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自称コンサルタントのギャルが僕を魔王にしようとしてくる  作者: 結生


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新たな刺客

『レン~。この前のピックアップ引いた?』



 ヘッドフォンから聞きなれた女の子の声が聞こえる。

 彼女の名はゼラ。ネット上の名前だから本名ではない。

 彼女とは小学生のころ、引きこもりをしていた時期に知り合い、7年以上の付き合いになる。

 それと彼女は僕と同い年で、さらに僕と同じ不登校らしい。

 ちなみにリアルで会ったことは一度もない。ネット上だけの付き合いだ。



「凸ったよ。人権キャラだし」


『だよね~。うちもした。周回めっちゃ楽』


「分かる。今のイベントも報酬美味しいから、石砕いて周ってる」



 僕は話題に上がっているソシャゲを起動しながら話す。



『周回中何見てる? 昨日までワ〇ピ見ながらやってたんだけど、最新話まで見終わっちゃって、次に見るの探してるんだよね』


「ようつべ見ながらやってる」


『ようつべの動画短いやつとかあって、いちいち次探すのが面倒なんだよね。アニメとかドラマならそのまま続き流せばいいけど』


「じゃあ、Vtuberは? あの人たちのアーカイブとか少なくても一時間以上はあったりするじゃん」


『人多すぎて誰見ていいか分かんないんだけど。レンは誰見てるの』


「僕はあんま見てないかな。でも、担任の先生がハマってる。小悪魔系Vtuber?っての。名前は忘れたけど」


『何やってる人? ゲーム配信とか?』


「ちょっとエッチなASMR」


『……………………………………………』


「あれ? ゼラ?」



 急に声が聞こえなくなった。ただキーボードを叩く音だけは聞こえる。



『ごめん、今それらしいVtuber調べてた。そして、見つけた。多分この人。しばらくはこの人のアーカイブ見ながら周回する。とりあえず、メンシに入っておいた』


「さいですか」



 気に入ってくれてよかった。

 先生に聞いた時からゼラが好きそうだなとは思ってた。


『てか、担任ってレンは学校行ってんの? 裏切り?』


「いや、違う。僕だって行きたくない。なのに、僕を無理やり学校へ行かそうとする人がいるんだ!」


『出た出た。いるよねー、そういう人。うちのパパも学校行きなさいってうるさい』


「そう言う場合ってどうすればいいの? 学校行きたくないし、勉強もしたくない」


『パパの息、臭いって言って、ファブリーズの中身丸ごとぶっかけたら、泣いてどっか行ったよ?』


「流石にそれはパパが可哀そうだよ……」


『学校行けって言う方が悪い』


「それは分かる」


『最近、付き合い悪いな~って思ってたら、学校に行かされてたんだ。でも、夜も忙しそうだよね』


「家庭教師?みたいなのが来たんだよ。住み込みで。だから、夜とかも拘束されてる」



 魔王になるためのコンサルティングとか何とか理由をつけて、プリムラにはこれからの戦いに必要な勉強を強要されている。

 ここ最近、夜は毎日その勉強とやらに時間を取られている。



『えっぐ。うちなら発狂してる』


「しかも、わざわざ僕と同じクラスに転校して来たし」


『え、なに? 同級生なの?』


「らしい」


『それもうほぼずっと一緒じゃん』


「そうだよ。そのせいで付き合ってるとか言われて、変な噂が学校中に出回ってるし」


『付き合ってる? ん? もしかして、その家庭教師って女の子?』


「うん」


『可愛いの?』


「僕の命を狙ってくるファンがいるくらいには」


『――甘えんな』


「え!? 急に何!?」


『美少女と同棲して何が不満なの!? しかも、四六時中一緒とか! 最高じゃん! 嫌なら変われ』


「いや、でも、学校とか行かされたり、勉強も強要されたり……」


『美少女と一緒なら構わない』


「暴力とかふってくるよ?」


『ご褒美!』


「えぇ…………」


『ちょっとその子のことを詳しく教えて。身長体重スリーサイズ、髪色瞳口耳足のサイズ……』



 とりあえず、怖いので通話を切った。



「レンタロー! 朝ごはん出来たってー!」



 ちょうどそのタイミングでプリムラが僕の部屋にやってきた。



「誰かと通話中?」


「大丈夫、今ちょうど終わったところ」


「ふ~ん。それで朝は米、何升食べる?」


「だから、その単位で米食べてる人いないんだよ」



 1升は10合のことで、茶碗換算で大体20杯ほど。

 プリムラは毎食2升以上の米を食べる。その為、うちの炊飯器はいつの間にか10個くらいにまで増えていた。

 大体、升なんて単位、プリムラが来るまでは知らなかったわ。

 もちろん、おかずもそれに合わせた量になっている。

 前まで使っていた冷蔵庫では食材が入りきれないため、冷蔵庫も2つほど追加購入された。

 うちの家計は果たして大丈夫なのだろうか。

 というか、プリムラはもう少し遠慮した方がいいと思うんだ。色々と。



********************



「見つけだぞ! やつだ! やつがいたぞ!」「やつの心臓は俺がもらい受ける!」「いいや、ボクさ」「プリムラ様とお付き合いするのは私だ!」


「だから、こっちくんなああああ!!!!」



 今日も僕は校内で男子生徒たちに追われていた。

 プリムラが僕を倒した人となら付き合ってもいいと、正式に発表したため、僕は毎日命を狙われる羽目になった。

 本人曰く、これもコンサルティングの一環だという。

 ふざけるな! あいつコンサルティングって言えば何してもいいって思ってないか?

 とにかく、校内から出なければ。ここじゃ敵が多すぎて、すぐに挟み撃ちにされてしまう。



「……………あ、あれ?」



 しかし、校門近くまで来たとき、すでに僕を追いかけてくる生徒たちの姿はなかった。



「き、消えた?」



 いつもならまだ追いかけて来てたと思うけど。何か起きた?



「安心してください。外敵は全て排除しました」



 僕の目の前に見知らぬ少年が突如現れた。

 派手な赤い髪と鋭い目つき。耳にはピアス、指にはリング、腰にはチェーンとなんか色々じゃらじゃらつけてる。多分、僕が一生関わらないであろう人種。

 制服を着ていないところを見るにうちの生徒ではなさそうだけど。

 もしかして、僕の命を狙う新たな刺客!? ついに学校外の人にまでプリムラが認知され始めた!?



「…………っ!」



 僕が動揺している隙に、その少年は僕の手を掴んできた。

 ヤバい! 殺される……!?

 そう思ったのだが……。



「俺に、あなたが魔王になるお手伝いをさせて下さい!」



「……………………………………………………………はい?」


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