七十三話 考察と後悔
また遅れた…これどうなってるんすかね(呆れ)
今回から非雨の心情の一人称を俺に変更しました。(語彙力不足)
ちょい短めです
「ん、んぁぁぁ…って、ここどこ?」
目覚めた後に見たのは見渡す限りの草原。
「これ夢かぁ…?いや、今となっちゃ現実っていう可能性もなきにしもあらずだけど…」
夢か現実かわからない世界線に今はいるかも知れない。だが、身体は正常に動く。
もしかしたら現実かもしれないし、そうだったら人に会えるかもしれない。
「んーと…人間の視力で見えるのは2〜3kmだっけかな?本当に何も無いから人や建造物があるかどうか分からないけど…」
いざ歩こうと思った時に気づいた事があった。
「…おかしい、ソフランちゃんは今人格として居ないし、オリィちゃんは多分いつも付いてきてるのに居ない…やっぱ夢なんかなぁ、」
だけど、現実世界にソフランちゃんを人として出しているから、未だ現実か夢は分からないが。
「んー…夢だと思うし、この壮大な草原で寝てみようかな?」
私はちょっと小山になっている所に行き、草に寝転がる。緑の匂いがして、the、自然な場所だ。
自分の大きな尻尾を抱き枕にして、寝るまで時間がかかるだろうし、少し自分について考えてみる。
(んー…今の俺はこんな姿だけど、身体は女の子だからなぁ…ツリスはこの身体を作ったと言うが、自分の魂を移す前に、その元の感情ってあったのかな…?」
今自分が恐れている事は精神が完全に女の子になる事。そうなると自分が自分でいられなくなるようで嫌なのだ。だけど、もし精神が完全に女の子になったら、それは誰の魂?感情?なのだろうか。
もし俺が女として生まれた時の魂なのか、元々のこの身体の魂なのか、それは分からない。
(どこかで魂は浄化されまた人間に憑依すると聞いた事がある…だけど閻魔さんも今の俺を珍しく思っていたな…)
うーん、考えれば考えるほど難しくなっているような気がする。
「今の俺の身体、状況を楽しんでいるのには変わりは無いしなぁ…俺好みのロリっ子に懐かれているし、姉妹になっているし、死ぬ前から願っていた姉も血は繋がって無いとはいえ、姉になってくれたしなぁ。」
ツリスがいるおかげで適当に生きていた自分の価値が見出せた様な気がする。自分が死んでも悲しんでくれる人がいる。いくらツリスの施しによって生き返れるとしても、あんまり無茶な特攻は辞めておこうと思う。
「今は平和に生きれたら良いかなぁ。もしかしたら、自分にもツリスの血が流れて、神になったり…いやいや、そんなファンタジー要素はないよね。はっはっは。」
と思いつつ、目を閉じる。地面の香り、草の囁き、風の音、自然の音や温もりがいいと感じる。
(今は無心に、夢か現実か分からないこの世界で、昼寝をしてみよう。)
そう思った時に、ずーんと眠気が被さった様な感じになり、眠りについた。
「zz…むにゃ?」
目が覚めると何時ものツリスのベッドの上だった。横にはラデルちゃんが寝ている。
「やっぱ、夢だったのかな?とりあえず、起きるか。」
身体を上げ、ベッドから降りて台所に行く。
「冷蔵庫の中は…っと、コーラがあったから、それを飲もうっと。」
コップにコーラを注ぎ、飲む。あー、寝起きのコーラは最高である。
にしても、お腹がすいた。いや、寝て起きたら腹が空く事は昼寝以外そんなに無いのだが、中学生になりたての頃に味わった、1日断食した時の空腹感によく似ている。
…気のせいかな?昨日はちゃんと夜ご飯も食べたはずだし。
「んー…電気付いてる…って非雨!非雨…えーと、私わかる?」
「ツリス、なんでそんな慌ててんの?なんかあったん?もしかして暗殺されかけた?」
「いまさらっと物騒な事言われた様な気がするけど、お姉ちゃん呼びじゃない!元に戻ってた…あぁー…よかったぁぁぁ…」
「今度は安堵してる…何があったん?」
「何も覚えてないんかぃ…とりあえず昨日の事を話すよ…」
「ん?昨日?どゆこと?」
ツリスの話を聞いた…
俺はツリスの言葉を聞いて頭を抱えた。
「嘘だろおい…いや、元に戻ってる事はありがたいんだけどさ、昨日、私完全に女の子になってた?」
「そーだよ!めっちゃ甘えて来て、それはそれで良かったんだけどさ、いつもの非雨じゃなかったんだよ!」
あー…今日?の夢の中で考えた事が現実になったぁ…
「んで、私がロリアさんに『ツリスから離れろー!』とか言って火の玉当てたん?マジで?」
「まじまじ、可愛いかったけど、流石に焦ったよ…」
「後でロリアさんに謝ろ…」
ふっつうにショックなのだが。いや、100歩譲ってツリスにめっちゃ甘える俺は…想像したらものすごく恥ずかしくなったのだが、いいのだよ、だけどロリアさんに迷惑をかけてしまった事についてはもうショックがやばい。
「はぁー…んで、話変わるけどいま何時だっけか…」
「今は…3時45分やね。まだ暗いけど眠たくないの?」
「あー…夢で草原で昼寝したから大丈夫。」
「それ、寝たって事になるの?まぁいいや、腹減ってるでしょ?非雨が好きなラーメン店から出前で取り寄せたラーメンだよ。時間停止の空間に入れておいたから麺は伸びてないよー。」
「あー…ありがたい…頂きます。」
「なんで撫で撫でを…いや、良いんだけどさ。」
「いいじゃん、ちょっとお姉ちゃん呼びがクセになっちゃってね、これからもずっと『ツリスお姉ちゃん』って言って欲しいんだけどなー。」
ご飯を食べ終わった俺はツリスに成長して大人になり、撫で撫でをしている…が、
「はっ、恥ずかしくてんなの呼べないよ!せめて姉ちゃんなら良いけどさぁ!」
「ふふっ…昨日の非雨のお姉ちゃん呼び…私は幸せだったよ?いつもの非雨じゃないとは言え、関係は姉妹だからね。」
「…恥ずい…」
「まぁそんな恥ずかしがるなって、世の中にはあの時と同じ様なシスコンだって居るわけだし。」
「…じゃ、私なりに、今度一日中甘えてみるよ…恥ずかしいけどね…」
「やったぁー!地味に非雨がラデルちゃん達にお姉ちゃんって呼ばれてるのが羨ましかったんだよ?非雨からはツリスって名前呼びされてるしなぁ…ま、良いんだけどね。」
さて、今度ツリスに物凄く甘えるって約束をし…約束と言えるかは微妙だけど、撫で撫でを終わらせた後、ツリスに毛づくろいをして、嫌な気持ちを忘れたのだった。
前回も言った通り、本編ではソフランちゃんは非雨の裏人格として頑張ってもらいます。
フラグが建設されたけど、回収するかはわかりません。