湯けむりと職業病
この作品は、「碓氷峠の見習い機関士 」の番外編です。
「――定刻、一〇秒前」
秋晴れの空の下、佐久間区長が懐中時計を睨みながら厳かに宣言した。
横川駅前のロータリー。 そこには、私服姿の男女七人が整列している。 私たち高崎機関区横川派出所のメンバーと、特別ゲストの「おぎのや」の看板娘・荻野優香さんだ。
今日は待ちに待った慰安旅行。 日頃の激務を労うため、区長がポケットマネー(と、なけなしの経費)で企画してくれた一泊二日の温泉ツアーだ。
「5、4、3、2、1……定刻!」
「「「おはようございますッ!!」」」
区長の合図と同時に、全員がビシッと音が出るほどの直立不動で挨拶をした。 通行人がギョッとして振り返る。
「……あの、区長。これ、プライベートですよね?」
私が恐る恐る尋ねると、区長は満足げに頷いた。
「もちろんだ。だが神尾、鉄道員たるもの、時間は命だ。遊びだろうと遅延は許されん」
「はいはい……。で、行き先は『霧積温泉』でしたっけ? 『人間の証明』の舞台になった有名な」
私が期待を込めて聞くと、区長はバツが悪そうに視線を逸らした。
「い、いや。霧積はな、その……予算オーバーだ」
「えっ」
「今回は、ちょっと行ったところにある……知る人ぞ知る『隠れ湯』に変更した。ま、湯が出ればどこも一緒だ!」
区長は強引に話をまとめると、レンタルしたマイクロバスの運転席に乗り込んだ。 私たちは苦笑しながら、ぞろぞろと後に続く。
こうして、私たちのささやかな休日は幕を開けた。 ……はずだった。
◇
横川駅から山奥へ向かう道は、カーブが連続し、車窓には美しい紅葉が流れていく。
本来なら、景色を楽しんで会話に花を咲かせるところだろう。 しかし、この車内には異様な緊張感が漂っていた。
「カーブ、制限三〇!」
助手席に座った黒石先輩が、前方の道路標識を見て叫んだ。
「対向車なし! 右よし、左よし!」
運転している区長が、ハンドルを切りながら呼称する。
「路面状態、ウェット箇所あり! スリップ注意!」
後部座席から、北斗先輩が鋭く指摘する。
「あ、あの……皆さん?」
隣に座る優香さんが、引きつった笑顔で私に囁いた。
「これ、ずっと続くの?」
「……たぶん、着くまで続きます」
私は深いため息をついた。 職業病だ。 毎日毎日、神経をすり減らして安全確認をしているせいで、乗り物に乗ると条件反射で「指差喚呼」をしてしまうのだ。
「あー、いいカーブだねぇ。このカント(傾き)具合、たまらないよ」
一番後ろの席では、カメラを手にした宮城先輩が、窓枠にへばりついてシャッターを切っている。
「ちょっと宮城先輩! 窓から身を乗り出さないでください! 建築限界支障ですよ!」
あ、いけない。 私もつい専門用語で注意してしまった。
「うるせえぞ! 運転に集中できん!」
「区長が一番うるさいです!」
バスの中は、まるで指令室のような喧騒に包まれていた。
◇
「到着!」
バスが停まったのは、山の奥深くにポツンと建つ、古びた温泉旅館だった。 正直、ボロ……いや、趣があると言っておこう。
「おおー、レトロっすねぇ!」
整備士の南波さんが、バスを降りるなり目を輝かせた。 そして、旅館の玄関柱に駆け寄り、ペタペタと触り始めた。
「……ふむ。柱の腐食なし。基礎コンクリート、クラック(ひび割れ)なし」
彼はポケットからマイ点検ハンマーを取り出し、コンコンと柱を叩いた。
「ボルトの締結よし! この建物、全検明けか? すげえ調子いいぞ」
「南波さん、建物は検査しませんから! お店の人驚いてますよ!」
私が呆れて引き剥がそうとするが、南波さんは止まらない。
「いやいや、あずさちゃん。こういう古い構造物は手入れが命なんだよ。……おっ、この雨樋の勾配、絶妙だな」
旅館の女将さんが出てきて、「い、いらっしゃいませ……?」と困惑している。 そりゃそうだ。到着早々、建物の点検を始める客なんて見たことないだろう。
部屋に通されても、この「病気」は治まらなかった。
「避難経路、確認」
北斗先輩は荷物を置くより先に、部屋の非常口案内図を確認し、窓を開けて外への脱出ルートを目視点検した。
「枕元に懐中電灯、よし。靴の向き、よし」
「先輩、ここ仮眠室じゃないんですよ?」
「いつ何が起きるか分からん。備えあれば憂いなしだ」
北斗先輩は真顔で言い放ち、浴衣に着替え始めた。 その着替えの速さも異常だ。まるで緊急呼集がかかった時のようだった。
「……はぁ。気が休まらない」
私は優香さんと顔を見合わせ、苦笑いした。
◇
「よし、お前ら。俺は一足先に風呂を頂くぞ」
浴衣に着替えた佐久間区長が、タオルを片手に立ち上がった。
「え、もう行くんですか?」
「当たり前だ。運転で疲れたからな。……お前ら若者は、そこでピンポンでもやって汗を流してから来い」
区長は宴会場の隅にある卓球台を顎でしゃくると、鼻歌交じりに部屋を出て行った。
「……へいへい。じゃあ、お言葉に甘えて」
黒石先輩が、ニヤリと笑ってラケットを手にした。
「いざ、勝負!」
始まったのは、北斗先輩対黒石先輩のシングルス戦。 審判は私だ。
「行くぞ!」
黒石先輩がサーブを打つ。 筋肉の塊のような腕から放たれたボールは、凄まじい回転がかかっている。
「速度よし! 軌道よし!」
北斗先輩が冷静に叫びながら、ラケットを合わせる。
カコンッ!
「粘着、確保!」
黒石先輩が打ち返す。
「滑走検知! 再粘着!」
なんだろう。 ただのピンポン球のラリーなのに、無線交信を聞いている気分になる。
「スマッシュ、発射!」
「迎撃!」
ボールが目にも止まらぬ速さで行き交う。 二人の動体視力は、普段、時速一〇〇キロですれ違う対向列車の乗務員と敬礼を交わすレベルだ。 卓球の球なんて、止まって見えるのかもしれない。
「アウト! ……いや、インです! エッジにかかりました!」
私が判定を下す。
「神尾、今の判定は甘いぞ! ミリ単位で見ろ!」
「そんな無茶な!」
気がつけば、一時間近くもラリーが続いていた。 全員、浴衣がびしょ濡れになるほどの汗をかいている。
「はぁ、はぁ……。決着つかねえな」
黒石先輩が肩で息をしながら笑った。
「悪くない運動だ」
北斗先輩も、額の汗を拭う。
周りで見守っていた南波さんや宮城先輩、そして私も優香さんも、応援に熱が入りすぎて汗だくだった。
「よし! 最高のコンディションだ!」
黒石先輩が叫んだ。
「これで温泉に入れば、極楽間違いなしだぜ!」
「ですね! 早く入りましょう!」
私たちはタオルを手に、大浴場へと殺到した。 渇いた喉、ベタつく肌。 温泉への渇望は、ピークに達していた。
◇
一方、その頃。 大浴場に一番乗りしていた佐久間区長は、異変を感じていた。
「ふぅ……いい湯だ……」
湯船に浸かり、運転の疲れを癒やしていた区長だったが、ふと眉をひそめた。
「ん? ……なんか、ぬるくないか?」
最初は気のせいかと思った。 だが、時間の経過と共に、明らかにお湯の温度が下がってきている。 注ぎ口(湯口)から出ているお湯に手を当ててみる。
「……水だ」
熱いはずの温泉が、生ぬるい水に変わっていた。
「おいおい、源泉掛け流しじゃないのかよ。……ボイラー沸かしだったか」
安宿を選んだツケが回ってきたか。 区長が苦虫を噛み潰したような顔で立ち上がろうとした時、脱衣所の方からドカドカと足音が近づいてきた。
「一番風呂いただきーッ!」
黒石の大声と共に、若手連中がなだれ込んできた。
「おっ、区長! まだ入ってたんですか!」
「どうです? いい湯ですか!」
汗だくの男たちが、目を輝かせて湯船に殺到する。
佐久間区長は、気まずそうに言った。
「……いや、それがな」
「いただきまーす!」
黒石が豪快にかけ湯をし、ザブンと湯船に飛び込んだ。
「あー、極楽……って、つめたッ!!」
「え?」
続く北斗も、足先を入れて固まった。
「……冷たいですね。これ、水風呂ですか?」
「いや、メインの浴槽だぞ」
南波が湯口を確認し、顔色を変えた。
「おい、お湯が出てねえぞ! 水だ!」
「なんだとォ!?」
全員の視線が、湯船の中で縮こまっている区長に集まった。
「く、区長……まさか、お湯を使い切ったわけじゃありませんよね?」
「ち、違う! 俺が入った時は熱かったんだ! 急に冷たくなって……」
その時、脱衣所のドアがバン! と開き、旅館の主人が飛び込んできた。 顔面蒼白だ。
「も、申し訳ありません! お客様!」
「どうした!」
裸の黒石先輩が詰め寄る。
「ボイラーが……ボイラーが故障してしまいました! お湯が出ません!」
「なんだとォ!?」
全員の絶叫が浴室に響き渡った。
「今夜は温泉に入れないってことか!?」
「あ、あの、メーカーに電話したんですが、こんな山奥ですし、到着は明日の朝になると……」
主人は泣きそうな顔で頭を下げた。
絶望が、男たちを支配した。 彼らは今、最高のコンディションなのだ。 汗だくで、筋肉痛で、温泉に入るためだけにここまで来たのだ。 それが、お預け? 明日の朝まで?
「ふざけんな! 俺はこの汗をどうすりゃいいんだ!」
黒石先輩が叫ぶ。 区長も、ぬるくなったお湯の中で「やっぱり霧積にしておけばよかったか……」と後悔していた。
だが。 ここに、諦めの悪い男が一人いた。
「……おい、おっさん」
南波さんが、主人に歩み寄った。 その目は、獲物を見つけた獣のように光っている。
「ボイラー室はどこだ」
「は、はい? 建物の裏手ですが……」
「案内しろ。……メーカーなんぞ待ってられるか」
南波さんは、腰にタオルを巻いたまま仁王立ちした。
「俺たちが直す」
「えっ!?」
主人が目を丸くする。
「南波……やれるか?」
北斗先輩が静かに尋ねる。
「構造にもよるがな。……だが、EF63の複雑怪奇な制御器に比べりゃ、旅館のボイラーなんざ湯沸かしポットみたいなもんだろ」
南波さんはニヤリと笑った。
「北斗、黒石、宮城! 行くぞ! 服なんか着てる暇はねえ、浴衣ひっかけて来い!」
「おう!」
男たちは一斉に動き出した。 もう、慰安旅行ではない。 これは「緊急事態」だ。 そして彼らは、トラブルが大好物の「プロフェッショナル」なのだ。
◇
ボイラー室は、蒸気と油の匂いが充満していた。 巨大な旧式のボイラーが、無言で鎮座している。
「……ふん。やっぱりな」
南波さんがそこらにあったスパナで配管を叩き、音を聞く。
「燃料ポンプの圧力が上がってねえ。パッキンがいかれてやがる」
一瞬で原因を特定した。 普段、何千という部品で構成された電気機関車を整備している彼にとって、ボイラーの構造など積み木のようなものらしい。
「工具、バスから持ってきました!」
私が駆け込むと、すでに全員が配置についていた。 私も優香さんも、女湯で「お湯が出ない」と聞いて駆けつけたのだ。
「よし。北斗、黒石! カバー外すぞ!」
「おう!」
北斗先輩と黒石先輩が、阿吽の呼吸でボイラーの重い鉄板カバーに取り付いた。 合図もなしに、同時に力を込める。
「せーのっ!」
ガキンッ! 錆びついて固着していたボルトが外れ、カバーが開く。
「宮城、照明!」
「はいよ! カメラ用のLEDライトならある!」
宮城先輩が、強力なライトで手元を照らす。
「神尾、優香ちゃん! ウエス(雑巾)とバケツ!」
「はいッ!」
私と優香さんは、ボイラーから漏れ出る汚れた水を拭き取る。 佐久間区長も、タオルで南波さんの額の汗を拭いている。
「ポンプのパッキンが完全に死んでるな。……おい、代わりのゴムはあるか!」
南波さんが叫ぶ。 主人が狼狽える。
「そ、そんな予備パーツなんて……」
「チッ。……なら、作るしかねえな」
南波さんは私の足元を見た。
「神尾! スリッパ脱げ!」
「えっ?」
「その底のゴムを使う! 厚みもちょうどいい! 耐熱性は怪しいが、一晩くらいなら持つ!」
「は、はい!」
私は躊躇なくスリッパを脱ぎ、南波さんに放り投げた。 南波さんはそれをナイフで器用に円形に切り抜き、即席のパッキンを作り出した。
「黒石、配管を押さえてろ! 圧力かかるぞ!」
「任せろ! ……ぬおおおおッ!!」
黒石先輩が丸太のような腕で、高圧のかかった配管を無理やりねじ伏せる。 その隙に、南波さんがパッキンを嵌め込み、北斗先輩がスパナでボルトを締め上げる。
「トルクよし! ……今だ、神尾! バルブ開け!」
「了解、バルブ開放!」
私は指示通りにバルブを回す。
シューッ……ボッ!!
ボイラーのバーナーに火が入り、轟音が響き始めた。 圧力計の針が、死んだ魚のような動きから、生き生きと振れ始める。
「燃焼、安定!」
南波さんが叫ぶ。
「漏れなし! 異音なし!」
私は計器を読み上げた。
ボイラー室に、安堵の空気が広がる。 旅館の主人は、腰を抜かして座り込んでいた。
「直っ……た……?」
「応急処置だがな。明日の朝、メーカーに見てもらえ」
南波さんが、煤と油で汚れた手で顔を拭った。 その顔には、黒い筋がついている。 私たちも全員、浴衣は汚れ、汗だくで、ボロボロだった。
でも。
「やった……!」
優香さんが拍手をした。 私も、思わずガッツポーズをした。 碓氷峠を登りきった時と同じくらいの、心地よい疲労感と達成感。
「さすがだな、南ちゃん」
北斗先輩が、南波さんの肩を叩く。
「へっ。機械ってのは正直だからな。愛情持って接すれば、必ず応えてくれる」
南波さんは白い歯を見せて笑った。
「よっしゃあ! これで風呂に入れるぞ!」
黒石先輩が雄叫びを上げる。 そうだ。 私たちは今度こそ、正真正銘、温泉に入る権利を勝ち取ったのだ。
◇
「いい湯だなぁ……」
男湯の方から、北斗先輩の満足そうな声が聞こえてきた。 壁一枚隔てた向こう側では、男たちが至福の時を過ごしているようだ。
『ポンプの音、さっきより滑らかになったな』
南波さんの声だ。
『当たり前だ。俺が組んだんだぞ?』
『ふぉっふぉっふぉ。一番風呂に入り直した気分だ』
佐久間区長の笑い声も聞こえる。 どうやら、自分たちで修理したボイラーの稼働音を聞きながら入る温泉は、格別のらしい。
「ふふっ。向こうも楽しそうね」
女湯の方でも、私と優香さんがお湯に浸かっていた。 苦労した分、温泉の温かさが身体の芯まで染み渡る。
「本当に……。ここに来てまで修理だなんて、もう笑っちゃいます」
私はお湯を手ですくい上げ、顔を洗った。 煤と油で汚れていた顔が、さっぱりとする。
「でも、みんなカッコよかったよ。あずさちゃんも」
優香さんが微笑む。
「いざという時、頼りになる人たちだね」
「……そうですね。口は悪いですけど」
私は壁の向こうの気配を感じながら、少しだけ誇らしい気持ちになった。 スマートさなんて欠片もない。 どこに行っても泥臭く、不器用で、仕事のことばかり考えている。 でも、そんな仲間たちのことが、私はやっぱり大好きだ。
「……極楽、極楽」
私は目を閉じ、一日の疲れを溶かした。
しばらくして、私たちは湯船から上がった。
体を洗い、シャンプーをして、最後に桶にお湯を汲んでかけ湯をする。 そして、立ち上がった時だった。
カコーン。
私は、使い終わった桶と椅子を、カランの前に置いた。 無意識だった。
そして、ハッとした。
私の目の前には、一ミリの狂いもなく、ピシッと一直線に整列された桶と椅子があった。 シャワーヘッドの向きも、全て同じ角度に揃えられている。 シャンプーとリンスのボトルさえも、ラベルが正面を向くように完璧に並んでいた。
「……あ」
やってしまった。 リラックスしているはずなのに、手が勝手に「整理整頓」をしてしまっていたのだ。
「ふふっ」
背後で、優香さんが吹き出す声がした。
「あずさちゃん、すごい」
「み、見ないでください! 職業病なんです!」
私は顔を真っ赤にして弁解した。
「ここまで綺麗に並べなくてもいいのに」
優香さんはタオルで髪を拭きながら、楽しそうに笑っている。
「ち、違うんです。なんか、こう……定位置にないと落ち着かなくて」
「ふふ。やっぱり、根っからの鉄道員なんだね」
優香さんの言葉に、私は返す言葉もなかった。 壁の向こうでも、きっと同じことが起きているに違いない。 北斗先輩あたりが、桶をミリ単位で修正している姿が目に浮かぶようだ。
湯けむりの向こうで、優香さんの笑顔が揺れている。 呆れ半分、でも温かいその眼差しに、私もつられて笑ってしまった。
◇
翌日。 横川駅に戻ってきたバスから、私たちはよろよろと降り立った。
「あいたた……腰が……」
卓球とボイラー修理の無理な体勢がたたったのか、全員が強烈な筋肉痛に見舞われていた。 慰安旅行に行ったはずが、逆に疲労困憊で帰ってきてしまった。
「お疲れ様でした。……やっぱり、私たちはレールの上が一番落ち着くのかもしれませんね」
私が腰をさすりながら言うと、北斗先輩が帽子を被り直し、ニヤリと笑った。
「違いない。……さあ、明日の運用会議だ。遅れるなよ」
「えっ、今からですか!?」
「当たり前だ。定時運行こそが、俺たちの誇りだからな」
先輩はスタスタと事務室へ向かっていく。 その背中は、昨日までの浴衣姿よりもずっと頼もしく、かっこよかった。
「……はいッ!」
私は痛む腰を伸ばし、先輩の後を追った。 鉄と油の匂いがする、私たちの日常へ。
「点呼! 神尾あずさ、異常なし!」
今日も横川の谷に、元気な声が響き渡るのだった。




