「本当よ。元々病気だったけどダンジョンが現れてから1ヶ月して今の病気とは関係ない病気にかかってそれから目を覚ましてないの」

「ダンジョンが現れてからですか?」

「そうよ。朱音ちゃんだけじゃないわ。同時期くらいから元気な人も老若男女この謎の病気にかかっている事例があって検査しても異常が見当たらないの。」


 ダンジョンが現れた事によって謎の病気が流行っているようだ。


「治す方法ってないんですか?」

「まだどういう病気なのかも解明が出来てないの。だから薬も出来ていないし治す方法も見当もついてないわ。」


 原因が分からない以上治すことも出来ないだろう。

 

「俺がもっと早くお金を稼げていたら手術をして今頃元気だったかもしれないのに!」


 俺にお金がないばかりにもう治せていたかもしれないのにさらに違う病気のせいで酷くなってしまった。


「額が額なんだからしょうがないしこの新種の病気は元気になっていてもかかっていたかもしれないんだから」

「しょうがなくなんて無いですよ」


 だって俺が早くダンジョンを攻略出来ていれば装備を売ってでもお金を作って手術が出来ていたしもしかしたらそのおかげで新種の病気にかかっていない可能性が0じゃない以上俺のせいだ。


「落ち着いて。自分を責めてはだめよ」


 そう言い残しナースのお姉さんは病室を出て行った。


「遅かった。俺が早く戻っていれば。ごめん朱音」


 後悔してもしきれない。


「何か治す方法はないのか?」


 ポーションやエクストラヒールは怪我なら治せるが病気までは治せない。


「そうだ。鑑定で原因が分かるかもしれない」


 俺は朱音を鑑定してみた。


 神崎朱音  16歳  人間  レベル1


 職業なし


 HP 30/30 MP300/300


 攻撃力 7

 防御力 6

 体力  5

 敏捷性 6

 魔法力 100

 魔法耐性100


 スキル

 火魔法3、水魔法3、風魔法3、土魔法3


 状態異常

 魔力過多症


「なんだこのステータスは」


 レベルが1なのに魔法系のステータスだけ異常な数値だ。

 それにスキルも基本属性の火、水、風、土魔法が全て使える。

 魔法系のスキルは持っているだけでも珍しいのにこれはおかしい。


「それで原因はこの魔力過多症か」


〈魔力過多症 体内の魔力が急に増える事によって身体に異常を起こし昏睡状態になる。治療法 エリクサーまたはパーフェクトヒールを使う。〉


 どうやらこの地球に魔力が溢れたせいでこうなったようだ。


「治すにはエリクサーかパーフェクトヒールを使うしかないのか」


 異世界ものだと伝説級のアイテムだ。簡単に手に入れれるものなのだろうか。


〈エリクサー 全ての病気、怪我を治す。S級ダンジョンや大型ダンジョンのボスのドロップ品や宝箱からごく稀に出てくる。またエルフのごく一部で作られている。〉

〈パーフェクトヒール 回復魔法8から使え怪我、部位欠損、病気などを完治する。〉


「大型ダンジョンに行く理由がもう一つ増えたな」

 

 称号の効果で宝箱からいいアイテムが出やすい効果もあるしボスのドロップ品でも出る可能性があるならドロップ率1.5倍の俺ならもしかしたら出るかもしれない。

 それに魔法のレベルを上げるならこれもダンジョンでしか出来ない。


「そうと決まれば用意して行くぞ」


 俺は病室を出てまずはスーパーに向かった。

 前は何も用意せずにダンジョンに入ることになったから今回はきちんと用意をしてから行こうと思う。


 とりあえず食料を買い込み、次に布団と鏡、日用品などを買いに行った。

 地べたで寝るのに慣れたとはいえ布団はあるに限る。

 あと仮面の効果の検証がまだ出来てないので鏡を買った。

 

 買った物を全てアイテムボックスに入れて大型ダンジョンに向かった。

 こういう時アイテムボックスがあると便利だ。


 そしてダンジョンに来たがダンジョンの前には受付があり何人か並んでいる。


「そういえばダンジョンに入る前に受付で身分証を見せないといけないんだったな」


 確か2ヶ月間ダンジョンから出てこないと捜索されるらしいが俺はエリクサーを手に入れるか全属性魔法が8になるまではダンジョンから出てこない予定だ。

 迷惑をかけたくないのでバレずにダンジョンに入りたい。


「ここは隠密を使って入りますか」


 隠密を発動して受付の前を通ったが全く気づかれなかった。


「誰にも気づかれなかったな」


 隠密を解除してさっそく先に進む事にした。


「よし!行きますか!」

 

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