第50斤
「はい……ありがとう……ございます……失礼します……」
リビングを歩き回りながら学校に欠席の電話を入れた私は、通話を終えた後もぐるぐる回り続けていた。足も、数多も。じゃない、頭も。
とにかく、何があったのか、私なりに整理してみる。
煙を出したVが消滅。いいださんと連絡途絶。舞原くんのいとこもVで、その子の居所仙台市。だから私も仙台に。いぇーい。なぜかラップ調になってしまった。なんでこうなったのか、自問自答してもわからない。わからない。わからない。わかっかかかかかかかかかかかかかかかか!
いつの間にかどんどん話が進んでいって、え? え? え?
私学校サボるの? 舞原くんと仙台行くの? ルイちゃんも一緒って言ってたよね? 制服着てるけど着替えた方がいいのかな? なんか持っていった方がいいかな? 仙台ってどうやって行くのかな? 東北新幹線?
なぜか心臓がバクバクと脈打つ。鼓動を確認するのに邪魔するものが無い自分の胸が恥ずかしい。ところでさっきルイちゃんの――あばばっびらいれあらあ!
今後の成長を願いつつ遠出に耐えられそうな服に着替える。黒い半袖のシャツにテーパードパンツ。もう少し可愛げのある服に――いや、今回のはそういうのじゃない。だからこれで――ああじらじゃっじゃじゃじゃ!
「なんでこうなっちゃったの!?」
私以外誰もいない部屋の中で、私の情けない声が響いた。
「へぶあう!」
タンスの角に小指をぶつけた。
「ああああああああああああああああああ!」
私はソファーにダイブし、顔を埋めて叫んだ。
もう、色々と、ぐちゃぐちゃだった。




