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黄昏時、俺は生きた  作者: 田中ソラ
第三章 感情
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第四十四話 新しい作戦

「小香」


「何だ?」


「俺決めたよ。生見さんを敵だと認識する」


「そうか……」


 小香はとても申し訳なさそうな顔をした。


「そんな顔するなよ。お前のおかげで俺は決断できた。ありがとな」


「いや、我は何もしていない。ただ教えただけだ」


「その教えてくれたことが大事なんだ」


「素直に受け取ることにする」


「あぁ、そうしてくれ。あと一つ」


「?」


「俺に、俺が考えた作戦に協力してほしい」


「別に良いが」


「言ったな? 絶対だぞ」


「? あぁ」


 俺は協力してもらう作戦内容を話した。


「嘘でしょ。怖すぎる……」


「約束は、絶対な?」


「ぅ……」


「大丈夫だって、死にはしねぇから」


 小香にフードを被せ、自分も被り不時さんの部屋へ行った。


「不時さん、俺達はある作戦を実行する」


「いきなりどうした。して作戦とは何だ?」


「これでアルファ討伐まで大きな一歩を踏み出せるはずだ。聞くか?」


「勿論」


「作戦内容はシンプル。日が昇っている間、つまりアルファが活動している時間に俺達が行動すること」


「は?」


「俺は異常者で小香は人ならざる力を持っている。ある意味、下見のような物だ。この作戦を許可してほしい」


「許可するのもなにも、昼間に外へ出ればアルファに喰らわれるのだぞ?」


「その辺りは大丈夫だ。それよりも、俺達が作戦を実行している時に俺達がここにいるって偽装をしてほしい」


「偽装? それは何故」


「詳しくはまだ言えない。確実じゃないことだからな」


「まだ、か。ん~」


「頼む、不時さん。俺はアルファを討伐したんだ!」


「……考えさせてくれ。期限は明日までにしてほしい」


「分かった。良い返事が来ることを期待してる」


 一言も喋らず棒立ちだった小香の手を引き、すぐに部屋へ戻った。


「なぁ、兄さん」


「どうした」


 兄さん、ということは俺は今、香月。


「兄さんはどうして、どうして好きな子に告白しないの?」


「は!?」


 なんで、小香が知ってるんだよ。


「図星なんだ。兄さん、後悔しない選択してよ。命投げ出さないでよね、今度こそ死んだら許さないから」


「……分かってるよ」


 本物の兄妹のように僕は妹の頭を撫でた。


「小香は僕の大切な妹だからね。君こそ死なないでよ?」


「うん」











「気をつけて」


「あぁ、許可してくれてありがとう」


「いや、私は愚かだったよ」


「そんなことない」


「兄さん、そろそろ時間だよ」


「あぁ」


 本部の屋上、明るくなる空。動き出す影。


「香月君」


「どうしました?」


「頑張りなさい。仲間が応援しているよ」


「ははっ。ありがとな」


 フードを被り、小香が出した結界に乗った。


「不時さん、この作戦のことは俺達が帰ってくるまで誰にも話さないでくれ」


「分かっている」


「おう」


「行くよ、兄さん」


「頼むよ、小香」


 小香が手を動かすと結界がトランポリンのように柔らかくなり、俺はその勢いに身を任せた。


「美しい」


 山々の隙間から日が姿を現していた。

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