光陰矢の如し
「だが―私には遠く及ばない。このようにな」
クリスディオールは脚でインフェルノカイザーの脇腹を蹴り、突き飛ばす。
インフェルノカイザーは前方に飛び、入ってきた扉を破り壁に激突する。
「カイザー!
チッ、放てッ…!闇魔法―ダークストーム―」
ダークウルフがクリスに向けて、黒い旋風を発生、それを放つ。
しかしクリスは動じず、槍を構える。
「旋風突」
ヒュザアアアアッ!!
クリスは残像が見える程の速さで槍を振り回し、ダークウルフのダークストームを掻き消す。
通常ダークウルフ…闇の住民のダークエネルギーを掻き消す事は物理的には不可能だが、クリスには光のオーラがある―
つまり…
「光のオーラを付属させた槍で、俺の旋風を掻き消した…?!クッ…」
「感心していていいのか?」
「はっ!」
ダークウルフが気付いたその時、既にクリスはダークウルフの眼前に立っていた。
ダークウルフは即座に短剣を振るがクリスの姿は消えた。
「残像だよ」
「しまっ…!」
クリスはダークウルフの背後に回っていた。そして、思い切り一突き―
ガキイイン!!
「…?」
「おっと、兄さん。俺を忘れちゃ困るぜ?」
そこには、黒卯兎の刃の峰でクリスの槍を受け止める、ハゲ―そう、エルリークである。
「―小癪な…」
「ドラゴン拳!爆竜パンチッ!!」
シャッ!!
「ッチ、すばしっこい野郎だ」
拳を思い切りスカしたエルリークは、既に前方で間合いをとっているクリスに向け、舌打ちをした。
「反応速度もなかなかのものだな。闇の下衆にしては…楽しませてくれるじゃないか」
冷酷な目つきをしつつ、ニタリと微笑を見せたクリスの顔には、背筋に何かが走るような嫌悪感が漂った。
「それじゃ、これはどうだ?」
シュッ!
クリスはそう言うと、一瞬にして姿を消した。
そして―
「一体どこに―」
「おいハゲッ!後ろだ!!」
「なにっ!?いつのま…」
ザン!!!!
「ガッ…!?!?!?」
「疾風突き」
ズキュル!
「アッ…」
「ハゲッ!!」
肩を突きさされたエルリークは倒れ込む。
「心臓を狙ったつもりだったが…とっさに避けたか…」
「チッ…こいつ…今までのとは桁外れに強ェぞ…」
「さあ…死んでもらおうか」




