交わりし闇
「カルロとウィールがやられただと…?」
連邦軍のとある施設内。
連邦軍の幹部、クリス・ディオールは部下から部隊長の死を報告されていた。
クリスの部隊の中で1位2位の実力を持つ2人がやられてしまうなど予想だにしていなかった。
「…至急フラッシュタウン近辺に捜索隊を派遣し、インフェルノカイザー率いる団体を炙り出せ!私自ら引導を渡してやろう!」
「はッ!」
クリスの指示に部下は答え、クリスの前を後にする。
「フフ、面白い事になりそうだな^^」
物陰よりクリスの弟、チャン・ディオールはその始終を不適な笑みと共に見ていた。
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気がつくとインフェルノカイザーは荒野に立っていた。
辺りは閑散とし、微風が髪を撫でる。
「クク…久しぶりの死煉の扉か。親父との修行時代を思い出すぜ…。」
その瞬間、背後に気配を感じて振り返る。
そこには影。人の形をした影が闇のオーラを発しつつ仁王立ちしている。
インフェルノカイザーはその影に違和感を感じた。
見覚えのある逆立った髪。
17歳の誕生日にプレゼントされたユニ黒製の「ダークロングコート」。闇の刺繍がお洒落。
「俺…!?」
そうその影は紛れも無くインフェルノカイザーであった。
ダッス!!
その刹那、影はインフェルノカイザーへ向け突貫。
距離はあるものの迎撃しなければ死―DEATH―は免れない。
「"俺"を倒すのは気が引けるがしかたねぇ!」
インフェルノカイザーは右手を前にかざし、呟く。
「覚醒-バースト-」
しかし 指輪は 何も反応しない!▼
「え?」
ドゴス!!!
「ぐあああああああt!!」
影の蹴りがインフェルノカイザーの胸元にヒット。
防御体勢をとっていなかった為、思いっきり吹っ飛ばされる。
(ハァ・・・・・・・・・なんで私だけ・・・・・・・・)
インフェルノカイザーは70mほど吹き飛ばされ、地に落ちた。
「グハッ!」
インフェルノカイザーは地に落ち、暫く丸太の如く横に転がり、そして仰向けになり静止した。
闇のオーラが身体を痛めつける―これは己自身の闇の力である。インフェルノカイザーは自身の力を思い知った。
「フン…こんな程度じゃよぉ…全然効かねえ…って」
インフェルノカイザーは身体の状態とは反対の口で、足を地に叩きつけ起き上った。
闇のオーラが身体の節々を締め付けるような痛みが襲いかかる。が、インフェルノカイザーは己の使命を忘れてはいなかった。
No abandon…断念は不可也
己の影はザッ、ザッと荒野の草を踏みしめ、足音を立てインフェルノカイザーへと体を正面に向かい合わせた。
影からはインフェルノカイザーのあの闇のオーラが噴出していた。
「俺は俺を越えなければならない…ククッ…こんな難題…抱えたこと無い…」
インフェルノカイザーも同様に闇のオーラを噴き出した。オーラの量は言うまでも無く、互角―
ただ…身体のダメージはインフェルノカイザーの方がおおきかった。
覚醒―バースト―を出しそこなった…。そして影の技をまともに喰らってしまった。
(覚醒の出し方がよく分からねぇ…が、分からねェなら従来通り戦うしかないか)
ダッスイ
インフェルノカイザーは地を蹴り、影の懐へと飛び込む。両手には闇のオーラ。
影は両手を前に突き出し、インフェルノカイザーの体を止めようとする。
インフェルノカイザーは影の前で手を地面に突き、その勢いで宙へと舞う。
影は上へ向き、突きだしていた両手をも上へ向け、闇のオーラを放つ。
インフェルノカイザーは身体を捻らせ、放たれた闇のオーラを避ける。そしてそのまま影の真上へ来た所で
「ヤミノマァァァァァァ!!」
ドゴオオオオオオオオオオンッ!!!!1
空中でのヤミノマ―
基本ヤミノマは地上で地に足をつけ踏ん張った状態で発射する。何故なら闇のオーラの膨大な噴出量で作用・反作用の法則に基づき自身に多大なエネルギーが生じ、吹き飛ばされるからだ。
それを空中で放つ事はめったに無い。所謂高等技術だ。
インフェルノカイザーはヤミノマでロケットのようにまた高く舞い上がった。
「ダーク・グラビティ…」
フオン
ピタリと宙で身体を止め、地を確認する。
荒野に円状に地面が露出するその中心点、そこに影が上を見て立っていた。
何事も無かったかのように。そして消えた。




