暗闇の中
…ここは暗く、光りさえ届く事が無い世界。いつから居るのかさえ忘れてしまった…ただ分かるのは、気が狂うほどの年月だとゆうのは確かだ、私は…?もうおかしいのかも知れない、生きているのかさえ分からない…もしかすると既に死んでいるか…それすら曖昧だ。それでもここで待っている、ずっと待っているのに見つからない一体何処に…、あの日まで平穏に暮らしていたのに…いきなり現れたアイツに私の半身を奪われてしまった…圧倒的に打ちのめされ血を吐き叫んだが奪われてしまった、アイツは私から奪った半身を更に裂き、ひとつをアイツ自身の中に入れ自分の力にしてしまった…アイツの中に入れられた私の一部はそのまま眠らされてしまった…力だけを取られてしまった。アイツは最後に残った私の力を手に、私を見ながら笑って言った。
「これは餞別に頂いていく」
私はアイツに憎悪のこもった目で睨みながら
「それを…返せ!人間ごときが扱える物ではないぞ!」
アイツは冷たい目で嘲笑うかの様に
「それは力の在る者が言える言葉だ、力の無い者にはそれを言う資格さえ無いと思わないか?」
その言葉に言い返す事が出来なかった。私はコイツが人間だと油断してしまった…だがアイツは私の力を奪う為に準備してここにやって来ていた、全てはその差だった、私の油断で半身を奪われバラバラにされてしまった…もう反撃する力もなくなった私にアイツは興味が無くなったのか踵を返し振り返る事もなく此処から消えた、そうして私はここにひとり残されてしまった。私はここから出る力も無くアイツにやられ傷ついた体を癒す為眠ることしか出来なかった。
そうしてこの暗い空間で出る力も無く何年経った頃だろうか、アイツがまたやって来た。アイツは私から奪った半身の力をまるで自分の物にしていた、相変わらず冷めた目で私を見ていた、私は今さら何の用だと睨むと、アイツは腕を組み
「…お前から取った力を探せ」
一体何の事かと、私から奪い持って行ったのはコイツなのに今さら何を言っているのか、それを探せなど…何かがあったに違いはないが、だが私からすれば…うまくいけば半身を取りもどせる良い機会かもしれないと…私はアイツに
「分かりました、どうぞお任せ下さい…」
と言った。アイツは無表情で頷き
「分かり次第すぐに報告しろいいな」
そう言うなりアイツ消えてしまった、その日以来私は消えてしまった半身に呼びかけ続けた、何度も何度も呼びかけ半身からの力の反応を探ったが一向に無く月日だけが過ぎた。
そうしてあの日がやって来た、いつもの様に半身に呼びかけていると、小さなとても微かな力の反応が私に届いた。それはとても小さく弱々しい物だったが直ぐに私の力だと!あの時アイツに引き裂かれ、悲鳴を上げ血を流し離れてしまった半身だ!ようやく…
「見つけた…。」
だがその反応は瞬く間に消えてしまった、でも大丈夫…存在は確認出来たのだから…後はその反応をたどればいいだけ。私はアイツにこの事を伝ると、アイツは狂った様に笑いながら
「良くやった!……これで!これで…ようやく会える…」
アイツは独り言の様に言うと私に
「ちゃんと見付ける事が出来たあかつきに、お前から奪った物を全て返してやろう!どうだ?」
その言葉に
「返して、本当に返して下さるのですか?」
「…ああ」
アイツは自分の胸に手を当てながら
「どの道これはもう必要が無いからな…」
その言葉に頭を下げると、アイツは頷き姿が消えた、さっきの言葉の意味は何だったのか?もう必要が無くなったとは、確かに今のアイツの力は対峙していても分かる程に強い、以前に会った時とはまるで別人のような力を持っている。…そう言えば昔と雰囲気が違ってはいないだろうか?…前の時と髪やらが違っている、そうか…そう言えば人間はそう長く生きていられない者だった、アイツは生まれ変わり新しい器を手に入れて今に至るのか…それで私の力はもう要らないと言う事なのか……それならそれでいい私の半身が戻ってくるのであれば何だっていい!半身さえ見付かれば私は自由だ、私はもう一度目を閉じ半身に呼びか続けた。私の半身が戻るその日を待ちわびながら。




