14/15
13
「さて、君はどうやって、僕に【人間の正しさ】を理解させるんだい?」
挑発するように薄く笑いながら、彼は私に言った。
「私はただ、教えるだけだよ。理解させるわけじゃない。理解が出来るか出来ないか、理解をするかしないかは結局のところ、貴方次第だよ。」
私は彼に、【理解してくれる】という願いを込めてそう言った。そうしなければ、そう言わなければ、彼は私と身体を共有したとしても、やはり【人間】とは違う別のモノに、今とも違う別のモノに、成り果ててしまう気がしたからだ。
「なるほど、それでいいよ。」そう言った彼は私との距離を詰めた。それで距離感が近くなったにも関わらず、私も彼に近づいた。
「けれど君は、本当に僕に教えられるのかい?君の様な人が、君の様な【人の形をした化け物】が...。」
「...」
私は絶句した。彼が私に対して言った言葉の意味よりも。彼の瞳が、あまりにも綺麗なその瞳が、明らかな【拒絶】を含んでいたことに、とてつもないほどのショックを受けたのだ。




