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ノックが聞こえた直後、俺の耳に人の声が聞こえてきた。
「誰かいますか?」
俺はドアにもたれながらゆっくり立ち上がり、再びドアスコープを覗いた。
するとそこには女がいた。
人間の。
「だ、だれだ…!」
恐怖に溢れた情けない声が震えた喉から放たれる。
「隊員です」
「隊、員…?」
自衛隊…なわけがない。
ここはもう絶対に俺がもといた世界とは別の世界だ。
「何しに来た…」
「魔物の殲滅に」
魔物。
言われなくてもわかる、アイツ、あの化け物のことだと。
「さっきの魔物はどうしたんだ、」
「斬りました」
あの化け物、いや魔物を斬ったってのか?
魔物の力と殺意は一般人の俺から見ても明らかにヤバかった。
あんなやつをこの短い時間で殺ったってのか…?
「とりあえず出てきてください。ここは危険です。街に向かいましょう」
俺は警戒しながらドアを開け、相手を視界に入れた。
女の全身が見える。
女はTHE清楚みたいな黒髪ロングだった。
女の身長は思ったより低く、150cmないくらいだろうか。
それでも、どこからか感じられる頼れる感は両腰に見える剣から来ているものだろうか。
それにしてもこの身長にしては胸がでかい。
にしてもというか普通にでかい。
Eカップぐらいあるんじゃないだろうか…。
俺が女を舐め回すように見ていると、女は見下すような目線をこちらに向けたが、何も言わなかった。
巨乳に視線が引っ張られるのは、男の性だからしょうがない。
それから俺は女に連れられアパートから少し離れた場所に足を運んだ。
そこにはただの鉄の塊が浮いていた。
それはただの立方体だった、はずだった。
今この瞬間までは。
女が首にかけているペンダント(?)みたいな飾りを鉄の塊にかざした瞬間、女が何かを言い、鉄の塊が音を立てて変形し始めた。
まじか…。
『すげぇ…』という感情がこみ上げてくるのを押し付けるように、『かっけえ…』という厨二の感情がこみ上げてきた。
段々と形を変える鉄の塊はスポーツカーともなんともいえない乗り物に形を変えた。
スポーツカーといってはこの乗り物がかわいそうだと思えるほどに、かっこよかった。
シュッとした車体、それに付いている、いかにもレーザーやミサイルが出てきそうな発射台(?)。
だが何より、それが宙に浮いていた。
ジェットエンジンとかそういうのは見当たらず、どうやって浮いているかは分からなかった。
女が運転席に乗り、俺を呼ぶ。
「早く乗って」
俺が乗り込み終わるか終わらないかぐらいの時に女はもう何かを操作し前進を始めた。
「あっぶね!なにすんだよ落ちるだろ!」
俺の言葉に女の言葉が続くことはなかった。
なんだよこいつ…無視かよ。
そんな気持ちを吹き飛ばすかのように車体はどんどん加速し、空を切り裂いていった。
はっや…。
体感で300キロはでてたような気がする。
車体は揺れることも、スピードの圧を感じることもなかった。
「おい、どのくらいで街に着くんだ?」
俺は女に質問を投げかけたが女が答えを投げ返すことはなかった。
俺は周りを見渡しながら快適な旅を楽しんだ。
まあ、旅というほど長くもなく、2,3分で停車してしまったのだが。
到着したと思った俺が辺りを見渡すが、街なんていうものはなかった。
しかし、地面に円形の石が埋め込まれていて、その石には魔法陣のようなものが掘られていた。
もしかして…、そう思った俺の期待通り、魔法陣が光を放ち始め、目の前が光だけになった。
……これはっ!
俺の表情がニヤつく。
魔法だ。
光の中で俺は魔法に心を躍らせていた。
そして眩しさが消え、俺が目を開けるとそこは街だった。




