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春高楼

鶯(うぐいす)が囀り、梅の香りが漂う季節。

 国を治めた証である我が城には桜の雨が降り注ぐ。

 血と血で洗う醜い争いの面影はそこには無く、桜の木の下では民たちが宴会を開いていた。


 聞こえてくるのは、歓喜と囃子。

 酒を飲み、囃子に合わせて踊る者もいた。

 この城の天守閣から見ていた私は、ようやく争いのない平和な日々がこれから始まることに、あまりの嬉しさに涙ぐむ。


 しかし、私は思ってしまう。

 この景色もいずれ、時代とともに過ぎ去るのだろうか。

 そして、民たちは幸せなのだろうか。

 国のため、民のために奮闘し、手に入れた安寧は偽りではないのか、と。

 酒の入った盃に落ちた桜の花びらは何も語らない。

 水面に映る私の顔が波紋で歪む。

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