#14 王からの依頼
「久しぶりじゃのマサト」
「な、何でエレナがここに」
俺の目の前にいるのは初めてクエストを受けたときに助けた少女だった。だが、今日は、助けたときとは違い、綺麗な桃色のドレスを着ていて、一目見て貴族の娘だとわかるような格好をしている。
いや、助けたときも偉そうな態度だったし、貴族とかの娘だったりするのかな? とは思ったけど、まさか王女だったとは……
それにティーナが聞いてもはぐらかしてたし……
「おーい。マサト、ティーナどうしたのじゃ?」
エレナが俺の目の前で手をブンブン振っている。隣にいたティーナも似たような状態らしく、まだ口をポカンと開けている。
「あ、ああ。大丈夫だ」
「うむ、そうか」
「あの、アンリーさん」
「はい?」
「俺が護衛する王族ってエレナですか?」
「マ、マサトさん、 ダメですよ。王族を呼び捨てにしたら、死刑ではすまんないかもしれませんよ」
「え、ダメなのか?」
じゃあ、なんて呼べばいいんだろうか? 初めてあった時から呼び捨てにしているしもう遅い気もするが……
「よいよい、マサトとティーナは妾を助けてくれた。呼び捨てでよい」
「あ、あの」
リーナがおずおずと声をあげる。
「マサトとお姉ちゃんはエレナ王女とお知り合い何ですか?」
「ああ、初めてクエストを受けたときに倒れていたところを助けたんだ。そう言えばあの時は、キノコ採取のクエストって言ってたけど、何のためにあそこにいたんだ? 王女がギルドのクエストを受けるとは思えないし」
「あの時は少し事情があっての」
「事情?」
「悪いが今は言えん。それより中にいれて貰ってもいいかの? 玄関での立ち話もなんだし」
あ、そうか。ここ玄関だっけ、色々と衝撃が大きすぎて忘れてた。
ふと後ろを振り返ると、レティアさんが、あたふたしていた。そりゃ王族が自分の宿に入るとなったらそりゃ慌てるわな。
「ああ、分かった。こっちだ」
エレナを案内して食堂に入る。いつも座っている席につき、向かい合うようにエレナが座る。
「それで、依頼って言うのは、エレナを王都に送っていけばいいんだな?」
「はい、それが、ギルドの依頼です」
「ギルドの依頼ってことは、他にも依頼があるってことですか?」
「はい、それは私からご説明致します」
うわっ、誰あんた? てかさっきまで居なかったよね? どこから現れたの?
エレナの後ろにはいつの間にか執事服に身を包んだ六十代前半位の男性がたっていた。
「えっと、誰、ですか?」
「これは、これは、申し遅れました。私、スーレリアン王家にお仕えしておりますドランと申します以後お見知り置きを」
「はぁ」
ドランさんね、執事とは思えない、がっしりとした体型から察するに彼が護衛をしていたが、他にも護衛になれていて、なおかつ強い、冒険者に依頼したってところかな?
「実は帰り道にある、エレシアという町で、ある魔物が出ていまして、その退治を国王からの依頼でしていただきたいのです」
「こ、国王からの」
「い、依頼」
おい、ティーナとリーナお前ら何で二人で言い分けた。一人でいいだろう。でも、国王だったら騎士団とかないのかな?
「あの、すいません。何で私たち何ですか? 騎士団が本来するべき仕事だと思いますが?」
あ、やっぱり騎士団はあるのね。ありがとうティーナ俺の代わりに質問してくれて。
「最初は騎士団を派遣したんですが、全滅してしまい……。こういう形になってしまいました」
でも、待てよ? 騎士団が全滅したのに何で騎士団より弱い俺に依頼してきたんだ?
騎士団とやらにあったことはないけど絶対俺より強いだろう。
まあ、考えても仕方のないことかな?
「俺はいいですよ。エレナを王都へ送るついでだと思えばいいですから」
「私もマサトさんが良いなら反対はしません」
「私も良いわよ」
みんなの賛成してくれたが、後で相談して受けるか決めよう。エレナに遠慮しているかも知れないからな。
「あ、あの。質問してもいいですか?」
「どうぞ」
ドランさんが許可を出したので、ティーナが言いにくそうに口をひらく。
「なぜ、私たちなのでしょうか?」
「あ、それ私も思ってた」
「はて? それはどういう意味ですか?」
「そのままの意味です。魔法士ギルドに頼むならもっと強い冒険者に依頼することもできたはずです。なにも、ランク三にもなっていなくて、魔法士ギルドに入りたての私たちじゃなく、もっと実績のある冒険者に。なのになぜ私たちなんでしょうか?」
まあ、そうだ、俺達は魔法士ギルドに入ったけど一回も魔法士ギルドのクエストをクリアしていない。確かにおかしい。
「それはですね、エレナお嬢様にあなた方のことを聞いたらとてもべた褒めでして、お礼に参ろうと思ったところ、アルティネス殿も「強い」と言っておられたという噂を耳にいたしまして、確認に行ったところ、お嬢様と同じでべた褒めだったため、依頼するに相応しいと判断しました」
えー、エレナなにいったんだよ、ちょっと喋っただけだろが。まあ、とりあえず言葉に流されてという訳ではないらしい。
「少し相談させてください」
「わかりました。私とお嬢様は外へ出ておきますので、話がまとまりましたら、お呼びください」
そう言って、ドランさんは、エレナと一緒に部屋の外へでていった。
「で、マサト結局どうするの? この依頼受けるの?」
「ああ、俺は受けてもいいと思っている。あ、あと前から思っていたんだが、モンスターと魔物の違いってなんだ?」
「はぁ、マサト本当にあんた何でこんなに常識を知らないの?」
「いいですか? モンスターは主にランク六までのあまり強くない魔獣をさします。で、魔物は、それ以上の魔獣をさします。魔獣はモンスターと魔物をひとくくりにした言い方です」
何で分けてるのかわからんがとりあえず言葉の意味は分かった。
「私もこの依頼は受けてもいいと思っているよ。王女様とおしゃべりもしたいし」
「私も受けてもいいです」
「じゃあ、決まりだな」
そう言ってエレナ達を呼びにいく。食堂を出て、探すがいない。辺りを探していると、階段の下の暗いところからヒソヒソと話す声が聞こえる。
「王女、彼は魔王です」
「わかっておる。彼は全てにおいて規格外じゃ、魔力、戦力、恐らく全てにおいて彼に勝てるものはこの世界にはいないじゃろう。だが、魔神の進行はすでに始まっておる可能性がある。今、突然変異の魔獣がちょっとずつだが増えてきておる。なんとしても彼の魔力が魔神の手に渡るのは避けなければならん。」
魔神? 何をいってるんだ? 彼っていうぐらいだから男なのかな? あ、ドランさんを呼びに来たんだった。
「ドランさーん、終わりましたよ」
ヒソヒソと話していたから聞かれたくない話なのだろう。俺は今、終わったかのように振る舞いながら、ドランさんとエレナを呼んだ。
さてさて、最後少しだけ意味深なことを言っていた二人ですがこの後どうしよう(笑)
まだ、ほのぼのを書くつもりでいます。これはどれくらいまで続くんでしょうね?
自分でもわかりません。
次回は、八月二十二日午後十時頃投稿予定です。




