真実
「さぁ、残りは…」
ダークウルフが光の軍を見渡す。…しかし、その圧倒的力に光の軍には恐怖が芽生えていた。
まさか、此処まで強いとは思わなかったからである。
「ッちィ…おい、エスプ!」
「はっ!」
「お前は撤退し、軍に報告するんだ!このままでは我が小隊は全滅だ!」
「はっ…しかし、隊長や皆は」
「…時間稼ぎでもいい、奴等を止めて見せる…。本気でな」
隊長は全身に最大限の力を溜め、凄まじいオーラを見せる。
「ほぉ…流石はリーダーって所か、オーラもなかなかのものだ」
「黙れッ!言い気になるな。ハアアアッ!」
隊長はオーラを空に放った。そのオーラはある動物を形作った。
「…鷲?」
「雷鷲―サンダーイーグル!」
ピアアアッ…ドドオオオオオオンッ!!
光のオーラから生み出された鷹は、稲妻の雄叫びをあげ、光速でダークウルフに突っ込み、轟音が辺りに響き渡る。
「でたーっ隊長のサンダーイーグル!」
「これに叶う者なんていねェ!なんせ光軍最強の技だからなァ!ヒャッハァ!」
他の兵が勝利を確信していた。
そう、ダークウルフが立ち上がるまでは―
「なかなかやるじゃねーかおっさん。ちょっと効いたぜ?」
ダークウルフはまるでちょっと転んだだけのように…立ち上がった。
辺りは戦慄する。
(馬鹿な…あの雷鷲は私の最終兵器、つまりは切り札だ…120万ボルトの高電圧が物体を消し炭にする…そんな技をまともに喰らってなお、殆ど無傷だと?)
「だが―技が軽いな。見た目はかっこいいのに残念だぜ」
「う、うあ…なんなんだお前」
「俺か?」
ダークウルフはニマリ、と笑った。
「闇の使者だ」
ドオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!
その瞬間、ダークウルフから大量の闇のオーラが放たれ、隊長諸共を闇に飲ました。
絶対的強者―ダークウルフの闇のオーラの絶対量は日に日に増していた。最早その程度の光の兵では彼に勝ち目はないだろう。
しかし、それ以上に増している者もいる…。
バコッ
「いでえぇ!」
「おいダークウルフやりすぎだバカお前、街壊してどーすんだ、他の軍来たらどうするんだ!」
インフェルノカイザーがダークウルフの頭をバコンと叩く。
「何すんだよ!いいとこだったのに」
「こんなに暴れたらやばいって言ってんだよ」
「いいじゃん、もうバレてんだしよー!な?」
「お前…「おい!お前等」
「ん?」
ダークウルフ、インフェルノカイザーが振り返ると、そこには街の住民達が後ろにいた。
「えーっと…。なんですか?」
「どうもこうもあるかァァァ!街をこんなに壊しやがって」
一人の住民がダークウルフの胸倉につかみかかる。
「壊しやがってって、仕掛けてきたのはあっちだぜ?俺等には関係ねーな!」
「んだとォォォ!?てめェェ…」
「まあまあ、よさんか!奴等の力を見ただろう。ひょっとしたら…いけるかもしれんぞ」
住民達の中から、一人の老人が杖をつきながら現れた。
「あんた等の戦い、見とったよ。なかなか若い癖にやるじゃないか…」
「あ?なんなんだじーさん達…」
「文句言いに来たんじゃないのか」
「ふん、違うわい。ま、この街じゃろくに文句も出す事ができんがの」
老人は後ろの大穴が開いた建物の中に入って行く。
「おじいちゃん、そっちは危ないわ!いつ崩れるか分からないから、別の場所にした方が…」
「大丈夫、ワシの家は大穴開いたくらいじゃ倒れんよ。…で、あんた等。ひとまずワシの家に来んか。頼みごとがあるでの」
「頼みごと…?」
「何か訳わかんない事になってきたな」
二人はひとまず訳の分からないまま老人の家にお邪魔する事にした。
「…で、じーさんアンタは何がしたいんだ?俺等に頼みごとなんて」
「そうさのォ…大穴が開いて喋りやすくなった。盗聴器が丁度あの辺に設置されておった、かな?」
老人は穴の開いた壁を指さしながら言った。
「盗聴器?何言ってんだこのじーさん、ボケてんじゃねーのか?インフェルノカイザー、さっさと帰ろうぜ」
「我が街の長に向かってボケジジイとはなんだ!許さん、剣術の達人アージョが参る!」
突如剣を片手に持った一人の住民がインフェルノカイザーに斬りかかる。
ドゴッ
「ぐひい!!参った!!」
みぞパンチを喰らわせられた剣術の達人はうずくまる。
「…で、何なんだじーさん。此処は光の街だよな?もう分かってるとは思うが俺等は闇の者だ。光は闇を忌み嫌っているのが今の現状だ。あんたらは光側のはずなのに、どうして…」
「確かに、わし等は光側だった。しかし、もうわしらも限界じゃ…。奴等のやる事は酷すぎる。例にあげると数え切れんほどじゃ。この前も、街の子供が一人やられた…」
「…どういうことだ?もっと詳しく頼む」




