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闇空  作者: 闇の使徒インフェルノカイザー
第四章 ~人はその手で罪を創った~
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ウエポアパート

「クリス様!たった今、シュペヒッツィが爆発したという情報が…」


此処は光の軍勢―

光の兵が、あの、シュペヒッツィに怒っていた上司―そう、クリス・ディオール(槍の達人)に一つの報告をしていた。


「そうか…やはり、あいつは後先を考えない所が駄目だな…ま、どうでもいい。それで、光の腕輪の効果はどうだった?」


「はい、効果は絶大です。計算通り、オーラの絶対量が五倍に…」

「そうか―それは良かった。これが上手く行けば光の軍は大幅に軍力を増す事が出来る―」


クリスは自分の後ろに掛けてある様々な槍を眺めながら、言った。



「シュペヒッツィに2つ光の腕輪を渡しておいて良かった…。やはり、1つまでが限界の様だな」

「何故、2つ、付けたのですか?」

「そうだな…まぁ大体計算で分かってたんだが、25倍ものオーラを手にするにはそれ相応の器が必要だ。水風船に水を入れすぎると、破裂する…そういうことだ」






一方、激戦を乗り越えたインフェルノカイザーとダークウルフはと言うと…



「何でシュペヒッツィは粉々になったんだろうか?」


インフェルノカイザーはウエポアパートの前で、ダークウルフに質問を投げかけた。

しかし本当はどうでもよかったのだが。



「さぁな…?でもあいつ、なかなか強かったよな」


「ああ…、自爆テロでもしにきたのかな?」


「そんなことはとにかくよ、インフェルノカイザー。此処にその光の軍のヤローが住んでるってことだろ?」


「ああ」



眼前には見るからにも古びたアパートが建っていた。若干少し傾いているような気もする。

アパートはお馴染、一階と二階に分かれている訳だが階段は赤茶に錆びており、今に階段が壊れてもおかしくない。

要するにボロアパートということだ。


「こんな所に人が住んでんのかよ。俺ん家のダークネススピリッツドッグの小屋の方がまだ綺麗だぜ」


Darkness Spirits Dog (通称DSD)は漆黒のオーラを纏い、時には闇魔法を放つこともある獰猛な犬のことである。


「しかしウエポアパートは此処だな…よし、たずねてみよう」

「おう」


インフェルノカイザーは光の軍勢の者が住んでいると言う号室のドアをドンドンと叩いた。


暫くすると、木製の古びたドアがキィ、と音を立てて開いた。


「新聞ならもうまにあ…」


中から若い男がめんどくさそうな顔をして出て来、インフェルノカイザーとダークウルフと対面する。


「俺の名はインフェルノカイザー。闇の者だ」

「つきちゃんがテメーが光の事に詳しいって聞くから来てやったんだ。何かしらねーか聞かせてもらう」



「ああ……お前」


「え?」


「お前等に教えることなど、何もない」


「は?」


「何もないと言ってるんだ!」


バタム!!



「ええええっ!!!」


インフェルノカイザーは戦慄した。


「いや…やっぱ無理だろ。敵が敵の情報教えるかよ…」

「…確かにそうだな」


彼等は重大なミスを犯した。

そう…情報の持ち主が敵だったことだ。


「仕方ない…そうとなればもうこの街に用は無い…。もうかえろ…」

「せやな…」


二人がボロアパートを出ようとしたその時―


『ウッウッウ…』


先程の男の部屋から、すすり泣くような声が聞こえた。



(え…?)



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