2-21 鉱山街
ゴーレムを倒した後は特にトラブルも無く、無事に鉱山街へと辿り着くことができました。
「鉱山街に到着だにゃ~!」
鉱山『街』というだけあって、街の規模は結構な物ですね。通りには石畳が敷かれてますし、立ち並ぶ家々もほとんどが石造りの立派な建物です。
街の一角から沢山煙が出ているのは職人街的なものでしょうか?
『思ってたより全然都会だった』
『俺も。もっと炭鉱の町みたいなのを想像してた』
始まりの街と違って、すれ違う住人はドワーフが目立ちます。
鍛冶師に坑夫、それと冒険者。金属製品が安いとか、自分達で材料を集めての割引狙いとか、理由がありそうですね。勿論住人の冒険者がという意味ですが、プレイヤーも結構いますね。
「ふむ。やはり金属装備のプレイヤーが多いな」
「重い装備ができる連中は大抵この街で装備をグレードアップさせるからにゃ~」
そんな感じの会話をしつつ、ネコさんの案内でポータルのある街の中央広場へ。
広場の中央にはオベリスクと噴水があるのですが……、
「おお~」
「おぉ……」
「凄いですね……」
始まりの街にあった噴水もヨーロッパ辺りにありそうな立派な物でしたが、こっちのはさらに凄い。
職人さんがよほど気合を入れたのか、オベリスクを囲む噴水には正に芸術作品と言っていいくらいに精緻な細工が施されています。
「ちなみにこの噴水、夜はライトアップされて、昼は決まった時間に仕掛けが作動したりするから、機会があれば見てみるといいにゃ」
それは是非見てみたいですね。
さて、それはそうとしてポータルの解放。噴水の水に指先で触れて、っと。
▶鉱山街のポータルが解放されました
▶復活地点に設定できます
しばらくはこっちで活動することになるでしょうし、復活地点は変更しておきましょう。
▶復活地点に設定しました
これでOK。
他のメンバーも設定が終わったようで。
「んじゃ、あちきはこれで上がるにゃ」
「あ、あの、アリーシアさん、今回はありがとうございましたっ」
「お疲れ様でした。私も失礼させていただきますね」
「ボクももう行こうかな。また何かあったら声かけてね」
次々にログアウトしていきます。
こういうちょっと淡泊なところ、いかにもゲーマーって感じですね。
私も配信を終了してログアウトを――っと?
「あれ? 地雷也さんはログアウトしないんですか?」
「儂はちょっとした所用をこなしてから鉱山じゃな」
どうやらこれから採掘に向かうよう。結構夜遅いと思うんですけど、明日大丈夫なんですかね?
まぁ私が心配してもしょうがないことですが。
「あ、そうだアリーシア」
「? 何か?」
「動画配信しとるということは、どこかのサイトに登録しておるんじゃろう? せっかくじゃし、チャンネルのアドレスを教えてくれんか?」
「いいですよ。フレンドのメッセージで送っておきますね」
「おう。すまんな。じゃあ、儂もそろそろ行くとするか」
そう言って、地雷也さんも街の中へと消えていきました。
「じゃあ私も宿屋に入ってログアウトしましょうかね」
『明日は鉱山?』
「ですね。店の修繕のために鉄鉱石を採掘しなきゃですし」
ついでに可能なら装備も強化したい。
「あー、でも鉱山街も見て回りたいんですよね」
と言うか始まりの街だってまだ全然見て回れてないですし。
「その後は木材も集めないと」
自分で採取してもいいんですけど、〈伐採〉スキルは筋力の影響を受けるらしいのでどうしたものか。
「『始まりの平原』や『木漏れ日の森』の先にも行ってないし」
エリアボスの初回討伐でSPが手に入るっぽいので、できれば入手しておきたいところ。
「図書館の本ももっと読んでみたいですし」
そう言えば図書館で見つけた状態異常回復薬のレシピもまだ作れてないんですよね。
やりたいことややれてないことを指折り数え、その多さにまだまだゲームを始めたばかりだということを実感します。
「今年の夏は忙しくなりそうですね……!」
もうすぐ8月。夏休みに入ればもっとゲームに回せる時間が増やせるでしょう。
つまり何が言いたいかというと。
「私はようやくのぼりはじめたばかりだからな。このはてしなく遠いVR坂をよ……!」
▶To be continued......?
未完!




