14話 神との邂逅
「ダンジョンを作った?」
『そうです』
どうやらこの地球にダンジョンを出現させたのはこの神らしい。
「どうしてこの世界にダンジョンを作ったのですか?」
『この地球を守るためです。』
「地球を守るためだと?」
むしろダンジョンが現れたことでこの地球に脅威が現れたのだから守るためではないのでは?
『私が管理している世界、蒼空さんからみたら異世界ですね。普段はその世界を管理しているのですが私の管理不足のせいでこの地球に危害が加えられそうになったのでダンジョンを作りました。』
説明になってはいないがなんとなくは分かった。
「あなたのその管理不足のせいで地球が危機に晒されているのならきちんと説明するべきでは?』
『それはごもっともですが説明しても今の貴方では無力ですよ』
今の俺でも無力だと?たぶんこの地球で1番強いぞ。
「質問いいですか?」
『どうぞ』
「なぜワイバーンに殺されそうになった時、俺を助けたのですか?」
この神の声を聞いてあの時助けてくれたのがこの人だと確信している。
『蒼空さんが思っている通り蒼空さんが地球で1番強いです。というか蒼空さんが簡単に獲得出来る称号を網羅してしまったせいで蒼空さんが一強になってしまったんです。こんなはずじゃなかったのに私の予定が狂ってしまいました。』
「それは申し訳ないです」
今の話から考えるにその危害からこの地球を守るには強い人が何人もいるということだろう。そのためにダンジョンを作って人類を育成しようって感じか。
でその中でも1番強い俺に死なれたら困ると。
『察しが良くて助かります。なのでこれ以上を知りたいのでしたらさらに強くなってください。』
「なるほど」
なんとなく分かってきた。
「他に質問しても?」
『答えられる範囲なら』
俺はとりあえず不思議に思っていたことを聞こうと思う。
「なんで配信機能があるんですか?」
そうこれが1番不思議だったのだ。ステータス画面とかショップは分かるが配信機能だけ謎だった。
『地球ではテレビや配信で情報を得るでしょ?どうせダンジョンの中を配信する人がいるんだからこちらで用意したのです。』
つまりダンジョンの事を世の中に配信って形で情報を広げて欲しいと。
『その認識で問題ありません』
「じゃあ次はダンジョンについて教えてください」
『簡単な説明だけしますね。ダンジョンには大きく分けて2種類あります。固定型、ランダム型です。』
「固定型とランダム型ですか?」
『固定型は一度現れたら攻略をしてもそこに残り続けるダンジョンです。ランダム型はダンジョンが急に現れて攻略すると消えます。ちなみに蒼空さんが攻略したこのダンジョンは固定型です。』
固定型が常設でランダム型はゲリラって感じか。
「ダンジョンの難易度はどのように分かるのですか?」
『固定型だと何階層もあるダンジョンになっていて難易度は第1層から出るモンスターによって違います』
「具体的には?」
『私たちの世界の難易度分けでいうと小型ダンジョンがスライム、中型ダンジョンがゴブリン、大型ダンジョンがオークって感じですね』
じゃあ俺がクリアしたこのダンジョンは中型ダンジョンということか。
『ランダム型はフィールドタイプのダンジョンになっているので中にいるモンスターの強さがそのダンジョンの難易度です。たまぁにダンジョンを放置しすぎた結果、中のモンスターが強くなって難易度が変わることがあります。』
なるべくランダム型は早く攻略したほうがいいみたいだな。
「ダンジョンブレイクが起きたりする事ってあるんですか?」
『ランダム型だとあります。基本的にダンジョンからモンスターが出ることはありませんがイレギュラーがあると出てきます。」
ダンジョンについてはなんとなく分かった。
『他に聞きたいことはありますか?』
「俺の職業は賢者ですが他の職業に転職する事ってできますか?」
賢者でも十分強くはなれるが全ステータスを均一に上げるなら他の最上位職になれるならなりたい。
『なれるかなれないかで言ったらなれます』
「どういうことですか?」
『今、あなたの種族は人間ですね』
「はい」
『人間を卒業すればなれます』
「人間を卒業ですか?」
人間卒業ってステータスで言ったらすでに人間を辞めてる。
『そういう事ではなく人間から進化してまたレベルを30にすれば転職できます』
「そういうことですね。でも人間から進化ってどうしたら進化するんですか?」
『そこなんですよ。その条件が難しいのでなれるかなれないかで言ったらなれますと答えました。』
そういうことだったのか。ということは相当、進化条件が難しいのだろう。
「その進化条件を聞いても?」
『まぁどうせ無理だと思うので答えますがレベルを250にすれば進化します。ただその条件を超えた人はこっちの世界にも過去に100人くらいしかいません』
要するにほぼ無理ってことか。
「じゃあ最後に俺はどこを目指したら良いですか?具体的にどれくらい強くなれば良いですか?」
強くなれということは最低これくらいっていうのはあるだろう。
『そうですね。この地球に大型ダンジョンを4つ作っているので全部攻略してください。そしたら必然的に強くなっています』
なら俺の当分の目標は大型ダンジョン全クリってことだな。
「分かりました。質問に答えてくれてありがとうございます。」
『あなたには期待しているので頑張って下さい』
「ちなみにこのことを配信で言うのってダメですか?」
『おまかせします。ただ視聴者から頭がおかしくなりましたか?ってコメントが来ても知りませんから』
それはそうだ。急に異世界の神に会って地球に何かくるから強くなれよなんて言われても頭大丈夫?ってなるだけだ。
『中型ダンジョン以上を攻略した者にはこのことを伝えるので他の人が攻略するまで待った方がいいのでは?』
「そうします。でも中型ダンジョンを今の人類には攻略出来ないと思いますよ。」
ゴブリンに苦戦している連中だ。無理な気がする。
『攻略出来ると思いますよ。だって中型ダンジョンのボスって本来ワイバーンくらいですしあなたみたいにソロでは来ないでしょ』
「え!?本来ってそれくらいの強さなんですか?」
俺って運無さすぎじゃね?ワイバーンくらいだったら今の俺なら余裕で勝てるぞ。
『なので心配しなくても半年もすれば攻略者が出ると思いますし蒼空さんが知らないだけで意外と強い人はいますよ』
「そうなんですか?」
『はい。なので蒼空さんはその間に大型ダンジョンでも攻略してきては?』
「そうします。その大型ダンジョンってどこにありますか?」
『自分で探してくださいと言いたい所ですが1つは東京のお台場にあります』
「すぐ近くじゃん」
それならいつでも行くことが出来る。
『そろそろ時間ですね。では攻略頑張って下さい。また大型ダンジョンを攻略出来たらお会いしましょう。』
あとサービスしときました
そう言って異世界の神ラミリアは消えていこうとしていた。
『あとサービスしときました!』
その言葉を最後に完全に消えて俺は目を覚ました。
「あれは夢だったのか?いや違うな」
夢だったらこんなに鮮明に覚えていないだろう。俺は本当に神に会ったのだ。
「あの会話が本当なら俺は強くならないといけない」
何かがこの地球に攻めてくるらしい。
「とりあえず大型ダンジョンの攻略だ」
次の目標も決まった。
「まぁその前にダンジョンを出て妹に会いに行こう」
たぶん怒っているし心配もしていると思うので会いに行こう。
俺はまだ拾ってなかったデュラハンのドロップ品を確認した。
「何が入っているかな?」
中には仮面が入っていた。
「なんで仮面?デュラハンが使っていた剣とかかと思ったのに」
とりあえず鑑定してみる。
〈覇王の仮面 等級S 全てのステータス+100
特殊効果 仮面の透明化、スキル偽装5、物理ダメージ30%減、不壊〉
「なんじゃこれ!?」
初めてのS級装備なのも驚きだがスペックも最高すぎる。
「なんかあの神が消える間際にサービスしときましたって言ってたけどこれじゃないよな?」
仮面って俺にぴったりのアイテムだ。
「感謝感謝ありがたく貰います!」
試しに着けてみた。サイズがピッタリで視界も普段と変わらず見える。
「この仮面を透明に出来る効果を試してみるか」
頭で仮面が透明になれと念じて確認しようとしたが
「あ!鏡がないから透明になってるか確認できない」
家に帰ってから確認をしよう。
装備を全て外してアイテムボックスに入れた。
「よし!このダンジョンにもう用はないな!」
俺は外に出た時に人に見られたら困るので隠密を使った。
そして玉座の近くにあった魔法陣に乗った瞬間、眩しい光に包まれ目を開けると外に出ていた。
丁度、外には誰もいなかった。
「よっしゃ!やっと外に出れた!」
嬉しさのあまり思わず叫んでしまった。
「朱音待ってろよ!今から会いに行くからな!」
俺はダンジョンから出たその足で病院に向かった。




