クリスの読み
「ここが格納庫みたいだにィ」
しばらく進みタケシが扉の前でつぶやいた。
[エクストリーム砲 格納室]
扉の上にはそう書かれた看板があった。
「さてどうやって入ろうか・・・」
ダークウルフは扉に手を付けながら入る手段を考えた。
その時
ピシュー
「鍵はかかってなかったのか?」
突如自動扉が開き、中にエクストリーム砲が格納されているのが見えた。
「丁度30分・・・ギリギリってとこか」
ダークウルフの暗殺真-アサシン-の効果が無くなる。
より一層警戒しながら四人は格納室へ入った。
「さーて回収回収・・・あり?」
タケシがエクストリーム砲を回収しようとした瞬間、エクストリーム砲は徐々に薄くなり、消えた。
インフェルノカイザー達はホログラム映像を実物のエクストリーム砲と間違っていたのだ。
「やはり、クリス様の言うとおりだったな!」
突如部屋内に響いた声に驚き、咄嗟に声の方向を向く。
そこには二人の男が立っていた。
「まんまと餌に釣られるとはマヌケな方達ですね」
「こいつ等を討ち取ってクリス様への土産としようじゃねぇか!」
二人の男はしてやったりと言った表情で会話をする。
――罠。
そう、インフェルノカイザー達の動きは光軍の幹部、クリス・ディオールに読まれていたのである。
「まんまとやられたネィ!逃げるであんた等!」
「させませんよ。」
タケシがワープ魔法を詠唱しようとするも、一人の男が持っている本に光のオーラを込める。
すると部屋全体に結界が張られた。
「これは・・・光の結界。これじゃワープはできないにィ」
タケシは不意を突かれた拍子にワープに遅れてしまった。
「ここから出たいんなら、俺たちを倒すんだな!クリス・ディオール軍第一部隊長ウィール、参る!」
ウィールと名乗る男は大剣を構え、光のオーラを出す。
「同じくクリス・ディオール軍第二部隊長カルロ、参ります」
カルロと名乗る男は冷静な声質で手に持っている本から光のオーラを放出させる。
「仕方ない、行くぞ!お前ら!」
インフェルノカイザーは以前ライジングボルトシティで貰った予備の剣を構え、戦闘体勢に入った。
物静かな基地の中、戦いの火蓋が切って落とされた。




