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引き出しに繋がった異世界で王になった男  作者: 白ノ爆撃
零章 ~天睛とアーサー~
4/7

その4「初戦闘、避けただけ。迫りくる帝国の猛威」

 ブゴゴ…ブゴゴ…。そう鼻を鳴らし襲い来るはイノシシだ。それも、ただのイノシシとは訳が違う。きっとこの世界に適応するように進化してきたのであろう。まるで鎧の様に発達した硬そうで赤黒く輝く体毛に身を包む、トラックほどの巨体。間違いなく、俺らがいた世界のとは違う。違いすぎる…。


 ブガッ!そう音を鳴らした瞬間、その巨体からは考えられないほどの速さでこっちへ向かってきた。が、見きれない程でもない。例えるならば、自転車くらいか。

真後ろには木があり、左右には他の木と間隔が少し広めに開いている。俺は左に避けた。アーサーは右に避けた。

「うわっ…と、とと。」

「ひぃぃ〜…。うぎゃっ!」


 次の瞬間、木は激突してきたイノシシによってへし折られ、また、イノシシはへし折った木との下敷きとなった。

「アーサー、大丈夫か?」

「へ?ああ…は、はい」


 いつも通り、大丈夫な様だな。俺はイノシシを見た。

 ぶ…ブゴゴ…!ブゴゴッ!


 なんとこいつ生きている。それも無傷だ。たまたまこの森の木々は普通とは違った、大きく成長しているためか、身動きはとないようだが。まぁ、身動きとれないイノシシにかまっている暇はない。ゴブリン村を探さねば。そう思い剣を見た。剣はまるで寂しそうに徐々にその輝きを無くしていった。それにしても、さっきは何故剣が光ったのか?アーサーにそのことを聞いてみた。


「え?そ、その剣に何か特殊な能力が?

す、すて、あ。剣のステータスを見れば…どうですか?」


 なんて言ったんだ? ステータスだって? そんなゲームみたいなものが存在するのか。是非みたい。見てみたい! あるのならね。


「そのステータスってどう見るの?」

「し、知らなかったのですか?す、ステータスはこうやって…」

 アーサーは前に人差し指を出した。そして空を斬るように下へスライドした。コツは指に力を込めて、心の中でステータスオープン、とさけぶ様だ。

 そして彼のステータスを見て驚いた。


ーーーーーーーーー


個体名 アーサー

種族  猫人族

レベル 1/1

スキル 英雄の才能

      レベル50以降、

      全ステータスの伸びが3倍になる。


  HP 500/500

  MP 60/60

  力 50

  守 48

  速 49

  賢 38

 運 99


ーーーーーーーーーー


  なんと彼はレベルが成長しない。

 つまり彼は持てるスキルも十分に活かせることができないまま…。レベルの成長限界には個人佐賀あるようだ。彼は世にも珍しい『成長しないタイプ』のようだ。

 俺も気になってステータスを見てみた。


ーーーーーーーーーー



個体名   我龍天睛

種族    人間

レベル   1/1

スキル   剣技の鬼

       HPの最大値を

        一時的に1にすることで、

        剣で与えるダメージ×10倍、

        剣の速度×5倍になる。

     やまびこの力

       魔法を唱えるとき、

       このスキルを意識すると、

       その魔法はMPの消費なく、

      もう一度発動する。

       ただし、発動した魔法の

       コントロールは不可能。

       一度目と同じ軌道で発動する。


  HP   500/500

  MP  50/50

  力   90

 守  32

  速  38

  賢  62

  運  13


ーーーーーーーーーー


  な…なんだとーッ!俺も成長限界が1である。信じたくない。しかしそれが現実。受け入れるしかないのである。そしてアイテムのステータスみるには、その物に指を触れ、スライドするそうだ。


「なぜ?ステータスなんて仕組みがあるんだ?」

「さ、さぁ?わかりません。こ、これは神が我らに教えるべき最低限の情報だから…なのでしょうか。」


  俺は剣のステータスも見た。


◆◆◆◆◆◆


 しばらく時間は経過した。剣のステータスを見て驚きはしたものの、特に山道に変化なく、ずっとアーサーをゴブリン村を探索していた。すると…


「天睛さん!アレを見てください!黒い煙です!

なにか…悪い予感がしますッ!」


  アーサーとは同じ成長しないもの同士というのもあってか、山道を進むにつれ、気を許せるようになっていった。今でも敬語で話されるものの、ビビられはしなくなった。

  それより…黒い煙?何かあったのだろうか。

 俺は、煙の元に駆け寄った。すると…そこにあったのは…


「なんてヒドイことを」

「これが俺達の探していた『ゴブリンの村』なのか…」


  見つけたゴブリンの村は多くの村人が拷問され、そこら中に腹の中身をぶち撒けた死体が転がっていた。まさしく地獄絵図。どうやら、襲撃の後らしい。それもまだ新しい。なんとか息をしているゴブリンを発見した。話をかけることに。


「貴様らも…。あの人間の仲間か。許さん!許さん…ぞ!」

  話すのが精一杯らしい。そして、アーサーの目の色がいつもと違うことに気付いた。

「許されないぞ!帝国軍め!」

 アーサーは人間の軍の正体に気付いたらしい。『ヴァニラ帝国』という人間の国らしい。

  不幸中の幸いか、国は同じだが猫人族の村へ向かっている軍とは別の隊らしく、この国を破壊した軍は、ここを去っていた。


−到達予想時間まで、残り4時間−

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