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「これ、なんかあいつが置いてった。まりの分もある」
「何これ、サイダー? もらっていいの?」
彼は頭だけぺこんと折って頷いた。ラッキー、ぬるいから冷やしておこうか。あたしはサイダーらしき飲み物のガラス瓶を冷蔵庫に入れた。
晩御飯のあと、冷蔵庫からサイダーを出して飲むことにした。瓶の蓋をあけてガラスのコップに注ぐ。
ん? なんで泡が立たないんだろ? 気が抜けてるのかな。
まあいいや、と思いコップを傾けて飲んだ。
「苦っ!」
なにこれ!? 喉がヒリヒリする。あまりにも変な味なので、一杯飲んでやめた。次の瞬間、口の中にアルコールの香りが広がる。
うわ……これ酒だったんだ!!
やっちゃった……
イッキ飲みでないから命は大丈夫だろうけど、なんか……
「ふらふらする……」




