五十話 温泉
予約投稿その5
「ん…まだツリスの部屋か…時間は…5時か…ふあぁぁ…がっ、ゴホッゴホッ…」
私はあくびの最中に違和感を感じ、咳込んでしまった。しかし何かに突っかかった感触も無いし…うーむ…
「お、起きたか、はよー。」
「ん、おはよー。」
ツリスは起きてた。神だから睡眠は必要ないってやつか。ちぇー羨ましい…
「いや昨日は私も寝たからね?酒飲んだから寝たんだよ?ただ単に非雨より早く起きただけだからね?」
早く起きただけかー…ま、いいや。
「そいや、異世界に送らないの?」
「送ってもいいけど、非雨、確かラデルちゃんの頭が脂っこいって思ってたよね?」
「頭って言うか髪だけど…」
「今天界ですっごく流行りの美容温泉があるんだよ。昔よく行ってたんだけどそこの無料チケットが4枚あるんだよ。石鹸とかは私が持って行くからさ。」
いやー、なんかわざとらしいね…
「ん?私も行ってもいいの?」
「いいよー、てかラデルちゃん起きたらすぐ行くけど。」
「…?4枚って言ったよね?あと1枚はどうするの?」
「残しておくのもいいけど、使うのもいいしね。でもペルさんは自分で作った温泉で今頃ぬくぬくとしてるだろうし、ソフランちゃんと一緒に行く?」
「さんせぇい。」
さて、ソフランちゃんを呼ぶかえ。
「zzz…ぬぅ…眠い…」
「あ、起こしちゃった?ごめんよ…」
「んむ…大丈夫…」
「今日温泉行くってさー、行く?」
「お姉ちゃんと温泉?行くー!」
ん、行くって決まったっぽい。んじゃ、ラデルちゃんにソフランちゃんのこと話すかー。
…
…
…
「起きたっぽいよー。」
「じゃ、連れて来てー」
「もう連れて来た。」
「ん?オスゴー様と…え?この緑の髪の子って誰?」
「ん、私の妹でもあり、裏人格だね。」
「ソフランだよー!これからよろしくー!」
「あとラデルちゃんのひっどい傷を直した張本人だね。」
「え…?ほんと?」
「お姉ちゃんが傷を塞いだ後に私がいろいろ施したんだよねー。あのまま放置されてたら死んでたよほんと…」
「ま、これもツリスのおかげなんだけどね。」
「本当に私の周りではすごいことばっかですね…とにかく、ソフランちゃん、お姉ちゃん、本当にありがとう!」
「ういふーい」
「ん、じゃ温泉に行くかー。」
…
…
…
今流行りの温泉屋に着いた。てか温泉屋じゃなくて温泉宿だね。宿泊もできるらしい。
「お客様は4名様ですか?」
「はいそうです。あとこれって使えますか?」
「あ、当店の無料チケット4枚…これをお使いになるんですか?」
「はい使います。」
「分かりました。では当店の温泉をぜひお楽しみください。」
全部ツリスが応対してくれた。あ、ツリスは今変装している。目の色と髪の長さを変えただけだが。
「じゃ、入りますかー。」
「よしゃー楽しむゾォォォ!」
「おぉぉぉ!」
「お…お客様…まだ寝ている宿泊客がいるのでお静かに…」
「あ…失礼しました…」
さて、どんな温泉なんだろうね。
「お姉ちゃん、温泉ってどんなとこなの?」
ん?難しいなぁ…てか温泉のこと知らなかったんだ。ティラちゃんのとこで入ったけども。
「あったかいお湯が出てくる所かな?」
「あったかい…楽しみですね…」
「ん、着いたよー。」
私達は脱衣所に着いた。昨日に続き二日連続で温泉に入るわけだが…
「やっぱ気にするよなぁ…」
「ん?何か言ったお姉ちゃん。」
「いや、何でもない。」
既に女の人の裸には興奮しなくなったのだが、それでも胸の中のモヤモヤが取れない。
「ユキヒアー、なんか悩んでない?」
「ん、なんでもない。」
「んー、そーかー。」
ツリスは下着以外全て脱いでいる。ていうかみんなほとんど脱いでいる。私は脱いでいないので事情をそんなに知らないラデルちゃんは怪しむだろう。
さっさと脱がなきゃな…
…
…
…
ラデルちゃん以外はみんなバスタオルを巻いてくれた。ありがてぇ…いやラデルちゃんは責めない。私の事情を話してないから何も知らないし。
「ん?なんでみんな巻いているの?」
「いやいくら女性しか居ないからって、恥ずかしいでしょ…」
朝早いとは言え誰もいないわけではない。少数だが温泉に入っている女性もいる。
ちなみに、温泉の種類…はおかしいな、水の種類…いや、効能と言えば良いのかな?種類は沢山あって、美容、疲労回復、更には大怪我も治る温泉もある。
私はとりあえず、疲労回復の温泉に入る。するとツリスが一緒に入ってきた。
「なあ非雨、やっぱ何か悩んでない?」
ん、私の事を非雨と呼ぶって事は周りにラデルちゃんはいないってことか…
「最近、私が本格的に女になって来てるんじゃないかと思うんだよ…」
「もう既に女になってんじゃん。最近初潮も迎えた事だしさ。」
「そういう意味ではなくてだなぁ…精神的に女になって来てるんじゃないかとね…男だった頃の記憶がこのままだと全て無くなるんじゃないかと…」
「んー…初潮が来たことによって精神が急速に塗り替えられているんじゃないかと私は思うんよ。」
「つぅりぃすぅ…本当に何やってんのぉぉ…」
「いやごめんてぇ…とにかく、記憶が消えないように何とかしとくよ。」
「助かる…」
「けど、多少は慣れとかないとこれから女として生きていくのに大変だよ?」
「だからさ…体はこうだけど心は思春期真っ盛りの男子中学生なんだって…」
「これが今となれば二人の妹を持ち、私の妹なんだよねー。」
あれ?ラデルちゃんも妹に含むの?
「そだよー。てかお姉ちゃんって呼ばれてるから勝手に姉妹関係にしちゃった。てへっ。」
…はえぇ?
「なぁーにやってんのぉ…」
「いやー、異世界滞在が終わったら私の世界に戻るでしょ?着いて行くことに決まったし、もう結んでも大丈夫かなと。」
「決まったけどもぉぉ…」
なーんかなぁ…まぁ良いけど…
「さて、次のとこに行こうや。」
「はーい。」
私はツリスに着いて行く。
さて、着いて行くときに色々な効能の湯を見たわけだが、ここに決めていざ入ろうとした途端に
「あ”あ”あ”しみるわぁぁぁ…」
…この声聞いたことがあるぞ…
「この声って…ペルさん?」
私達は声がした所に行ってみると…
「やっぱりいたぁぁ!」
「ん?ツリス、居たんだ。」
やっぱりペルさんがいた。あれ?自分で作った温泉でぬくぬくしてるんじゃないの?
「私と言うことが読み間違えた…んでさ、あの後どこに行ったの?」
「んー、あの後はー、酔いを覚ましてから酒屋をはしごしてー、良い酒あったから買ってからここに泊まり来たんだよねー。」
ペルさんは酒好きと…覚えておこう。
「その後少し温泉でぬくぬくした後3時間くらい寝た後また入り直したんだよね。」
「ふーん。あー、あとペルさんのとこのラデルちゃんを勝手に姉妹関係にしちゃったけど大丈夫?」
「非雨がもうお姉ちゃんって言われてる時点で姉妹にしていいやと思ってたから大丈夫だよー。」
「やったー。」
「んでさー、非雨ってラデルちゃんに元男って事話すの?」
唐突やね…
「んー、言いたくないけどバレたら言おうかなと。」
「んー、そーかー。」
私達3人は色々と話して時間を潰した。
…
…
…
私が3人は温泉から上がり、ソフランちゃんとラデルちゃんの少女組を待とうとしていたら既に脱衣所の椅子に倒れていた。大丈夫かと思ったがただ逆上せたみたいで、特に何も問題はなかった。よかった。
てかラデルちゃん…倒れているから気づかないと思うけど言わせてくれ。バスタオル巻き直せと。物の見事にバスタオルがはだけて年頃の男子中学生には(いろんな意味で)まずい格好になっている。どうやらソフランちゃんに言われ巻いたらしい…が、これでは意味が無いではないじゃあないか…
「へにゅぅぅう…」
ラデルちゃんの肌はスベスベになっており、さらに綺麗になったと思う。だがいくら気持ち良いからって逆上せるまで入るのか…
「とにかく色々とまずいから早く着替えさせるよ!」
私達はラデルちゃんを起こし、着替えさせた後に私達も着替え始めた。
キャラ紹介やっぱ無視しようかな…




