その7「鬼人は死の旋律を奏でる」
〈鬼人モード〉といったところか。俺はスキル「剣技の鬼」を発動した。
全身は赤く染まり、体の至るところから蒸気が吹き出る。筋肉は盛り上がり、異様な形になっている。
「そっ!そんなものは…見掛け倒し、だろう!」
軍の男は焦っている。圧倒的な優勢であった男は今までにない恐怖を感じているのだろう。それに、アーサーが命懸けで剣を封じてくれている。
「レッ…レベルの差ァ! 俺ァレベル5だゼェ…レベル1ごとき素手でぇ殺してやるゥ!」
男は剣から手を離しこちらに走ってきた。
◆◆◆
あり得ない。俺は奴の、軍の男の後ろに立っていた。いつの間にか、奴の後ろに回っていたのだ。いや、奴の後ろに回り込むこと自体は自分で行おうとした。しかし、気づけば奴の後ろに立っていた。
…はやい、のか。俺って速い? 今までとスピードが違いすぎて頭はついてこれていないらしい。
「ヒェェエエエ! どっ…どこへ消えやがった!」
男は焦っている、本気で。案外気が合うかもしれない。俺も焦っている。自分の速さに。
そんな冗談はさておいて、俺は攻撃を開始する。だが、殺すのはあまりにもかわいそうに思える。奴もたくさん人を殺したのだろう。しかし、殺したくない。現代社会で生きてきた俺は甘いのかもな。今回は刃がない適当なところで打撃を与えて見よう。
「行くぞッ!」
「ヒッ!」
辺り一面は異様な光景に包まれた。軽く叩いたハズの奴の腕はあろうことか’回転‘している。関節は衝撃で外れ、あたりに肉片を飛び散らせながら、骨が擦られる音、回転音、そして男の叫び。いわゆる「地獄絵図」と言うやつかもしれない。
そしてこれは例えるならば「死の旋律」。俺はやり過ぎてしまった…。という後悔をした。もうこんだけすれば男はもう復讐とか大丈夫だろう。…まだ腕が回転している。
◆◆◆
ここでヤバいのはアーサーである。体に深々と剣が刺されている。アーサーの元へ駆け寄った。
そして、アーサーの元へついたとき、謎の音楽が直接、頭の中に流れてきた。
パパパパパッパッパーン
−到達予想時間まで、残り???分−




