16 ダガー3兄弟
世代交代の大戦はアンドロマリウス軍の劣性で
多くの犠牲を出しながら
次の段階を迎えたのである
「ルノアール…ここは任せるから…後のことは宜しくね」
ルノアールはこのタイミングで出陣する気なのかと
恐る恐る琴子を見上げた少女将軍の
その瞳は此から戦いに挑む
覚悟を決めた堅い意志を宿していた
5千万のダークネスにたった一人で挑む気か?
ルノアールは思わず言った
「待つんだ琴子!オルペウスに成れないのにどうやって
あれほどの軍団を相手に
するつもりなんだ?」
すると琴子は…
「オルペウスになれない?
私…そんなこと一言も
言ってないわよ」
そう言うと琴子は鳥の羽を
大きく広げた
もの凄い羽音に乗り
4体の琴子もその場に集結して鳥の琴子を中心に
融合を初め…それを見た
ルノアールは唖然とし
「まさか…そんな…グリオットを失っても…琴子はオルペウスに?」
ダークネスエッグが幻の様に現れその中から
黒いボディに金のフクロウの
装飾された甲冑を身につけた
ダークネス世界で最も美しい姿と評される戦いの女神が
降臨した
「メタモルフォーゼ!オルペウス!!」
琴子が大人の女の声になってそれとともに堅い卵の殻が破れその中から
強力なオーラを身に纏い
アルテミット・オブ・
オルペウスがその姿を現した
今までのオルペウスと明らかに何かが違う
それはルノアール達アンドロマリウス軍の幹部で無くても
直ぐに解る違いだった
何だ…あの強力なエネルギーは…本当に琴子なのか?
そしてオルペウスは
ルノアール達に優しい笑みで答えるとそのまま
敵の攻撃で窮地に立った
アンドロマリウス軍の兵達の加勢に向かった
「たった一体で…琴子は
仲間を救うつもりだ…ルノアール!俺達も加勢に行くべきだ」
まだ仲間になって日が浅いゲインフル・ダガーがそう言ったがルノアール司令官は
「いや…この城を守れと
オルペウスは言った…
我々のリーダーを信じろ
ゲインフル」
オルペウスはアンドロマリウス軍と援軍を一方的に攻撃する敵の姿を5体捉えた
そのうちの一体に狙いを定め超高速で跳び蹴りをお見舞いした、その瞬間
敵の体が腰の部分から真っ二つに折れそのまま衝撃で
コアが粉々に砕け散った
そしてそのオルペウスのキックの威力は衰える事無く
直ぐ側にいた2体の
第一世代ダークネスの
体を同じ要領で砕いたのだ
そして3体は断末魔の悲鳴を
上げながら光の粒子になり
消滅していった
「一瞬で3体の第一世代を!!」
その驚愕の事実に敵味方関係なく沈黙した
「何だごの力は?本当に
ダークネスパワーが万単位
もあるのか?」
「だとしても…今やられた
3体は合計で8万だぞ
ああもみすみすヤられる
筈があるか?」
「ああ…その通りだ」
残った2体は3体のヤられ方をみて明らかに怖じ気ずいている、
自分達が一方的責める事しかこのダークネス達は
考えていないのだ
オルペウスはまだ金色のオーラを漂らせて2体を睨み
攻撃態勢を整えている
「だが敵はオルペウス
、一体のみ
怖れることは無いぞ」
その通りだった
次の瞬間2体の側には
加勢に駆けつけた第一世代が現れたのだ
どのダークネスもボスの
威厳を漂わせる強力な敵
ばかりである、その数50体
生き残っていたダークネスを加え52体の第一世代である
見た目と違いこの場にある
戦力は軽く52万を超える
大戦力の出現である
どのダークネスも2万から
4万の能力を有する
やはりと言うか第一世代の
戦闘力は1万程度の力の
者は皆無である全てが
2万から4万の戦力を温存
しているようだ
オルペウスの目は目前の
敵戦力を瞬時に分析し敵軍の
総戦力を52万から198万へと誤差修正した数字を
割り出した
その52体のダークネスが
一斉にオルペウスに向けて
集中攻撃を開始したのである
オルペウスは瞬時に回避
行動を起こすが全てをかわす事は出来ずに何発かの
破壊光線をそのみに受けた
だがその攻撃はオルペウスの強力な電磁障壁に阻まれ
弾き返される
オルペウスはそのまま
敵が張る強力な障壁を
肉弾による攻撃で破ろうとした、だが流石に52体の
第一世代の障壁は破れない
オルペウスは弾き返され
空中で一回転して羽ばたき
をしてバランスを整えた
「真っ正面からの攻撃は効かないあの障壁何処が一番弱いのロボート?」
オルペウスは今戦った情報を直ちにロボートの指揮する
分析班に送った
機械ダークネス達は各々の
システムを繋ぎ恐ろしい速さで敵シールドの弱点を探し当てた
「テキノシールドハ
ジメンニハ ハラレテナイ
チチュウカラノコウゲキガ
ユウコウダ」
それを聞くとオルペウスは
超電磁で52体の足下の
地面を岩盤ごと持ち上げ
空中に浮かせた
そして角度を90度近くに
立たせる
「何てデタラメな超電磁の
パワーなんだ…地球の
電磁力を自在に使って
あんな芸当を…」
オルペウスの攻勢に息を呑む
助っ人に来たダークネス兵士達だったが、オルペウスの
あまりの強さに
「こんな凄い戦い…我々がどうこう出来るレベルじゃない」
そう思わずにはいられない
光景が展開していた52体の敵ごと地面返ししたオルペウスは岩盤の底をめがけて
超電磁キックを炸裂させて
大穴を空けた!
次の瞬間
金色のオーラを纏った
オルペウスが敵の足下から飛び出しその瞬間発生した
衝撃波で敵の中心部辺りに
いたダークネスを木っ端微塵に粉砕した
木の葉のように舞い散る
第一世代達を追いかけ
オルペウスは次々にキックで風穴を空けていく
これが物理攻撃において
ダークネス最強と歌われる
事になる
オルペウスの超電磁技である
この一連の功撃で第一世代のアークエリアル軍団は一度に
30体を失った
只のダークネスではない
全てが名だたるボスクラスのダークネスばかりをである
「だがまだ敵の残数をオルペウスは狙っている」
この異常な強さを見せる
オルペウスの戦闘を見守りつつもルノアール達はその
サポートに必死で努めた
「地面に残った敵はバラバラに逃げようとしています
反撃の体制を整えている
敵はいません!」
「敵の残数25!位置特定!
攻撃の最適ルート計算終了」
ロボート軍団のコンピューターはフル稼働しオルペウスの
超電磁技の最も威力を発揮するルートを割り出した
「うぁああああああ」
オルペウスは気合いを入れて
ロボート達の弾き出した答えを教えられる速度を遙かに超え閃きの速度でそれを知り
敵の残党をたった一つの攻撃ルートで全滅させた
コアを破壊されず残った
瀕死の残党はアンドロマリウス軍と助っ人に来た遊軍と協力し各個撃破していく
「ボスクラと言えどこうまでダメージを食らってはドウしようもあるまい!観念しろ
第一世代!!」追いつめられた第一世代は
「や…やめろ!この俺を誰と思ってる?貴様等などが
軽々しく命を奪う事など
許されない存在なのだぞ!
やめてくれぇえうわああ
助けてくれぇええぎゃぁああああああ」
断末魔の悲鳴を上げながら
無数のダークネス兵に群がられ第一世代のそいつ等は
惨めな最後を迎えた
「お前達が意味なく奪ってきた俺達の仲間の敵だ!思い知るがいい第一世代め!」
第一世代は既に多くの
他世代のダークネスにとって
許し難き敵だった
「ダークネスの輝かしい
未来の為に
お前達第一世代を排除する
此は神のいしでもある」
此を言い出したのは名もない
一体のダークネスだった
自分達の手で第一世代と言う
巨大な力にとどめを刺した
その高揚感がその名もない
ダークネスの口からこんな
言葉を引きだしたのだ
だがこの強烈なインパクトを持つ言葉はその場にいた
アンドロマリウス軍のダークネス達だけでなく援軍に駆けつけた他国のダークネスにも
一気に広がっていった
「ダークネスの未来の為に
第一世代を排除しろ」
この言葉はスローガンとなって一気に神経ネットワークに乗り世界中のダークネス達に
発信された
「このメッセージは何だ?
何故突然こんなメッセージが
世界中に広まった?」
アークエリアルはオルペウスの対応に追われ遂この動きに対処する事に遅れた
「短い…強力なメッセージのために…一度広がると…
次々にダークネスからダークネスへと伝わっていくので
ブロック出来ないのだ」
アークエリアルの取り巻きも
もうアークエリアル軍団ではなく自分達と違う世代との
問題に一気に発展したこの事態に慌てふためいた
此までアークエリアルに
味方する第一世代が
悪者扱いされても、アークエリアルから離れれば
自分達の立場は安泰だと
そう思っていたが
第一世代と言うだけでこのま
までは迫害されてしまう
今までと立場が逆転する!
それは恐怖であり何としても回避しなければ成らない事であった
「アークエリアルの味方をこれ以上していたら
我々自信ダークネス世界での居きる場所を失うのではないか?」
そう考える第一世代も徐々に出てきた、だがその逆に
「こうなれば何が何でも
アークエリアルをセブン・デッドリー・サインズにしないと自分達の立場まで危うくなる」
ゾスター政権の一角に
第一世代の代表を据えて
発言力を持たないと自分達は淘汰されてしまうと強迫観念を抱く者もいたのだ
権力欲と支配欲…この二つが
満たされなければ第一世代のエリートダークネスは
生きてはいけない存在だった
その生き方を変える気は
毛頭無いが…
「今この場限り…嵐が過ぎれば…もともと
第一世代は力を持っている
その間身を潜めていれば再び
力を盛り返す機会も来る
のだ…今は耐えるのが吉よ」
と賢い選択をする第一世代も
出てくる様だ
そうした考えを持つ第一世代は他に知らせることなく
人知れず水晶城を後にした
またこういう選択をする
第一世代に限って力が強い
ダークネスばかりだ
「沈む船から逃れる
大ネズミみたいだな」
それらが居なくなるのを
静かに見送る者がいた
黄金の虎グライル・ダガーである、恐らくこうなると読んではいたが
「思ったほど数が減らないな…今持つ権力を是が非でも手放したく無い訳か…愚かな」
グライル・ダガーにしてみれば、アーモンがセブン・デッドリー・サインズに成った時点で全ては
遅いのだ
もし自分が第一世代だったとしてもアーモン様の敵には絶対に成らなかっただろうと
グライル・ダガーは思った
自分より遙かに優れているだけではない、あの方は疑り深いゾスター王を味方につけた
…恐らくゾスター王はアーモン様を得たことでゴーラ大将軍の抜けた穴を埋めただけでなく
第一世代と言う太鼓持ちも必要無くなったのだ…
精神的に成長している証拠だろう…だがそこまであの
ゾスターを変えたアーモンが只一つ抱える問題があった
「あの方には人間の時に愛していた女に対して凄まじいまでの想い居れがある
…強欲の大罪を冠するアーモン只一つの弱点がそれだ…」
「あの方に限ってそんなことは無いと思うが…あまりにも強すぎる思いは時として
それを利用され足下を掬われる事態も予想される」だが
グライル・ダガー自信も
弟分を人質に取られ
その足下を掬われる状態に
陥っていた
アーモンの懸念であるアークエリアルを予め始末しよと
したのがキッカケだ
自分自身アーモンと言う
望む限り最高の主君を得て
何とか役に立ちたいと
また弟たちもグライル・ダガーのそんな思いをくみ取り
兄に武功を立てさせようとしたのだ、
その強い思いが裏目に出るとは夢にも思わずに
「この俺の過ちが弟たちを
下手をすればアーモン様と
敵対する間違った選択の道を歩ませるかも知れない…
こんな俺がアーモン様に忠告など…烏滸がましいな」
その時…アーモンも前に
ガモン・ダガーの姿が現れた
それに気が付いたグライル・ダガーはそれが幻ではなく
アークエリアルによって
意識を抑えられたガモン・ダガー本体だと解った
「やはり…完全にアークエリアルに呑まれた訳ではなかったか…ガモン」
ガモン・ダガーの思念は
ある程度の自由を今は得ていた…「アークエリアルの意識がオルペウスとの戦に奪われて
…束縛が緩んだか?」
ガモン・ダガーは静かに頷き
長兄の問いに答えた
「話すことは無理か…仕方ない…ではお前に言っておきたい事がある」
グライル・ダガーは猛獣の
牙を食いしばると言った
「何れ…オルペウスと…戦わねば成らないだろう…その時お前には死んで貰わねば成らぬ」
長兄グライルの冷たいとも思えるこの言葉に末弟であるガモン・ダガーは静かに
一度頷いてグライルと目を
合わせた
「そうか…既に覚悟を決めていたか…だが…お前だけを逝かせわせぬ」
それを聞きガモン・ダガーは
にわかに険しい表情を見せた
その目は間違いなく長兄の
死を望まないと語る
「解っている…だがもう決めた事なのだ…心配するな…
あの方にはゲインフル・ダガーを残している」
「俺のような小賢しい知恵で
アーモン様のお手を煩わせる者はいっそいない方が…良いのだ」
これをアーモン様はもしかしたら聞いているのかも知れない
だが…自分で出した答えをアーモン様は無理矢理変えさせはしない、それが
アーモン様のやり方だ
グライル・ダガーは忠義の為なら死も名誉だと考えていた
「これは名誉ある死だ…
共に黄泉路に逝こう…弟よ」
何時の世も戦士のケジメの付け方は名誉の死だろう
真の戦士と呼ばれる者達は
一応に…何故か死に魅入られている、潔良いにも
程があった。
「常に死と隣り合わせなのが
戦士の生きざまだ」
だがこうした考えを否定し
常に生を拾うのが誠の勇者だと考えるのはアーモンだった
アーモンは人間である部分とダークネスの部分とで
大きくその生き方を左右されていた、一度は愛する女を守るために失った命が
ネイキッド・ダークネスに
成ることで復活したのである
だが問題は彼の人の部分が
死んでもいない愛する女を
殺してまで自分と同じ存在に変える事を躊躇している事である、それとは別に
彼はもう一つ気に掛けている事があった
それは幼くして死んで自分と同じネイキッド・ダークネスに成ってしまった
少女の事をどうしても救いたかった
ゾスターによって記憶を
操作されたアーモンは自分には子供がいないと思わされていた
琴子は事情があり一時期預かっただけの関係だったが
本当の子供の様に可愛がった記憶がアーモンにはあった
何れ妻を王国に迎えたら
琴子を自分の子供として加え
妻と3体で暮らす事…そんな
夢想を抱くアーモンだった
だがそんなアーモンの
勝手な想いは今の琴子が知る由もない
オルペウスとなった琴子は
兎に角自分の姉を捜したい一心でこの超人的な強さを手にしていた今は
数十万のダークネス兵との絆の力だけが
琴子の頼りだ
今の琴子には勢いがある
数万ダークネスパワーの
単体の敵なら瞬殺出来る
実力があった
恐らく今の琴子は100万ダークネスパワーを身に付けていた、
だがそれは宇宙で超光速を出していた時の
パワーにはまるで及ばない
オルペウスは宇宙仕様の
ダークネスなのだ
ここでゲシュタルトヤプールに匹敵する敵が現れれば
今の勢いだけのオルペウスでは太刀打ち出来ない
あの時は太陽系の巨大惑星の電磁帯を利用し力に変えていた、ゲシュタルトヤプールが
地球上で行動していたら
実はスピードを利用出来ない
オルペウスは勝てなかったのである
だから数百程度の第一世代がバラバラに向かってきても
「はあああああ」オルペウスの超電磁攻撃の的でしかない
オルペウスの目前に迫った
第一世代100体はオルペウスの攻撃を食い止める事が出来ず、
また何体も体を貫かれた、たとえ第一世代でも
心臓であるコアを破壊されればひとたまりもない
アークエリアルに味方する
軍団は短期間に信じられない規模の犠牲を出した
「既に我が方の被害は
200体に達する…たった
一体の小娘ダークネスの為に…200もだ!」
「ボスクラスが200だぞ!
一体が2万から3万として
最悪600万のダークネス兵を失ったのと同等の被害だ」
アークエリアルは取り巻き連中の埒も無い戯言にウンザリした様子でこう言った
「それがどうしとと言うのだ?」その言葉を聞きカッとした一体がガモン・ダガーの
姿をしたアークエリアルの肩を鷲掴みにする
「それがどうしただと?
仲間が死んだのだぞ!只の
ダークネス兵が200消えたんじゃない我々の同胞が
殺られたんだ!」
アークエリアルの暴言とも思える発言に他の第一世代の取り巻きも険しい表情をする
アークエリアルもこれは不味いと流石に悟った
「いや…これは済まない事をした…我としたことが…仲間の死に動揺してな…」
それを聞きそのダークネスも
「いや…アークエリアル殿にだけ仲間の死の責任を押しつける様な事を言ってしまった
ワシも悪かった…」
「そうだ…我々は運命共同体なのだ…作戦の失敗は全員にある」
その場の殺伐とした感じは
取り合えず回避したが
重たく沈んだ空気は冷たい
侭だ、勝っているときはハシャぎまくっていた連中が
少し負けが込むと意気消沈するのは組織として余りに弱い
このアークエリアル軍団は
纏まりの無い只の寄り合い
所帯に過ぎないからだが
これが只の一体でも
強力なリーダーを中心に
纏まればまるで別物に成るのだが、惜しい事にその器を
持つ者は此処には一体も居なかったのである。
だがこれはオルペウスには
チャンスだった、この侭
上手くいけば100の力で
5000のボス敵を討ち破れるかも知れない
だが…不味いことにアークエリアルには切り札が存在した
オルペウスが一方的と言って良いくらいの快進撃を続けるのも此処までだ
「どうやら…切り札を使う
その時が来たようだな」
アークエリアルはガモン・ダガーの雄々しき人狼王の姿で
恐ろしい遠吠えを吠えた
それに高逐うするように
水晶城に捕らえられている
20体の人狼タイプのダークネスも反応し同じくその
遠吠えを追って吠え始める
「オオ~我ら人狼族の王の
遠吠えだ…何と久しい…」
だがこの遠吠えは戦に向かう時に王が発する出陣の吠え声に他なら無い
「王のお呼びだ…我等は行かねばならない…」
同じく水晶城に捕らえられているダガー軍のダークネスに
彼等、人狼族の戦士達は
そう言った
「主の中身はアークエリアルなのに、手を貸すのか?」
人狼族の戦士達は
「たとえ御身がどのような
状態でも我等はあの御方の
戦士なのだ!」
そう言うと彼等は水晶城の
牢を難なく破壊して
自分達の王のもとに向かった
それを見送るダガー軍の
兵達は彼等と二度と会う事は無いと確信した様に静かに
別れの言葉を掛けた
「勇者達よ…人狼の友達よ
さらば…」
20体の人狼達は
マントを羽織る
巨大な存在感を示す自分達の
王の元に集まった
「ガモン・ダガー様
我等20体のガモン精鋭部隊
ここに集結致しました」
その声は不安に満ちていた、だがそれはそうだ
中味はまるで別人格のガモン・ダガーなのだから
だがそうと解っていても
彼等が目にする人狼王の姿は
そのままである
あの雄々しき勇者の姿を
久しぶりに目の当たりにし
人狼戦士達は心を揺さぶられた、アークエリアルはそんな
彼等の心の内を見透かした様に多くを語らず(喋るとボロが出るので)
「我は此から
あのフクロウの小娘と戦うために出陣するお前等も手伝え」
それだけを言い放ち
ガモン・ダガーの姿をした
アークエリアルは水晶城を
後にした
その後しろ姿に刺激を受けた
人狼戦士20体は大きく吠えて次々に自分達の王の後を追った!
「上手いぞ!我ながら実に上手い作戦だ!このままオルペウスと戦えば
弟とその忠義者のあの馬鹿共を救う為にグライル・ダガーが必ず乗り出してくる
そうなれば我の勝利だ
★付箋文★




