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大迷宮の創造者  作者: POG
第4章

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彼方より来たる者

 さて、ダンジョンも五十階層まできたしそろそろ強いのを召喚しようかな。


 まぁ最近は魔力が増えたからか適当に召喚してても高位の魔物とか出るようになったけどな。

 この前のエンマは最高位だったし。


 前にあったトレント戦でアヴァロンをダンジョンから呼び出す自体になったからな。


 今ダンジョン内に常駐している最高位の魔物はルシフェル、アヴァロン、エンマ、フェン、ティアマトの五体だが、エンマはボスとしてティアマトは世界樹の守護として階層から動けない。

 ルシフェルも緊急時には指揮官としての役割がある。

 実質的に戦闘に参加できる最高位はフェンだけなのだ。


 アヴァロンが居ればダンジョンの守りは万全だが、逆にダンジョン外での防御が低い。


 ミカエルとウォルターはどっちも守りが薄いし。


 そろそろ階層や役割に縛られない何でもできるオールラウンダーが欲しいな。


 それに今回は試したい事がある。

 今の俺は、ミカエルを召喚した頃以上に魔力がある。

 ちょっと多めに込めただけで最高位の魔物が召喚できるのだ。

 全力をこめたら伝説級ぐらい召喚できるんじゃないか?


 と思い、召喚場にきた。

 今回はミカエル、ウォルター、アヴァロン、ルシフェルの初期最高位組を連れてきた。

 前回、ウォルターを召喚した時、吹き飛ばされそうになったからな。アヴァロンが居れば大抵は大丈夫だろうが、ミカエル達がやけに心配するから連れてきた。


 まぁ今回だけで次回はアヴァロンだけでいいだろう。  


「よし、いくぞ。【迷宮支配・眷属召喚】」


 こい、オールラウンダー。

 そう願っていると。


 突然召喚陣から魔力が溢れ出した。


 俺を庇うように皆が前に来る

「アヴィリル様、これは…」


「いや、俺に聞かれたって」

『警告!』


 演算機からいつになく焦ったような声が飛んでくる。


『外部からの干渉を感知しました。今すぐ召喚を停止する事を推奨いたします』


「ええ!外部からの干渉!?—いや、そんなことより、わかった。召喚を止めよう」


 数分後、何とか召喚を停止できた。例の干渉のせいか。なかなか止まらずに焦ったが。


「ふぅ。疲れたな。すまんが皆とりあえず警戒だけしていてくれ。俺はもう休む」


「かしこまりま——」


『おやおや、それは連れないじゃないか』


 召喚場を後にしようとした瞬間、頭の中に直接声が響いてくる。


 慌てて振り返ると、先ほど止めたはずの召喚陣が広がっており、陣の中心で杖をつき漆黒の紳士服を着た男性がこちらを見ていた。

 いや正確にはわからない。何故ならまるで靄がかかっているようで顔が全く認識できないからだ。


「やぁ、初めまして。君が私を召喚した主殿かな?」


 その言葉と同時に俺以外の全員が振り返り、その存在にやっと気づいた。

 そして気づくと同時に戦闘体勢に移っていた。


 すると男性は不思議そうな、困ったような態度で


「おやおや…こんなに警戒されるとは実に悲しい物だね。これから同じ主人に仕える仲間じゃないか」


 何なんだこいつは。

 見た目から種族は全く想像つかないし。コイツを見ていると何だか気分が悪くなる。

 演算機さんは?


『理解不能、観測不能、測定不能』


 マジか。

 とりあえず召喚陣から現れたってことは俺が主人になっているはず。

 ならステータスが見れる。


『警告。対象との差がかけ離れています。ステータスを閲覧した際、どのような作用があるのか不明です』


「今はこれしかないだろ。ステータス」


 俺は確認すべく謎の人物のステータスを開いた。


 しかし


 ———ステータス———

 名前:———

 種族:———

 称号:———

 メインクラス:———

 サブクラス:———

  スキル

 ————————————


 そこには何も情報がなかった。名前、種族、全てが表示されていない。



 え?…何も表示されない?バグか?


 ——よくわからんが、もう一度だ。

 ステータス


 すると先程とは違う表示がされた。


 ———ステータス———

 名前:———

 種族:———

 称蜿キ:蠖シ譁ケ繧医j譚・縺溘k閠?

 メ繧、繝ウクラス: 豺キ豐王

 サブク繝ゥ繧ケ:愉謔ヲ王

  神蝓溘せ繧ュ繝ォ

  ・蟷サ諠ウ逾櫁ゥア:繧ッ繝医ぇ繝ォ繝

  雜?カスキル

  ・混沌繝取ウ

  ・諢画えノ法

  スキル

  ・螂?。 ・謚?蟾ァ陦

 ———————————


 先程まで存在しなかった、ステータスがそこには存在していた。

 まるで世界が謎の人物に合わせているかのように。


 しかし覗いたステータスは一切読み取ることができなかった。


「は?なんだこ———」


 そこで俺の意識は途絶えた。




 ——————




「主様!」

 近くにいたルシフェルがアヴィリルの意識が絶たれたことをすぐさま感知した。


「アヴィリル様!—貴様、アヴィリル様に何をした」


 ミカエルも異変に気付き原因であろう謎の人物へ敵意を向ける。


「何をした、か。私は別に何もしていないのだがね。まぁ主殿の意識がなくなったのは私を覗いたからだろう。…弱めていたつもりだったが、それでもまだダメだったか」


「何をぶつぶつと!」

 紳士服の男にミカエルが攻撃を仕掛け

 合わせる様に、ルシフェルとウォルターも攻撃に加わった。


 ミカエルの戦棍が、ウォルターの拳が、ルシフェルの魔法が、紳士服の男へと飛んでいく。



「やれやれ、こうなってしまっては仕方がない。君達には主殿が目覚めるまで、大人しくしてもらおうか」


 謎の人物が杖で地面をコツンと叩く。


 ミカエル達は攻撃に備え、一瞬身を固めるが、攻撃は飛んでこない。

 しかし、油断せず戦闘を続けた。


 アヴァロンはアヴィリルの前から一歩も動かず、ただ紳士服の男を見つめていた。



 ——————



 …う、気持ち悪い。何なんだ、何が起こった?

 確か…


「そうだ!アイツはどうなった!?」


 目が覚め、さっきの男の方に目を向けるとそこには、ミカエル、ウォルター、ルシフェルの三人がまるで何かと戦う瞬間のような体勢で固まってた。


 俺の目の前にはアヴァロンもいるがコイツはいつも直立不動だから止まっているのかはわからないが。


「おや?目覚めたかい、主殿」


「そこの固まってる三人はどうした?」


「何、ちょっと幻覚を見せているだけさ。私と戦っている幻覚をね。しかし、そこの彼はすごいな。最低限に抑えたとはいえ私の力に耐えているのだから」


 紳士服の男はアヴァロンを指し賞賛する


「それで、お前は何なんだ?」


「私か。私は…いや、私は何者でもないさ。名前もない。だから主殿、君が決めてくれないか?」


 さっきコイツのステータスを見た時、ほとんど文字化けで、確かに名前も種族も分からなかったが。


「その前に、お前は味方か」


 コイツは今までのやつとは違う。外部から来たやつだ。

 俺に従うか分からない。


「味方だとも。君が私の主人なのだから」


「…分かった。名前を付けよう。お前の名前は…オールドだ」


「おぉ。感謝するよ主殿。これから私はオールドと名乗ろう。では早速お礼と行こうか」


 オールドが俺に杖を向けると不思議と心が、頭がスッキリした。


「先程主殿が私を覗いた時に遭った精神異常を解除した。それと耐性の付与も」


「そうか。それはどうも。で、あの三人は」


「あぁ。彼等はそのうちに目を覚ます。精神異常も彼等なら自分でどうにかするだろう」


 名前を付けたことでオールドとの間に繋がりができた。

 今ならステータスを覗けるかもしれない。


『オールドのステータス閲覧は推奨できません』


 大丈夫だ。さっき耐性付けたってオールドが言ってたし。


 ——————

 名前:オールド

 ——————


 ぐっ、耐性が付いていてもきついな。

 でも名前は確認できた。それ以外は相変わらず読めないけど。


『熟練度が一定に達しました』

『スキルを獲得します』

『以下のスキルを獲得しました。

 【恐怖耐性】【幻惑耐性】【精神異常耐性】』


 マジか。

 オールドに会っただけで耐性のスキルを獲得したぞ。


 このオールドは、明らかに人じゃないよな。かといって魔物かと言われるとそれも悩みどころだ。


 何者でもないと言っていたが種族がないのはデフォなのか?

 位階だけでもわからないだろうか。

 まず最高位以上は確定だ。


「オールドは自分の位階がなんだかわかるか?」


「位階…というのは要するに強さの指標だね?…残念ながら私にはわからない。いずれは世界が決めてくれるだろう」


 世界がって、よくわからんな。

 演算機は?


『最低でも幻想級、上限は不明です』


 伝説級まで超えちゃったよ。


 そんなヤバやつは街の階層には連れていけないかもな。

 見ただけで精神異常を引き起こすし

 街にいる下位の魔物とかが見たらもっとまずいことになるかもしれない。


 …新しく階層を作ろうかな。

 コイツ専用の。


 要するに隔離だ。


「ミカエル達が起きるまで俺がダンジョンを案内してやろう」


「おぉ。いいのかい?主殿自らとは」


「いいんだ」

 俺以外にオールドの相手ができる奴がいないからな。

 戦闘面じゃなくて立場的な意味で。


「じゃ、いくか」



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