21 オルペウスvsギルガメッシュ・ダガー
「どうやら耐えられたのは
300体のうち…3体だけか…」
ゾスターは脳が沸騰し
破裂したダークネス達を
まるで役立たずのように
消し炭にかえた
「コアが破壊された訳では
無いから時間が立てば
再生されたのにもったいない事をする」
アーモンはそう言ったが
「再生されたとしても
レイディアンスの情報量に
耐えられなかった連中だ…
何度やっても同じ事だ」
ゾスターは生き残った
3体のダークネスの科学分析能力を試して見る事にした
「お前達3体には期待しておるぞ…早速だが仕事を申しつける」
3体のダークネスは無言で
ゾスターの命令に
服従した、分析能力以外は
必要ないからゾスターは
それ以外の脳の性能を
彼等から奪ったのだ
一切の感情を持たない
哀れなダークネス達…
だが此で終わりと言う訳ではないレイディアンスの
頭脳の代替えとなるダークネスを用意するとなると一つの能力だけで何千と言うダークネスの
犠牲が必要なのである
そのために能力を限定され
アップグレードも果たせなかったダークネスは何も考えられない廃人同様になる
このことをゾスターは
表沙汰にしないために
失敗した実験体を処分しているのである
ゾスターも自分の評判が
余り好ましくないと
ある程度自覚しているオルペウスにそう
説明されバルケウスは
慌てふためいた
「バカな!一体どうやってそんな科学的知識を?」
そこで闘技場の貴賓席で
腰掛けているフラウロスが
言った
「別に驚く様な事じゃないわ…私達ダークネスには
宇宙を形成する7つの力が
あって、そのどの力にも
得手不得手の相手が存在する
時間力の弱点が重力だった…
それだけの話よ」
偉そうに言ってはいるけど
フラウロスも実は
ゾスターがバルケウス対策用に作ったアカデミアと
名付けられた科学部門
エキスパートダークネス
からの受け入りである
当然オルペウスのやっている
時間粒子対策方もアカデミアの考え出した知恵だった
「そしてこのリニアリングは
攻撃にも転用出来る」
オルペウスはリニアリングを
自分の脚に填めて
それを付けたままバルケウスの操るギルガメッシュ・ダガーの脳天に攻撃した
突然の真上からの攻撃に
対応が遅れるバルケウス
「時間を遅らせて脳天への
直撃を回避する」
バルケウスは時間粒子を
大量に排出しこの空間の
時間の進みを一瞬止めた
…だが時間粒子はアット言う間にオルペウスのリニアリングに吸収され
そればかりか吸収した
時間粒子をオルペウスは
逆に利用し
蹴りの速度を数倍に上げた
ギルガメッシュ・ダガーの
脳天に加速力まで加わった
オルペウスの鍵爪が
容赦なく突き刺さる
「ぐあぁああああ」
オルペウスの鍵爪はギルガメッシュ・ダガーの頭蓋骨を
切り裂き脳髄を貫通し
頬の肉を切り裂きながら
顎を吹き飛ばして
首元まで食い込んだ
オルペウスは羽を広げ
羽ばたくとギルガメッシュ・ダガーの体の上から
飛び降りる
いくらギルガメッシュ・ダガーが丈夫でも
この攻撃は効いていた
「脳髄を破壊した…これで
ギルガメッシュ・ダガーの
体を自由には出来ない筈」
だがそう思った瞬間
オルペウスの背中に
騎馬の持つ槍が突き立てられた!
オルペウスは避ける間もなく
そのまま胸まで貫かれる
槍のトンガリはオルペウスの美しい乳房から突き出て
乳首を内側から十字に
切れ目を入れるように
裂いて突き出る
まるで槍の先端が
オルペウスの新しい乳首の
様だ
「油断だったな‥オルペウス…ガモン・ダガーの
甲冑を操れば良いだけの事
3身一体の長所がこれだ」
オルペウスは学んだ
「そうか!3体同時に
脳髄を破壊しない限り
ギルガメッシュ・ダガーは
行動不能に出来ない」
オルペウスを操縦する
琴子もバルケウスが
ギルガメッシュ・ダガーの
体を欲した理由が良く解る
超回復するダークネスの
肉体を持ってしても
脳髄を破壊されれば確実に
動けなくなる
だが一つの肉体の全然別の場所に脳が3個あれば一度に
攻撃されて活動停止と言う
事態を避けられる
そして先程破壊された
ギルガメッシュ・ダガーの
頭部も急速に再生を
始めていた
「このまま今度は貴様の
脳天を砕いてやるぞ!
オルペウス」
胸から突き出た槍の
トンガリが勃起した乳首
程度だったのが
傘の部分が開いて
抜けなくなる
オルペウスは必死にもがき
脱出仕様と試みるが
ギルガメッシュ・ダガーの
槍が杭のように邪魔をして
どうしても抜け出す事が出来ない、そこに非常にも
ギルガメッシュ・ダガーは
オルペウスの背骨を狙い
黄金の拳を振るい始めた
鈍く骨の砕ける音がする
オルペウスの背骨は
ギルガメッシュ・ダガーの
攻撃に耐えられるほど
丈夫に出来てはいない
ダークネス一の貴婦人と
呼ばれるほど優美な曲線は
過剰な暴力一つで簡単に
その芸術的な美しさを
損ねてしまう
知能の足りない傍観が
美しい芸術品の価値も解らず破壊する様は見ている方が
気分が悪くなる
貴賓席でそれを見ていた
フラウロスはたまらず目を
反らした
「きゃああ」
だが血を求める観客は違う
美しいオルペウスの
流す血に興奮し
目を爛々とさせてギルガメッシュ・ダガーに喝采を贈ったどうしても血を求め見たい
それがこの闘いを見に来た
ダークネス達の一番の
目的である
だがそんな観客達の
歓声の中でも貴賓席に座る
アーモンだけは冷静に
オルペウスを見ていた
「慌てるな…琴子…
お前なら切り抜けられる
冷静になれ」
アーモンは知っていた
オルペウスの目がまだ死んで無いことを
琴子自信はオルペウスの
損傷がダークネスとして
まだ致命傷ではないと
判断できていた
脳髄を破壊される前に
脱出出来れば
背骨を砕かれても直ぐに
再生できる
だがこの勝機をやすやす
手放すバルケウスではない
「ぐははは その華奢な
背骨をグシャグシャに
してやるぞ!」
バルケウスは日頃の大物ぶった言葉使いを忘れ
本来の粗野な気性に見合った汚い言葉を使い始める
「ぐしゃしゃ ぐしゃしゃ」
バルケウスはそう叫びつつ
オルペウスの背中を
所構わず殴り続ける
その結果オルペウスは背後から内蔵に損傷を受ける
まず腎臓が破裂し
オルペウスは尿道から
血の混じった尿を漏らした
だがそれだけではない
折れて砕けた肋骨が
ギルガメッシュ・ダガーの
拳で押し出され
オルペウスの腹の皮を
突き破り飛び出してくる
「凄まじい闘い…此が
本来のダークネス同士の
闘い方だ」
貴賓席で闘いを見守る
アーモンは不死身同士
ならではのこの闘いぶりに
琴子の成長を見ていた
隣に座るフラウロスには
無い物を琴子は持っている
恐らく同じ状況になれば
フラウロスは逃げ出す
それは確信できる
{フラウロスは最初から
強いダークネスとして
ネイキッドとなった…
それに比べ琴子はこのような闘いを繰り返しながら強く
なっている}
琴子はオルペウスの羽を
広げてそれで槍を
切ろうとする
「無駄だこの槍はお前の
羽の刃くらいで切れは
しない」
そうバルケウスが断言
した瞬間
琴子はオルペウスの羽の
刃でオルペウス自身の
乳房を切断した
{だからこそ
琴子はこう言う闘いに
長けているのだ}
槍の先端の傘のように
広がった部分は可動部分が
ある琴子はその部分を
的確に切断した
オルペウスの乳房が3分の2切断され断面から血が
吹き出るが
致命傷ではない
体を固定されていた
槍の先端を
乳房ごと切ることで、
オルペウスは翼を使い
ようやく脱出する事に
成功した
「だがダメージは少なくない
どうやって凌ぎきる?」
アーモンは琴子が
オルペウスの力をまだ温存
していると見ていた
ゾスターも同意見である
「ギルガメッシュ・ダガーが1億DPを超えているのに対して…オルペウスは9千万DP
やはりバルケウスの方に
分があるようだな」
アーモンはそれを聞き
「ギルガメッシュ・ダガーは
まだ脳の修復が済んでいない
そこがチャンスだ」
確かに外見上もギルガメッシュ・ダガーの顔面は
オルペウスの爪で割られた傷が生々しく残っている
全身ボロボロの状態の
オルペウスも見られたものではないが脳を破壊された
ギルガメッシュ・ダガーの
緩慢な動きに比べ
羽で飛べる
オルペウスの方が
早さで有利に見えるのは
確かだ
「鎧の代わりを勤める
ガモン・ダガーはあくまで本体を操り人形としてしか動かせない
体を無理矢理動かされる
ギルガメッシュ・ダガーの
方が此処から先の闘いは
厳しくなるだろう」
オルペウスは先に動いた
敵のダメージが残るうちに
追撃で更にダメージを
与え続ける作戦なのだ
鋭い鍵爪でギルガメッシュ・ダガーの頭部を中心に
攻撃し続ける
だが背骨を砕かれ内蔵を
グチャグチャにされて
いては流石のオルペウスも
強烈な蹴りを繰り出すことは厳しい
そこでオルペウスは別の
作戦を取る
敵の乗る馬である
ゲインフル・ダガーの
足下にスライディングして
もぐり込み
頭に被る帽子状のクラゲから
触手を延ばすと
馬の腹部に巻き付け
しがみつくと
馬の下側から攻撃を始めたのだ、オルペウスには臀部から生えている強力な猛毒を
持つエイの尻尾が生えている
それを槍の武器にして敵の本体に突き刺した
ぐああああ
鋭い痛みにバルケウスの
操るギルガメッシュ・ダガーは悲鳴を漏らす
馬の腹にしがみつくオルペウスを何とか振り落とそうと
飛んだり跳ねたりして
してみるがクラゲ触手は
全く解ける様子がない
「おのれぇ離れろこの
ウジ虫めがぁああ」
バルケウスはギルガメッシュ・ダガーの槍で
馬の下にいるオルペウスを
突くが
肝心の槍の先端は
「バカねもう無いのよこの
戯けが」
オルペウスの琴子も
バルケウスに向かって
汚い言葉を使った
そしてオルペウスの
触手に強力な電流を流し
敵を感電させる
バリバリバリと凄まじい
電流が迸り
ゲインフル・ダガーである
馬が門鳥打って地面に
倒れ込む
馬の背から鎧を着た虎の
騎士がその勢いで
地面に叩きつけられると
同時に
いち早く馬の腹から
脱出したオルペウスで
琴子は間髪入れず
敵騎士の頭部に一撃を
加えようと鍵爪の蹴りを
繰り出した
「これで決まったな!もう
避けられまい」
アーモンもゾスターの
見解に同意しようとした
その時、なんとこのタイミングでギルガメッシュ・ダガーは非常手段に打って出た
「合体解除!」
バルケウスがそう命じると
ともにギルガメッシュ・ダガーの合体が解け
敵の身体が3つに分かれて
飛んだ
そのせいでもう少しと言う
所でオルペウスの鍵爪に
よる蹴りの攻撃は
回避されてしまう
鎧の役を果たしていた
ガモン・ダガーも人型に
戻った、そして
何と驚いた事に
ギルガメッシュ・ダガーの
合体解除は単に攻撃を
逃れる為だけでは無かった
「ギルガメッシュ・ダガー
第2形態に合体」
バルケウスの呼びかけに
3体のダークネスの体は
先程までとは別の形状を
取り出す
馬のゲインフル・ダガーが
人型のガモン・ダガーの
鎧となって身を包み
その背後からは
巨大な虎の姿をした
グライル・ダガーが
飛びかかるみたいに
合体した
虎の下半身と人狼の上半身
それと馬の鎧
此が第二形態のギルガメッシュ・ダガーである
だがこの形態になっても
ギルガメッシュ・ダガーの
虎の下半身の脳髄の損傷は
カバー出来ない筈
「狙いは騎士ではなく
あくまでグライル・ダガー
の頭」
その証拠に虎である
グライル・ダガーの動きは
全く見られない
琴子は迷わずオルペウスを
操縦してグライル・ダガーの頭部を脚の鍵爪で攻撃した
「その攻撃は予想されて
いたぞオルペウス!」
バルケウスはそう声を上げると攻撃を仕掛けてくる
オルペウスの右足をめがけ
ゲインフル・の鎧から生える
4本の刀爪で斬り裂いた
ズビュゥン
この攻撃はオルペウスの
右足と同時に翼まで
ダメージを与える
右足の傷は大腿部に深い
裂傷 足首から先は
辛うじて皮一枚で付いていると言う悲惨な状態
だがオルペウスは体制を
崩しながらも
その瞬間を逃さない
今無防備に人狼騎士の
頭がオルペウスの
必殺の一撃の場所にある
オルペウスは翼をやられ
地面に撃墜されたと
見せて超電磁で体を高速で
スピンさせると
その勢いで残った刀翼を
使い人狼騎士の頭部を
切断した
「上手ぞ琴子!これで2体の
頭脳を潰した…」
アーモンも琴子の試合巧者
ぶりには感心した
まだ幼い少女が離れ離れに成ってしまった姉を想い
闘い続けた末に
ダークネスの頂点にまで
その戦闘能力を伸ばし
今大きく華開いたのだ
血みどろの闘いの中で
間違いなく
琴子はこの場に居る全ての
ダークネス達の心を
魅了している
闘技場のダークネス達は
オルペウスの血塗れの
姿に目を釘付けにされ
心を捕らえられている
オルペウスの今の姿を
何よりも美しいと
感じているのだ
「女神…そうオルペウスこそ
まさに…戦いの女神だ」
恐らく肉弾戦でギルガメッシュ・ダガーと此処まで
やれるダークネスは一体も
いない…レイディアンスでも
肉弾戦でならギルガメッシュ・ダガーに勝てないだろう
唯一アレに勝るのは
闘神ゴーラだけだろうが
今は存在しないのだから
じしつボイストンと
ギルガメッシュ・ダガー
この2体が肉弾戦ナンバーワンを競っていた
だがどうだ…琴子の
この強さは…此が本当に
最低クラスのダークネスから
誕生した者の強さか!?
素晴らしいぞ琴子…
流石はこの豪龍が我が娘にと欲した者…泉琴子だ!
豪龍=アーモンには
愛する妻 亘理洋子との間に
実子である悟がいる
だがゾスターの記憶操作の
影響により豪龍には悟の
記憶は欠落していた
豪龍は妻である洋子を
ネイキッドにした後は
琴子を自分の子供にする
そう心に決めていた
強欲の化身アーモンが
そう望んだのだ
何者にも邪魔出来ない
完全なる決定事項、
数千年後
ダークネス神話に語られる
であろう出来事なのだ
オルペウスと
このバルケウスの
戦いも神話となり
語り続けられるのは
間違いない。
オルペウスの刀翼により
切断された人狼騎士の首は
空中高く舞い地面に
鈍い音を立てて落ちた、
そしてオルペウスは
スピンして地面を
滑るように離れながら
ギルガメッシュ・ダガーの
次の反撃に備えて
翼を盾にして身構える
オルペウスは油断なく敵を
分析した
「ギルガメッシュ・ダガーの
攻撃力はまだ衰えてはいない
…頭を二つ無くしただけ
傷の回復は2時間もあれば
回復する程度…けど」
「オルペウスの損傷は
1時間程度で回復する…
ここはオルペウスの傷の
修復を待ち…再び
攻撃するのが
セオリー…でも…」
バルケウスの事
このタイミングを逃せば
どんな悪辣な手を思いつく
かも知れない
琴子も今まで闘ったどの敵よりもこのバルケウスが
強敵中の強敵だと解っていた琴子以上にバルケウスはダークネスとして
ハンディを抱えて生まれ
強力なダークネスから
ダークネスに密かに寄生を
重ねて此処までのし上がった
叩き上げなのである
寄生したダークネスの数だけ
その能力を把握し戦いも
経験している
戦闘の経験値なら恐らく
5体だった琴子でも
かなわないだろう
その重厚な経験力が
あればこそギルガメッシュ・ダガーの様な超ダークネスの肉体を此処まで自在に操る
事が出来たのだ
バルケウスもまた
生き方こそ間違えたものの
その一点だけは賞賛に値する
その戦闘経験からバルケウスはオルペウスの攻撃が
直ぐに再開すると読んだ
「来るか!?」
瀕死の状態のオルペウス
その状態で突っ込んで来る
のもバルケウスは予想し
次の行動は
「合体解除!」
恐らく最後の力で攻撃を
仕掛けて来たであろう
オルペウスの突撃をかわせば
次の攻撃をする余力は
もうオルペウスにはない
そう踏んだバルケウスで
あったが
突進してきたと思った
オルペウスに実体が無い
良く見ればオルペウスは
まだ先程の場所に身構えて
居る
「しまった!」
歴戦の勇者であるこの
小さな少女ダークネスは
気迫だけでオルペウスが
突撃したように見せる
フェイントをかけたのだ
バルケウスはそれに
まんまと引っかかり
あろう事かギルガメッシュ・ダガーにとって最も無防備な
合体解除の瞬間を敵に
晒してしまった
「しまったぁああ!!」
合体を解除したギルガメッシュ・ダガーの部品は
更にオルペウスの居る
方向に向かって飛んでいく
「後ろから挟撃を掛ける
つもりが仇に成ったぁああああああ」
オルペウスは自分に向かって
飛んでくるギルガメッシュ・ダガーの体のパーツを
一つ残さず迎撃していく
そして最後に最も潰して
起きたいゲインフル・ダガーの頭を残った左足の鍵爪で
突き刺した
馬の顔面は眼球が破裂し
脳髄に鋭い鍵爪が何本もの
ナイフとなってズタズタに
斬り裂いた
ギルガメッシュ・ダガーの
コアを傷付ける事無く
自分より格上の相手の
無力化に成功した
琴子は遂にバルケウスの操るギルガメッシュ・ダガーを
倒したのだ
この瞬間闘技場内に居た
10万のダークネス達は
喝采を上げた
遂に自分達の神の献族が
執着の称号を持つセブン・デッドリー・サインズ・アンドロマリウスが誕生したのだ
それもギルガメッシュ・ダガーと言う最強クラスの戦士を堂々と倒してである
もうこれ以上の実績は
見当たらない程の快挙だ
アンドロマリウスは
物理攻撃の肉弾戦において
今、最強の称号も手にした
文字通り血みどろで手に入れた勝利と栄光である
そんな騒ぎの中で
無惨に転がるギルガメッシュ・ダガーの残骸…
今それに気を掛ける者が
居ないとしても、それは
仕方のない事だった
「己…アンドロマリウス…
此くらいで勝ったと思うなよ…」
誰も気づかない…
其れもその筈だ
何故なら其れは目に見えない
極小の存在なのだから
1ミリの100分の1
そんな目に見えない程の
大きさしかないダークネス
その驚異レベルは
人類が設定したダークネスの
戦闘能力数値の中でも
最低の驚異レベル
だが獲物の体内に進入し
ウイルスのように繁殖して
脳を支配するこの
細菌タイプのダークネスこそが、全ての元凶であり
バルケウスの正体であった
「誰にも気づかれないうちに
次成る獲物の体内に進入して我の下僕にしてくれる…
丁度目の前に体中傷だらけの
都合の良い獲物がいる事だしな…」
傷ついた獲物とは
他でもないオルペウスの
事だった
バルケウスはギルガメッシュ・ダガーの残骸から
煙の様に抜け出ると
風に乗ったフリをして
徐々にオルペウスの方に
近づいて行く
明らかに風向きとは逆方向
不自然な動きをする
一塊の黒い煙が
新たな宿主を求めて
オルペウスに取り付こうと
怪しい動きをしている
そのまま誰にも邪魔されず
オルペウスの傷口から
体内に進入するかと
思われたその刹那
オルペウスの周りに
光のカーテンが降り注いだ
その光にほんの少し触れた
それだけでバルケウスの
細菌体は一瞬にして蒸発する
「ぎゃああああ」
バルケウスは複数の細菌体で
形成された知的生命体である
小さな細胞が煙のように
集まることで脳と同じ
機能を発揮して自由に
行動出来るのだ
従って通常のダークネスコアは存在せず
複数の細菌体がコアの代わりでもある、従って
全細菌体の20パーセントを切ると生命活動に
致命的な影響を受けるのだ
今の謎の光との接触で
バルケウスが失った
細菌体の総量は68パーセントであった
「何だ…この…光は?まさか!?」
バルケウスが見ると
闘技場の貴賓席に座る
強欲のアーモンの腕から
目映い光の塊がオルペウスに
向けて延びている
その光がバルケウスには
致命傷の致死性を秘めて
いる事は間違いなかった
「お前の力の属性は
ガスや細菌…私の力属性は
プラズマ…残念だったな
バルケウス…お前にとって
この私こそが天敵なのだ」
アーモンはそう言うと
まだ大気中に漂うバルケウスに向けてプラズマ光線で
攻撃を仕掛ける
バルケウスはその攻撃で
一瞬にして致死に値する
ダメージを食らってしまう
バルケウスは慌てて
ギルガメッシュ・ダガーの
残骸に逃げようとするが
アーモンの光はギルガメッシュ・ダガーの残骸をも
包み隠した、遂にバルケウスは追いつめられた
「しまった!ギルガメッシュ・ダガーの残骸に
隠れるタイミングを逃して
…まさに絶体絶命だ」
バルケウスはそれでも
諦めていなかった
アーモンは逃げる場を失った獲物を狙い光線を浴びせたが
バルケウスはその瞬間
地面に潜った
「チィ!しぶとい」
流石は一筋縄ではいかない
相手だと
★付箋文★




