光の裏側
「―此処、フラッシュタウンは昔から光の住民が行きかう、まさに光の聖地じゃった…。しかし、最近異変は起きた…。光の軍勢が、正義の名の元に住民に対する扱いが酷くなってきた…否、酷いじゃおさまらない。奴等のやる事は最早外道…。恐らく此処で人が殺されたとしても、光の軍だと名乗れば何も言われないじゃろう…。要するに光軍が圧倒的権力を駆使し、この街を荒らしているんじゃ…そんな奴等に、わし等の我慢も限界…。不満を垂れようとも、建物の壁の中には盗聴器が設置されており、一言でも不満を漏らせば即、牢獄行き…。わし等はどうすることも出来なかった」
「だから、俺等はあんた等を見て思ったんだよ。例え闇の住民でも、この街の平和を、取り戻してくれるかもしれないってな」
一人の住民が一枚の紙切れを机に叩きつけた
バン!!
「おおっ(ビビっちまったじゃねーか)」
「これが、この街のマップ…。そして、此処が光の軍の野郎どもの基地だ」
男は中心部の円形状に開けた地点を赤ペンでグルグルっと囲んだ。
「…で、俺達に何してほしいの?」
「単刀直入に言うと、基地をぶッ壊してほしい」
「無理に決まってんだろ」
「えぇ…」
「基地をぶッ壊すっっていうのは無理じゃ。だが…もうワシ等は我慢の限界。近々皆で力を合わせてあいつ等をぶッつぶすつもりじゃ」
「馬鹿じゃねーのかじーさん、そんな事したら殺されて試合終了だよ」
「わが街の長は馬鹿じゃない!ちゃんと考えておられる」
「まずは光の軍に大砲をぶちかます。これで軍の殆どは壊滅状態じゃ」
「あんまり考えてないみてーだな…」
「その間に、あんた等が光の基地に侵入し、光軍の幹部である一人の男を倒してほしい!何故なら、そいつがこの街の治安を握っているからじゃ。ある日そいつが現れ出してから、治安が一変した。恐らくそいつが何か鍵を握っているに違いない」
「えーっ…でもなァ…俺等に利益なんてなんもねーし」
「ただとは言わん!欲しいものはなんでもくれてやる!ただしわし等のできる限りでな」
「それじゃ」
インフェルノカイザーが立ち上がった。
「光の情報を教えてくれ」
「情報…?そんなものでいいのか…?」
一人の町民の男が首を傾げる。彼等はもっと大きな対価を求めると思っていたからだ。
しかし、インフェルノカイザー達には光側の情報は一切無かった。
実際に此処、フラッシュタウンでも光軍について語るものはいない。
「そんなもん、盗聴器もぶッ壊された此処ならいくらでも話してやるぜ?まず光―」
口を開こうとした男が、老人に止められる。
「よかろ…。それならば、とっておきの情報を教えてやろう、ただし」
持っている杖の先を床の上に叩きつけ、老人は言った。
「光軍の奴等の目にモノを言わせてからな。わし等も明日は全力で行くぞい」
「おおっ!」
町民達は一致団結の意を表し、光軍を倒すために、立ち上がった。
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「全く、勝手なジーサンだぜ。闇の住人に助けを求めるたァ、あいつ等、あれでも光側の住民かよ」
「光も常にあると眩しすぎていよいよその存在を邪魔に思えてくるからな。彼等も限界だったんだろう」
ホテル内でインフェルノカイザーとダークウルフは会話を交わす。
明日、彼等は光軍の基地に突入する…。唐突に決まった話ではあるが、こちら側としても全く関係の無い行動をとる訳ではない。
上手くいけば、相手側の情報をつかみ取る事が出来るかもしれない―こちらも、【真の闇】の力を会得してる(エルリークは別だが)訳だし、多少戦闘にも自信がある。実際光軍の小隊に対して圧倒的な力を見せつけた訳だし、基地に侵入したとしてもそう簡単に負けることはないだろう。
そんな事を考えているインフェルノカイザーの元に、トイレからエルリークが出てきた。
「おうおう、お前等さっき帰ってきたかと思いきや、随分と面白そうな事してるじゃねーかよ」
「あん?聞いてたのかハゲ」
「くっくっく…新しい斧も手に入れた事だ。俺も明日は乗り込むぜ」
「大丈夫かエルリーク?乗り込むと言っても光軍の基地だぞ」
「光なんぞにビビってられっか。それに俺の町を全滅させたザルコヴィッチとか言う奴も確か光軍だったしな。こうなりゃ根元まで奴をぶっ潰してやるよ。それもあって俺はお前等についてきたんだ」
「そうか…。なら、明日俺達と一緒に行こう。ただし、無茶はするなよ」
「そりゃこっちのセリフだ」




