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冒険 8 (最終話)


冒険 8 (最終話)


眠っているキサラを囲んで皆で相談をする事にした。

自分の為、キサラの為、愛する人の為、何が良いのか悪いのか・・・


「リーダー良く寝てるね。」


「本当だ・・・可愛い顔して。」


「テリー、皆、話があります。」キサラの告白から、ずっと黙って居たマジェリが口を開いた。


「どうした?キサラの事?」


「はい。昨日からリーダーの話を聞いていて、1つの仮説を立ててみました。

 目覚めたリーダーが眠る前と同じ人格であれば、オールマスターで魔王のリーダとパーティを続ける事が出来ます。」


「どういう事?」


「私は自分の仮説に絶対の自信が有りますし・・もし、仮説が外れていたとしてもリーダーを説得をする自信が有ります。」


「マジェリ・・・俺には何の策もない。ただ結論は出ている。キサラと共に在ることだ。

 でも、マジェリや他の皆は良いの?下手すれば、皆死ぬよ?」


「私は大丈夫です。それに・・・死ぬ気がしないし」


「マジェリの意見は俺の意見だ!!」チコリは間抜けた事を誇らしそうに言ってる。


「ちゃんと自分で考えなさい。馬鹿・・・!」


「俺もそれで良いよ。それに逃げたくなったら、各自の判断で逃げればいいと思う。」


「し~っ!目覚めそうです。ここは、任せて下さい。」マジェリは口に指を当てながら言った。


   ***   ***


「おはよう!魔王さん。」


キサラは、少し気怠げにゆっくり起きて頭を振る。ぼーっとする思考回路を整理して・・・

「あっ!オイラ、今日から魔王だった。」


「魔王さん。お別れの前に、いくつか質問しても良いですか?」

マジェリは何時になく、冷めた声で話す。


その声にキサラは動揺をしながら、小さく頷いた。


「魔王さんのお名前を聞いていいですか?」


「えっ?名前?キサラだけど・・・」


「へ~!名前も人格も変わらないんだ・・・変なの。皆さんもそう思いませんか?」


「・・・」


「マジェリは何が言いたいの?」テリウスは少し苛立った様子だ。


「キーワードは、口伝、流伝、思い込みです。」


チコリがジェミーに小声で解説を頼んだが、ジェミーは目を反らした。


「魔王のキサラさん。明日からはどうするんですか?悪い事をするなら手伝いますよ。」

マジェリは突き放すような言い方でキサラに言った。


「悪い事って・・・」キサラは、マジェリに対応できない。


「魔王って言うのは、只の称号です。」マジェリはキサラを押し倒して力一杯押さえつけた。

「称号以外には、意味も力もありません。」


「マジェリ、それって根拠あるの?」ジェミーが恐る恐る口を挟んだ。


「あり過ぎるくらいだね。まず人格に変化が無い。」


「それは俺も思った。キサラの性格じゃ、魔王は無理でしょ。」


マジェリはキサラを押さえつけたまま、話を続けた。

「本来はパーティを組んではいけないというルール。」


「それって、どんな意味があるの?」


「魔王の他に、強い者を作らないって事です。今更リーダーが、私達を殺せると思いますか?」


「無理だな・・・」


「ルール自体が必死にリーダーを魔王に追い込んでいますが・・・

 例えば、以前のオールマスターが魔王になったとして、そういうルールを作って次世代に魔王を復活させる・・・とか?そもそもルールって口伝と流言だけで、何の証拠もない。」


マジェリは一息ついて、押さえつけている腕に一層の力を込めて

「キツい事を言う様ですが、あなたの取り柄は強いって事だけです。魔王でも何でもありません。

 それでも呼んで欲しければ・・魔王ってあだ名で呼んであげても良いですよ。 

 何も出来ない貴方に・・・大層なあだ名だとは、思いますけどね。」

ここまでを一気に言い切ると、マジェリは腕を放した。


キサラは放心状態でポロポロと涙を流している。


「マジェリ・・・いい加減にしろ!」テリウスがキサラを庇うように言った。


「テっ・・・テリー・・・違う。」泣きじゃくりながら、キサラが言った。


「こんなにキサラを追い詰めて。・・・どうしたいんだ?」


「どうしたいんだ?それは、こちらが聞きたいですね。」

「今の話を聞いて、リーダーはどうしたいですか?」やっと優しい声のマジェリに戻った。


「淋しい・・・助けて・・・皆と一緒に居たい。」


「はい、良く言えました。私もリーダーと一緒に居たいです。」


「やった~!これで解決だよね。話し殆ど、分らなかったけど」チコリがはしゃいで言った。


「マジェリ、あんたすげ~な。喧嘩したくないわ。」ジェミーはマジェリに握手した。


「有り難う。」マジェリは握手に力を込めて笑顔を返した。


「テリー、オイラ怖かった~。」


「俺もだよ~。」キサラとテリウスは震えながら抱擁をしている。


「前にリーダーが言ってたでしょ?諫める人が居なかったって。

 リーダーには、諫める人が居るんですよ・・・私のあだ名は?」


「思い出した・・・」


「うん・・・」


『毒舌のマジョリだった~!!!』4人は声を揃えて言った。



   ***


「これから、どうするの?あだ名でも魔王なんだから、他のパーティが挑んで来るよ?」


「俺達全員で、オールマスターになれば良いんじゃね?」


「オールマスターか、いいなそれっ!」


「挑んで来た奴らは、全員デコピンで追い払う~!」





旅は続く・・・5人で、わちゃわちゃと



   *** 完 ***

























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