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聖なる手当を所望する

 

「カズマ……、来てくれてありがとう。マジでありがとう。お前が来てくれなかったら本当のシロとクロに出会えなかった。やはり予感は正しかったんだ……」

 握った両手を縦にぶんぶんと振りながら何度も何度も頭を下げる俺。

「フミさん」

 カズマは握った手を強引に外してその手を俺の肩に置いて真面目な顔をして言った。

「それ、予知。多分だけど」

 へ? 予知? 予知ってあれだよな、未来が分かるやつ。

「その表現で合っています。事後報告になってしまいます。ごめんなさい」

 シロがしゅんと目尻を下げた。

 いや、シロのせいじゃないだろ。俺がクソメガミ(ビッチ)とヤッた時にパワーが入ってとか、そんな感じじゃないのか?

「アイツ云々は関係ないよ。トウサマは俺たちの使徒として登録されたって事だ」

 使徒……、天使にも使徒っているのかあ。

「カミサマやら天使やらそういうのは脇に置いていい。ただ単純に俺たちを信仰の対象にする者になったんだよ。俺たち公認の、それも筆頭のね」

「それって、まさか。ね、ねえシロちゃん、クロちゃん。それってフミさんはアレってこと?」

 カズマの言葉にふたりが同時に頷く。

 アレってなんだよ! 気になるじゃねーか!

「フミさん」「トウサマ」

 シロとクロは俺の脇に位置を変えると

「「聖者就任、おめでと。でもいきなりでごめんなさい」」

 そう言って俺の胴をぎゅっと抱きしめてくれた。

 聖者……、そう言う物もあるのか。

 

「オメデトウゴザイマス。聖者マサフミ」

「うぉあっ!」

 いきなり声をかけるな。どこからだ? 俺ってば音の方向がいまいち把握出来ないんだよな。どっちだ? 多分、上!

 抱きついたまま固まっているシロクロの頭を撫でながら上を向くと天井には何もなかった。

「ザンネンデス。目の前」

 視線を戻すと正座した男がいた。灰色スーツのビジネスマン。

「えっと、どちらさんで?」

「ワタクシ、役所の者でシて。シロさんの経過観察に来たのデスが来てビックリです。分神(わけみ)と聖者就任をイチドにみられる機会なんてそうそうナイですから。眼福でした」

「左様ですか。それで役所の方、経過観察とは?」

「そのママの意味でス。どう進むかカケの対象になっていたのでその定期訪問デス」

「はあ……」

 なんでも娯楽にすんな、カミサマって……。

「もう、カケも意味がナイと上には報告しますネ。今後はあまり覗きに来ませン」

 まだ覗きには来るんだな。でもいい機会だ、よな。

「き、聞きたい事があるんですけど」

 勇気を出そう、俺はふたりの保護者。役所のヒトからならなにか案が引き出せるかもしれない。

「ナンですか? 聖者マサフミ」

 

「その、児童手当みたいな制度って、無いですかね?」

 俺のその問いに、男はへっ? と言って首を傾けた。

 

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