正木君は反省しない。
僕は正木勇気。
勇者になる為に産まれてきた男だ。
先日、ダンジョン調査に同行した。
そして、一つ目の巨人の魔物と遭遇する。
その時、僕はピンと来たんだ。
女神様が、僕の為に用意してくれた魔物なんだと。
この魔物を僕が倒す。
そして僕は“勇者のJOB”を得る!
きっとそうだ。
それこそが、女神様が描いたストーリーなんだ!
でも、僕が魔物を倒そうとすると、ファイブスターとサンダーブラックのメンバー達が、僕の邪魔をする。
本当に邪魔な奴らだ!
それ処か、僕のパーティーメンバー達もが、僕の邪魔をする。
何故だ?
僕がリーダーなんだぞ?
何故?リーダーの僕の指示より、サンダーブラックのおじさん達の言う事を優先するんだ!
ふざけやがって!
僕のライバル、白石拓哉が使役する闇精霊から、洗脳でもされているのか?と思うレベルだ。
僕はメンバー達の一瞬の隙をついて、拘束から逃れ、一つ目巨人に向かって行った。
僕は火魔法を発動させる。
剣に炎を纏わせて、一つ目巨人に改心の一撃をお見舞いした。
しかし、皮膚が堅くて、皮膚に傷一つつけられなかった。
何故だ?
僕の改心の一撃だぞ!
その時、一つ目巨人からの攻撃が来た。
こん棒が僕に向かって降り降ろされる。
避けるのは無理だと判断した僕は、剣でいなす事にする。
しかし、凄いパワーだったせいで、僕の剣が砕けてしまう。
再び巨人からの攻撃が来る。
僕は避ける事にする。
こん棒が降り降ろされる。
その時、ファイブスターとサンダーブラックの盾役の人達が、僕と一つ目巨人との間に入る。
そして、彼等は巨人のこん棒攻撃を受けて、吹き飛ばされた。
遠距離から魔法攻撃を行い、巨人の注意を引いている間に盾役を助け出した。
副支店長が「撤退する!」と言い、僕達は撤退する事になる。
僕は彼等に助けて欲しいなんて、一言も言ってない!
彼等が勝手に助けに入り、そして負傷したんだ。
なのに、何故か?
皆が僕を責める。
僕は悪くない!!
そこで僕は、皆に真実を伝える事にした。
真実を知れば、皆が納得してくれるハズだ。
僕は説明を始める「これは、女神様が僕に与えてくれた試練なんだ…」と…
なのに、誰も僕の事を信じてくれない。
馬鹿か?馬鹿なのか?
信じられない。
馬鹿な奴らばかりだ。
言うだけ無駄かも知れないな。
僕には剣がもう1本ある。
光魔法が付与された剣だ。
悪を倒すのは光だ。
だから光魔法が付与された剣で止めを刺す!
女神様のストーリーは、きっとこうだ。
主人公の僕がピンチに陥る。
しかし見事に体制を立て直し、そして最後には魔物の討伐に成功する。
テレビドラマでも、映画でも、主人公が一度ピンチに陥る。
その後、ピンチを脱して、最後には魔物を倒す。
そう言う流れじゃないか!
何故?分からないんだ?
まったく…皆して、僕の邪魔をしやがって!
挙げ句の果てに、何故か?僕は活動停止処分を受けたのだった。
★★★★★
活動停止処分を受けた僕は、ネットで検索する。
ダンジョンに入れないから、情報収集だ。
①一つ目巨人の倒し方の参考にする為。
②女神様が、僕の為に用意してくれた一つ目巨人が、誰かに倒されていないか?その確認。
この2つが、僕の重要事項だ。
①に関しては、海外で討伐に成功した例があった。
要約すると、矢で目を攻撃して視界を奪う。
そして、遠距離から魔法で何度も攻撃し、少しずつ体力を奪う。
目が見えない巨人は、こん棒をひたすら振り回したらしい。
最後に、こん棒の攻撃を避けて懐に入り込み、直接、打撃攻撃をして巨人を倒したそうだ。
成る程…
僕のパーティーには、弓使いはいない。
う~ん…どうするか?
そうだ!
シーフの静香さんは、投擲のスキルも持っていたハズだ。
気配隠蔽を使って近づき、投擲で目を潰して貰う。
次に孝之が遠距離から魔法攻撃で少しずつ体力を減らす。
孝之の魔法での攻撃力は、たかが知れてる。
だから梓に回復して貰いながら、巨人の体力が減るまで、何度も攻撃させる。
そして、巨人の体力が減ったら、最後は僕が剣で一撃だ!
これなら行けるんじゃないか?
ふふふ。
流石は僕だな!
作戦は決まった。
そして一つ目巨人だが、まだ、誰にも討伐されていなかった。
まあ、ダンジョンが今だに閉鎖中だ。
誰も入れないから、当然、まだ誰にも討伐されていない。
次は装備だ。
僕の剣は砕けてしまった。
火魔法が付与された剣だ。
僕はネットで、あれこれ検索する。
…これは…!!
探索者協会の探索者専用ページに、ネットオークション開催を知らせる告知が掲載されていた。
出品される品目を1つづつ確認した。
そして2つのアイテムが目に止まる。
ふふふ。
やはり女神様は、僕を見放してはいなかった!
僕は確信する。
そして僕は、この2つのアイテムを手にする事になるだろう。
何故なら、僕には女神様の加護があるからだ!
きっと、加護があるに違いない!
あるよね?




