宴席
侍女
その殆どが下級貴族や富裕層の子女で構成される。上級貴族や客人の世話の為に世話するものもある程度の地位と教養を要求されるからである。
尤も、彼女等の親は行儀見習と婿探しのために寄越していると言って良い。
中には幼少の時より侍女としての訓練を受けているわけありの貴族の子女とか所謂出戻りとかイキオクレといった年嵩の侍女がいるのだが彼女等の技能や情報網は侮ってはいけない。
小娘の侍女をからかって手を付けたら、王家の非嫡出子で責任を取れと迫られたり、出戻りの婆などといったら息子に当たるのが大貴族で一族郎党叩き潰されたなんていう例が見受けられる。
要注意である。といっても、そもそも紳士たるものは使用人であっても女性に対して礼儀を忘れてはならないというのは不文律であろう。
国の主だった貴族を呼んで勇者(笑)のお披露目を行う。
その時に呼び出した第三伯爵の処罰も行うのだがその辺は勇者(笑)に見せることはない。
自分を呼び出す為に生贄を用いられたとか知ったら壊れる可能性が在るからである。菓子作りと経理能力(聖徒王国側視点)が高いだけで平民と変わらぬ、下手すれば其れよりも精神的なものが脆い異世界人に真実を与えるということはよろしくないだろう。
壊れて自死する位ならば兎も角、世界に対する恨みをもたれてはよろしくない。
魔王勇者時代にも召喚勇者が望郷と自らの境涯に自壊して破壊活動をする礼が見られたと言う記録が残っている。一応無力な無害認定であっても、注意するに越したことはないし壊すような真似をするほど彼等も暇ではない。
そもそも、魔王領を始めとする他国から注目されているものをむやみやたらに壊して利益があるとは思えない。寧ろ壊すならば捕獲時に始末したほうが宜しかろう。今となっては壊すには遅すぎるのである。
「ところでさ、何で俺は宴席の菓子を作り続けているのだろうか?」
宴席の会場から近く厨房では勇者(笑)が頭となって菓子を延々と作り続けている。
「勇者(笑)様後20人前お願いいたします。」
「侍女さん、何故に裏方?俺のお披露目でしょうが。」
「なんかにーちゃんの菓子のおひろめだよなぁ・・・・・」
小僧っ子の軽口に・・・・・・・・・・・・その可能性に気がついた勇者(笑)は崩れ落ちる・・・・・・・・・
そのまま見るもののない竈の中の菓子(予定)は焦げていくのであった。
そして会場では
「サテ、勇者(笑)殿がフィンガーボールをどのように扱ったかの結果を発表いたします。画像をどうぞ。」
儀礼官の掛け声で宮廷魔術師撮影部隊が撮った画像を上映する。
堂々と指を洗っている勇者(笑)の姿が映し出され、公爵達がたしなめた後に慌てて飲み干す姿が映し出されている。
「よっしゃ!正解だ!」
「ちっ!」
「卿は賭け事に弱いのではないか?」
「先々代の無念が・・・・・・・・・・・・」
悲喜交々・・・・・・・・・・勇者(笑)への敵味方が別れる瞬間であった。
尤も大半の敵とされたものはその後出された菓子で懐柔されるのであったが。
なんともはや・・・・・・・・・・・
酒飲みたいからこれまで。




