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ひととせ巡る欠片の日々よ  作者: 雨空 雪乃


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3/5

弥生

三月一日

始まりの日というよりはただの日曜で

何かしようという気も起きないほどに

花粉が舞う暖かな陽気を窓から眺めた


三月二日

誰かを想いながら作る物語は意外にも

その誰かに届いた上喜んでくれていた

踏み出した一歩目に、そっと感謝した


三月三日

雨が降った。しかも気温も下がったよ

雨は私の彩…なんて思う事もない程に

寒い。本当に寒い。はやくかえりたい


三月四日

歩み始めるというのは怖い事でもある

何を得られるか、失うかとか想像して

意外にも心配事は起きなかったりして


三月五日

毎朝来る天気の通知は気温差が倍だと

そしてもうひとつ書かれていたことが

『花粉が極めて多い』うん…知ってた


三月六日

とあるイベントに参加した人を見かけ

オープンになったなぁなんて思いつつ

しかし同種とは思われたくないという


三月七日

人も場所も全部違うとなると、環境も

しかし今日のは酷すぎて呆れたもので

次に行くとしたらその辺り覚悟が要る


三月八日

日曜日である。おやすみなのである。

やることを済ませて引きこもろうと。

買い物に出かけたら空がとても綺麗で


三月九日

自分のイメージをふと投げたら、君は

とても喜んでくれていそうな雰囲気で

嬉しくなって、また届けたいと、思う


三月十日

何もなかった。なんて言えばそれまで

何もない日は、あるようでないけれど

それでもまぁ、まるで中身がない日も


三月十一日

十五年。ではなくて、今もなんだよね

日々生きて、歩んで、振り返ってまた

いや、二度と起きて欲しくはないのだ


三月十二日

作っている楽曲がひとまず形になった

最初のイメージとは違っているけれど

かの方のイメージと重ねて、いい感じ


三月十三日

昨日やり残したことを片付けながらも

あぁしたい、こうしたいと巡る思考に

次のテーマも気が付いたら形になって


三月十四日

ホワイトデーって、さ。あまりにもさ

こぢんまりとしていてなんだかな、と

まぁ、特に返しも返されもないけれど


三月十五日

特に何かどう、ということはなく休日

身体を休めて、買い物に行き時を生き

また明日から始まる喧騒に、遠い目を


三月十六日

月曜日だから憂鬱になるわけではなく

一歩踏み出すタイミングをずらされて

少し気後れしているだけ、なのだろう


三月十七日

いつものように新しい曲を書き始めた

でもいつもと違う雰囲気が出てきて。

いつもより聴いてほしい曲になる予感


三月十八日

ひとつの仕事が、終わりを迎えた日。

相変わらずバタバタと動いて働いて。

午前で終わって帰れた、ラッキーデー


三月十九日

急に休みになった。予定は全くない。

そういう時は引きこもるタイプの私だ

新しいパソコンをいじって遊んでいた


三月二十日

寝坊したっ。と飛び起きて、思い出す

今日もまた何もない日なのだった、と

試運転と遊びも兼ね、ひとつ曲を作る


三月二十一日

距離感と線引きを少し曖昧に捉えた日

何か少しズレているような気持ち悪さ

まぁ人付き合いというのは往々にして


三月二十二日

久しぶりに、過去に見た映画を見直す

細かい所が見えてきて、楽しめていた

そんな日があっても、たまにはいいね


三月二十三日

曲集を書き進める。題名はとある一日

日々の暮らしの中、そのお店は今日も

なんて思いを込めたら、暴走し始めた


三月二十四日

五感の内、ひとつが機能しないことに

戸惑いつつも楽しもうと努めていると

味気ない世界が見えて、不安を抱える


三月二十五日

この際全力で楽しんでやろうと実験を

色んなモノを食べてみて感想を得た。

味を感じない事と、香りだけの世界を


三月二十六日

自分の身を実験台にするのは意外にも

精神的には楽な道を選んだようである

セロリ食べたら味覚が戻った。何故だ


三月二十七日

同時並行で作り続けていると、たまに

似た雰囲気…というよりは似たモノが

そういうのは避けなきゃいけないよね


三月二十八日

気になった企画展に行ったら思いの外

小規模だったから美術館にはしごして

メインになるほど感動するコトもある


三月二十九日

あの人の特殊性、というのを、改めて

あの人の輪の素晴らしさにも、改めて

その輪にいられるコトの感謝を改めて


三月三十日

特に何か予定があるわけでもない月曜

特に何かする気も起きない不意の休日

そんな日もあるなと思いながら、眠る


三月三十一日

めでたい日が重なった雨の日の今日は

涙を流す窓ガラスの先で街の明かりが

遠くキラキラと輝いて素晴らしかった

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