森の主 Death Tree
ザッザッザッザッ!
【無駄だ…この森全体は我。貴様等に勝機はない…】
ズキュン!!
「!?」
なんと根っこがインフェルノカイザー達を囲む様に突き出す!
根っこは檻の役目を果たし、インフェルノカイザー達を閉じ込める!
「ッ…」
【そのまま我が養分となるがよい…】
突き出た根っこがぐにん、と曲がり、インフェルノカイザー達を覆う様に倒れこむ…。
「ハッ。仕方ねぇな、ダークウルフ!」
「分かってるさ。オラアアア!!」
バアアアアアアアッ
ドガアアアアアアアアアアン!!!
インフェルノカイザー、ダークウルフが一気に真の闇のオーラをフルバーストさせ、根っこを粉々に吹っ飛ばす。
真の闇のオーラは凄まじい威力…。一人でさえ、オーラを生じただけでそのエネルギーにより対象は闇に慄く。
そして、この二人だ。凄まじい絶対量の闇のオーラを共鳴させ、最高潮の闇のオーラを発する。
根っことエルリークはひとたまりもないだろう。
「グウ…」
「やべっエルリークの事忘れてた…」
「今は後だ!おい、さっさとこの森を抜けだすぞ」
【無駄だ…既にこの森の出口は我が体が包囲している】
(出口も根で塞がれやがったか…なら)
「おい、インフェルノカイザー…って、インフェルノカイザー?」
ダークウルフが怪訝そうになるのも不思議でない、インフェルノカイザーは目を瞑り棒立ちしていたからだ。
【クク…死を覚悟したか。その覚悟、称えるぞ…我が養分となるが、よい】
インフェルノカイザーの足元が膨らみ、根っこが突き出た!
その瞬間、待ってましたとばかりにインフェルノカイザーは闇のオーラを爆発的に発散させる。
「オラァ!!」
ガッシイ
闇のオーラが巨大な手の形になり、その巨大な根っこをつかむ。
「ダーク・ハンド…」
「そしてェ!!」
「真闇伝導眼!」
シュシュ…
インフェルノカイザーの脳内には、この森の主が森の真ん中に佇んでいる様子がうかがえた。
そう、この能力は真の闇の能力…。
【真の闇の能力②】触れる物体は闇の波動を通し>を解き明かす。
「ダークウルフ、この根っこを切れ!」
「OK!おらっ!」
ブリンナイフの剣舞で根っこをズタズタに切り裂く。
「主の位置を把握した。行くぞっ!」
「マジか!おう!」
ザッザッザッザ!
「ッハァ!」
生い茂る葉、そして枝をかき分けかき分け、森の中心へと走り続ける。
そして、中心…そこは、先刻の樹海はなく、円形上に開けていた。その中心点に、巨大な大木が一つ、禍々しいオーラを放ちながらそびえ立つ。
「これが、主か…!?」
ダークウルフはその姿に圧巻の一言だった。
森の主とやらは、大木なんて言葉では言い表せない程大きい木だった。
(直径30mくらいか…!?でかすぎる)
【愚かな。我が眼前に現れるとは…】
「ケッ。愚かなのはテメーだ。無差別に気持ち悪い森に閉じ込めやがって、そもそも俺は人間じゃねぇ!魔族だ」
【魔族…?フン、笑わせる。貴様等のようなちっぽけな下等生物が魔族と語るには早すぎるわ!】
バサアア
大木はその身を揺らすと、轟音と共にならした実をボトボトと落としてきた。
但し―ただの実ではない。
ベチョッ
ブシュア…
「なんだ!?実が蒸発してんぞ!」
「強酸が含まれてるらしいな、その実は…当たったら溶けてしまうようだ」
「ええっ!」
驚き慌てるダークウルフをよそに、インフェルノカイザーは冷静だった。
と、いうのも彼は機を窺っていたからだ。
どこかしら、奴の弱点は、ないか…と。
落ちてくる実を素早い身のこなしでかわしながら、考えていた。
【攻撃は、上からでないぞ】
ズバッ!!
「クッ!下からは根、上からは実、一体どうすりゃいいんだ」
「切り落とすしかないみたいだな…」
「切り落とす?こんな大木、切り落とせるのか?」
「切り落とせないだろうな…【常人】ならばの話だが」
ズゴオオオ
【真闇】
「ヘッ、お前ばっかり真の闇を使わせてたまるかよ!ハアアアッ」
ボワアアアアアン
対なる二人の闇の戦士の真の波動は共鳴し、唸り、猛る―死の大木を死に至らしめる為に。
【我は森の主、そして我は森の王…行け、我が僕達】
森の主は実を揺らし、種を落とす。
ズボッズボッ…
種は土に埋まり、芽を出し、幹をつけ、葉を生やし、頭をインフェルノカイザー達に向け、物凄い勢いで突き刺さんとばかりに突進してくる。
それまで、僅か5秒…。
(クッ…これじゃ近づけやしねえ!)
「その生命力故に子にエネルギーを与える事も可能か…まるで森の神だな」
【そう…我はこうして子を創ってきた。この森は全て我の者…】




