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アーシャームエル ~ 神の罪  作者: 小説の人
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1話 宗教なき善

アーシャームエルが住んでいるのは、エルサレムである。賛否両論あるイスラエルの首都とされる所である。エルサレムの神殿すなわち、1つしかないその神殿の近くに住んでいた。

教会の様にいくつもある訳ではない。

すなわち、それは、第三神殿である。

時は2100年。かの中東が平和を謳歌している時代である。中東とは、戦争ばかりの様だが、そもそも、戦争の発端は、イスラエルにイスラム教徒が表立って住めなくなった事である。しかし、最近になって、イスラエルは、イスラム教徒の町を作る事を発表する。つまり、それは、ちゃんと言葉を話せ、しかも同胞が沢山いると云う至れり尽くせりの見事な法案がイスラエル国家に通過したのである。つまり、イスラム国家としても戦争をする必要がなくなったのである。

要するに、平和なイスラエルが訪れたのである。

その、幾多の戦争を乗り越えて、平和に成った国で、アーシャームエルは善行を行っていた。つまり、150年の歴史ある国でさらに善を行っていたのである。しかしながら、このアーシャームエルは、宗教に関わっていない為に、自分の力のみで善行をしていたのである。

要するに、それはつまり、根っからの善人である訳である。善人だからこそ、宗教を介さずに善を行い、人々に何かを与える事が出来たのである。

残念な事にこのアーシャームエルにそれを見て推奨する人は全くいなかった。友人と言えば、宗教に疎く、善行にも疎かったのである。

しかし、アーシャームエルは自分で良いと思う事を行い、それを神にさえ認められていた。友人又は人々も又、認めてはいたのである。

しかしながら、残念な事に、やはり、宗教と云う繋がりがない以上、それを推奨する様な人はいなかったのである。

ところで、アーシャームエルは神を信じていた。そして、神に向かってこう言った。

「神様、私は善行をこれだけしました。あなたが私に与えて下さる事は、より一層、私を善行に赴かせます。どうか、沢山のものを下さい」

彼に欲はあったので、より善行を惜しまなかった、アーシャームエルは多くのものを手に入れた。

例えば、親しい友人、話せる友人が出来たのである。何を話せるか?沢山の事である。何でも話せる友人ばかりだったのである。

しかし、それだけではない。

家を手に入れ、さらに、女も手に入れた。

仕事も手に入れたし、部下も手に入れた。

ただし、生きるのに、プラスに成る能力や容姿を手に入れた訳ではない。ただ単に物質的なものを沢山手に入れたのである。

「私はこれだけのものを稼いだが、そっちの方はどうか?」

「そんなに?いや、それほどではない。ただ、信仰を手に入れた」

友人の1人がキリスト教徒に成って、善行を認め合う友人を手に入れたのである。

善行とは、例えば、良くしてくれる人に良くするとか、ばかりでない。その他に悪い事をする人にも良くしていた。つまり、彼は人間そのものを憎まなかったのである。愛していたかもしれない。

人を憎まないと云う事は、宗教の第一である。特にキリスト教である。しかし、アーシャームエルは、宗教心なく、憎まなかったのである。その点において、人より優れていると云う確かな優越があった。

アーシャームエルが女に対して、

「あなたは、善行はしないのか?」

と言った所、

「あなたの手伝いをします」

と云う回答があった。

「あなたは、どうして善行をするのですか?」

女は、アーシャームエルの善行の秘密を知りたかった。

アーシャームエルは、人々から尊敬はされていたのである。

そこで、アーシャームエルは、

「もちろん、善行が出来るからだ」

と言った。

「善行が出来るからするのですか?」

「もちろん」

彼の善は、凡人の頭では、到底至れない所にあったのである。


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