平和の戦
「オラァ!光側の暴挙を許すなぁぁぁ!」
「光は今すぐ出て行け!我等の街を汚すなあっ!」
「お前等のせいでうちの息子が受験落ちちゃったじゃないか!どうしてくれんだ!」
「CoD:G早く発売しろ!!!」
「火竜の逆鱗出ねぇぞ糞がァ!!!!」
光軍の基地では憤怒に満ちた市民達が入口で大声を上げ、門を破壊しようとしていた。
そこへ光軍の一人の兵士が制止しようとかかる。
「お前達、こんな事をしてただで済むと思ってるのか」
「おっ、光の軍が来たぞ!皆、やってやれええええええっ!!」
「うおおおおおおお!」
「ちょ、待って…俺一人だよ、ちょ、援軍―」
「喰らえ地獄の使者どもが!!!」
名刀サメハダを手に持った男―そう、アージョが兵士にとびかかる。
「鮫牙斬ッッ!!!!」
ブッシャアアアアア
「ぐっ…は…」
剣の先で敵の首元を思い切り、突く―その姿、獲物を捕える鮫の如し。
アージョが思い切り剣を引き抜くと、血しぶきをあげて兵士は倒れた。
「クック!久しぶりの戦いで身体もナマってやがると思ったが、そうでもねェみたいだ!やはり俺は最強の剣豪!」
市民達は入口の門をぶち壊し、基地の中へとは入らず、外で光軍の基地内に向け罵声なり何なり色々浴びせた。
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「市民の反乱?」
基地内の中枢部―情報機関であろうか、そこには基地内に取り付けられた監視カメラをこの中枢部のモニターに全て移している。
外からのモニターでは、市民達の暴動がうかがえた。
「はい、先程から―どうしましょう」
「やはりか。この頃から市民達の動きが怪しいと思っていたが…。構わん、追い出せ。危なかったら殺してもいい」
「はっ」
一人の男は、槍を携えた―
「馬鹿な奴らだ…この光軍に逆らうとは」
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一方基地内では―
「市民の暴動の影響で、やはり慌ただしいな。中の様子が」
インフェルノカイザー達一行は裏から基地内に侵入していた。
基地内では兵士達が慌ただしく表の入口の方へと向かっていた。
そんな様子を、彼等は天井裏から眺めていた。
「排気口からはいって今度は天井裏…。早く暴れたいっつーのに何で隠密行動なんかしなきゃいけねんだ」
「室内は監視カメラがいたる所に設置されてる。バレたらまずいだろう。さてどうするか。入ったはいいが何処へ行けばいいか分からないからな…」
ダークウルフが少し考えた後、口を開いた
「とりあえず、降りてみようぜ。中の奴等は入口の方へ走って行ったしな」
「そうだな。とりあえず中を捜索しよう。此処なら光の情報など、いくらでもあるはずだ」
ストッ
三人は天井裏から室内(といっても、廊下だが)へと着地した。
廊下は苔色の大理石の床、そしてそれに見合うかのような緑色の壁。天井は某ジャスコ等で見られるような白に黒色のグジグジみたいなのがあちこちに散布されているような天井だ。
彼等の着地した横には掲示板が張られていた。【廊下を走るな!】という張り紙が張りつけられていた。
(小学校か…。ここの基地は)
エルリークはその張り紙を眺め、心の中で突っ込みを入れる。
「さーて、探索するかァ」
ダークウルフが意気揚々と歩を進めようとしたその瞬間、インフェルノカイザーから袖をひっぱられた。
「オオ!」
「ダークウルフ、前を見るんだ!分からないのか」
「あ…?」
ダークウルフが前方を見ると、天井からぶら下がっていた監視カメラが横を向いていた。
幸いインフェルノカイザー達の方を向いてはいない。
「いたる所にカメラがあんなァ…進めないじゃねーか」
「おいおい、それじゃどうするんだ。インフェルノカイザー」
「任せておけ。こういう時の為に、一つの技を編み出しておいた」
インフェルノカイザーが闇のオーラを噴出させ、集中力を高める。
そして、それを一気に解放する!
「DMP!」
シュウイイイイイイイイイイイイイイン…
インフェルノカイザーの放ったオーラが基地内に行きわたる。
しかし、何も起こらない…かのように見えた。
「?何もおこってねーぞ」
「電子機器の機能をマヒさせた」
「えっ!?」
DMP(Dark Magnetic Pulse)とは魔界よりいでし闇の電磁波を周囲に発散させ、電子機器を麻痺させてしまうという間接的に凄い技だ。
これがあればいくら超高性能なロボットでさえ、二秒で動作を停止する。
一方、中枢部では―
ブッブッブッブッ!!
ザーーーーーーーーー
「…全監視カメラが砂嵐に…?!」
ピュウウン…
「…PCが…」
ピッ…
「オートロック式のドアまでも…一体、何が…」
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「とんでもねえ技だな。反則級だぜ」
「しかしこの技を使うには18ストリーク…否、多くのダークエネルギーを必要とする」
「使っちまっていいのかよ…そんなに」
「なんとかなるでしょ」




