二日目
戦いは苛烈を極めた。
魔王、ヒドラ、ゴーレム、アンデッドの集団。
いいいいい、やああああああ。
怖い怖い怖い。
魔物が怖い。
魔物が嫌。
でかい、鳥?トカゲ?怪獣?何、その顔。
中でも、アンデッドの集団が嫌だ。こいつら人間みたいで・・・
ぐあああって口を開けて、襲ってくる。ひいいい、恐怖絵画みたいじゃない。
「ふはははは、お前らなど、蹴散らしてくれる」
おまけにちょいと賢いアンデッドがいる。アンデッドの中で人間らしいのは、目くそ鼻くそだけれど、そいつ、めちゃくちゃ強い。
いやああ。私の体に手を突っ込まないで。
勇者が私の中から、爆発する弾を取り出そうとした。私の袋の裏側がこちょこちょされているみたい。
ははは、こそばゆいって。くっそ。
逃げ出したいのに逃げ出せない運命を、私は呪った。
「あ、ごめん。レディに」
ごめんじゃないわよ。突っ込んでから。
「でも、ポーション取り出さなきゃいけないから、ちょっと我慢してくれる?」
もう、まな板の鯉同然よ。
はい、どうぞと私は体を預けた。
信じられないことに、いくらでも、私の体から、丸玉が出てくる。私の体の中には相当な数の玉がある。どこにどう入ってるのよ。まったく。
ぼろぼろ、ぼろぼろ。私の巾着って、いくらでもポーション、出てくるじゃない。
いったいどういう構造なのよ、これ。私の体、異空間って。
将来の夢は舞台女優ぐらい、夢見た時があったけど、異空間って。
ああ、考えるほど、心がずたぼろになっていく。
宝珠がアンデッドたちを爆発させて、蹴散らす。
魔法で作られた丸い玉、宝珠には、赤、青、水色、黄色等いろいろ色がある。
赤い玉はぶつけると大爆発をする。他もいろいろな用途がある。
この世界、魔法、召喚魔法、黒魔術、白魔術と何でもあるけど、魔力自体を封じ込めた、時限爆弾みたいなものも作れる。それが宝珠。
平時、平和な時は、魔法道具店で売られていて、魔法使いが普段せっせと作っているものみたいだけど、いつの間に貯蓄したのか、それが無数に私の体の中にあるみたいね。
と・・・・・
私の中で何かが光った。というより、私が私が光っているのを感じ取ったというか・・・それは、私の中で輝いて、私にこれを使えと教えていた。
「ルー、これじゃない?」
ルーが私に手を突っ込んだ時に、それを渡してやると、ルーは大いに喜んだ。
「そうそう、こういう強力な魔力攻撃力を高める宝珠があれば、敵を一発で倒せるんだ」
「また、私に言って」
そっか。
巾着が教えてくれる時もあるんだ。
ぜんぜん知らない人が、念じて取り出すだけじゃあ、取り出したい物も取り出せない時もあるものね。
うん、この巾着、そういうとこ、好き。
「ああ、頼りにしている、マリース」
こうして、私もひと働きする術を覚えた。




