表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたくし悪役令嬢ですから  作者: 一番星キラリ@受賞作続刊発売決定:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/34

9

 この世界は、オリオン王太子がヒロインであるマクドナルト嬢に攻略されるルートなのだ。二人が婚約してゴールインでハッピーエンド。


 それなのにオリオン王太子自らが、マクドナルト嬢と婚約することを不幸と言っている。


 なぜかヒロインの攻略対象の三人の令息から罪を問われ、混乱したものの。その意図はオリオン王太子により明かされ、理解出来た。ようやく謎が解けたと思ったのに、さらなるカオスに突入している気がする。


「王太子である僕との婚約が不幸になる──なぜか。その答えは至ってシンプルだ」


 オリオン王太子の言葉に、今、この場にいる全員が注目している。


「マクドナルト嬢には、僕ではない想い人がいる」


 これには「えっ」と会場がざわめく。


「もし王太子である僕がマクドナルト嬢を婚約者に指名したら、彼女はその想いを断ち切るしかない。諦めることになる。そうなることをフィレオ、スロー、マックの三人は望んだわけだ。自分たちの恋が実らなかった腹いせに、マクドナルト嬢の不幸を願った」


 生徒と教師は口々に「なるほど!」となっている中、わたくしだけが「えええええっ!」である。


(この世界は王太子攻略ルートではないの!? オリオン王太子以外の想い人がいる!? しかも他の三人の攻略対象のことはお断りしているのに? え、お断りがフェイクで、本命は三人の中の誰かなの!?)


 わたくしがパニックになっていると動きが起きる。マクドナルト嬢がわたくしの視界に入った。


「スロー・エリアス・リング様、フィレオ・エヴァン様、マック・エグバート・マーフィン様から告白いただいたこと、身に余る光栄だと思います。ですが私は好きな方がいるのです。学園の卒業に合わせ、お父様にも許可を頂こうと思っています。もう私のことは諦めていただけないでしょうか?」


 もはや全てがオリオン王太子により暴露されている。これ以上足掻いても無駄だと分かったのだろう。三人は「分かりました。申し訳ありませんでした」と頭を下げる。


「アメリカーナ公爵令嬢」


 ヒロインが瞳をキラキラさせてわたくしを見る。


「陰ながらサポートいただき、ありがとうございます! 私はアメリカーナ公爵令嬢に感謝しかないのに。勘違いしたこちらの三人が濡れ衣を着せてしまい、ごめんなさい」


 マクドナルト嬢がペコリと頭を下げる。


(え、えーと、ここは悪役令嬢が断罪される場ではなかったの!?)


 もう頭の中でクェスチョンマークが盛大に湧いているが、オリオン王太子が場を締めくくる。


「冒頭から大騒ぎとなり申し訳ない。でも卒業を機に、何かやり残したことがあれば、するべきだと思うな。旅は恥のかき捨てというけれど、卒業も免罪符になると思う。──悔いのない学生生活最後の夜を過ごしてほしい。皆の未来に幸あれ!」


 これにはみんな拍手となり、そして時間も押しているからとダンスタイムスタートとなる。最初のダンス、王太子攻略ルートであれば……。


 断罪からの婚約破棄が終わり、ヒロインとオリオン王太子が踊ることになる。しかしわたくしは断罪からの婚約破棄もされておらず、罪として問われたことは全て善行扱いでヒロインからは感謝された。一体これはどうなっているのか。わたくしはオリオン王太子の婚約者のままで、そして──。


「最初のダンス、僕たちが踊らないと始まらないよ」

「それは……その通りですわね……」


 不思議だった。

 本来なら失意のうちにこの会場から去り、ダンスをすることなく、皆がダンスする様子も見ることはなかったのに。


「あの、オリオン王太子殿下。マクドナルト嬢の想い人って……」

「ああ、それは……」


 そこでオリオン王太子が視線を動かす。

 その目線の動きを追い、見えた相手は……。


(えっ、あれは)


 そこで曲が始まった。


 ワルツのステップを踏みながら、オリオン王太子が教えてくれる。


「マクドナルト嬢は突然、この学園への転校が決まり、父君の知り合いの騎士の屋敷に下宿することになった。共に王都へやって来たのは、侍女とそして従者と護衛を兼ねた騎士の彼だ。突然、親元を離れ、心細くなっていたマクドナルト嬢を励ましたのが彼だったのだろう。名はサム・ライ・マッカだそうだ」

「なるほど。そうだったのですね」


 そこでわたくしは驚愕を表に出さず、公爵令嬢らしく微笑むが……。


(謎が解けましたわ! すっかり騙されていたのね、わたくし! この世界、王太子攻略ルートではなかったのですわ……!)


 乙女ゲーム『ファーストラブ(初恋)はバニラの味』には解放ルートがある。攻略対象である四人全員をクリアすると、新たなルートが解放される。そこで数名の男性キャラが新たな攻略可能な男子となるが……。


(わたくし……私は前世でマックの攻略目前で転生してしまった。ゆえに解放ルートで新たに追加される攻略対象が誰なのか、知らなかったわ! でもあのマッチョな護衛騎士が新たな攻略対象だったのね……! 今、名前を聞いて確信したわ。間違いなく新たなる攻略対象。しかもヒロインはその彼をロックオンしていた)


 さらに新たなる解放ルートでは、どうやら悪役令嬢の断罪からの婚約破棄は不要だったようだ。


(これは驚くしかないわね。乙女ゲームに転生したら、悪役令嬢は断罪されて婚約破棄が当たり前だったから。というかこのルートでは悪役令嬢の代わりを当て馬令息がしてくれたようなものよね)


「ウェンディ」

「はい」

「この卒業舞踏会で、やり残したことがあったらやるべきだと僕は言ったよね」

「そうですわね」

「やり残したことがあるから、このダンスの後、僕に付き合ってくれる?」

お読みいただきありがとうございます!

まもなくフィナーレです~

ブックマーク登録でお待ちくださいませ☆彡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ