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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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 第445話 ~ マノン不在の王立アカデミー  ~  ダキア王国様、御一行…… ①

 第445話 ~ マノン不在の王立アカデミー  ~

 ダキア王国様、御一行……①



 度重なる悶絶昇天の刑に痛ぶられ、丸裸で転移されながらも何とかヘベレス宮殿の地下深くの秘密施設にたどり着いたマノン達御一行……


 ……なのだが、未だにロジーナ村に帰る手立ては見つかってはいないのであった。


 「この服、なかなか着心地が良いじゃいなの……」

 どうやらソレーヌは、この業務服が気に入ったようである。

 「それにしても随分とだだっ広いわね……」

 ソレーヌは目の前に広がる空間を見て感心している。

 「……で、これからどうすんの?」

 ソレーヌは隣りにるマノンに尋ねる。


 「必ず出口があるはずなんだけど……」

 「何処かわからないんだよな……」

 マノンは困ったように答えると爺い声が聞こえてくる。


 "この手の施設には必ず非常口があるはずじゃ……"

 "まずは歩き回って調べるしかないのう……"

 マノンも爺い言う通りだと思っているのだが……


 "それよりも、ここには水と食料が無いっ!"

 "このままだと飢えと渇きで命が危ないよ……"

 マノンが不安そうに呟くとパックが飛んできていつも通りにマノンの頭の上に乗る。


 こうして、マノン達はこの広大な旧ゲルマ帝国の地下施設の探索を始めるのである……





~ マノン不在の王立アカデミー (箸休め)  ~

 ダキア王国様、御一行…… ①す




 所が変わって、ここはガリア王国の王都ガリアン……


 騎士留学生達が王都ガリアンに到着し始める。


 最初に王立ガリアンに到着したのはダキア王国のコレット王女御一行である。

 王女コレットとお付きの女騎士3名、それにコレット達の身の回りの世話役が8人で合計12名で全員が女性であるという極めて異例な構成であった。


 ダキア王国はピオーネ山脈を挟んだ反対側にあり距離的には王都ガリアンに最も近い国である。

 

 ただ、ピオーネ山脈はヘベレス山脈程も険しくは無いが街道は未整備で馬車などが通れるような道ではなく徒歩での山越えであり女性にとっては決して容易な道のりではないのだが全員無事に王都ガリアンに到着できたのには理由がある。

 

 それは、家出同然に祖国ダキアを出てきた割には備えは充分であったからで、コレットお付きの女騎士の1人が商家の出身で日頃からこの手の業務を仕切っていたからである。

 普段から我儘なコレットに振り回されて鍛えられていた賜物でもあった。



 「これがガリア王国の王都ガリアン……」

 初めて眼にする巨大な城壁都市にコレット達は驚きを隠せない。


 「予想以上ですね……」

 お付きの女騎士"アルセリア・ブランケル"が巨大な城壁を眺めながら呟く。

 「この城壁都市に約12万人が暮らしているそうですよ」

 「大陸中から人や物が集まり……」

 「今では大陸の中心地みたいなものです……」

 女騎士のアルセリアがコレット達に説明する。



 アルセリア・ブランケル……元商家の娘である。

 剣よりも商才に優れた才覚がありコレットの金庫番である。

 計算が得意で数学的に優れ、先見性があるが暴走しやすい。

 コレットや皆から信用されている。

 コレットが大好きで惚れた者の弱みでコレットには逆らえずコレットの尻拭いをしている。

 年齢19歳、身長165センチ、褐色肌で髪はブラウンのおかっぱ、市松人形ような風貌、スリムな体型の普通女子である。



 「流石はアルセリア……元商家の娘だけの事はあるじゃない……」

 もう1人の女騎士の"イラーナ・カマサラ"が感心したように言う。


 イラーナ・カマサラ……

 ダキア王国の船乗り親方の娘である。

 今で言うと海上輸送を生業とする運送業の社長の娘である。

 海洋知識と操船技術に優れた才能がある。

 コレットの軍船運用を任されている海の女である。

 正直者で言ってはならない事も直ぐに口にするのが欠点であるが飾らない性格で皆から好かれている。

 パレルラが自分の想像する理想で大好きなのだが何故か恋愛には素直になれない困った性格であり、それが原因でパルレラとぶつかる事を心の底から悔やんでいる。

 年齢20歳、身長175センチ、王子様のような風貌、浅黒い肌に黒髪短髪のガッチリとした筋肉質で大きな胸に引き締まったウエスト、ボンキュボンの抜群のプロポーションである。

 


 「ほんと、貴女がいなかったら私達全員、山の中で死んでいましたわね」

 もう1人の女騎士"パルレラ・カサンドラ"がそう言うとコレット以外の全員が小さく頷く。


 パルレラ・カサンドラ……

 ダキア王国貴族の娘である。

 コレットの幼馴染で剣の腕は一流である。

 真面目で忍耐力があり、誠実さと貴族出身者の気品もあり騎士としては優れている。 

 しかし、真面目過ぎて融通が全く効かないのが欠点である。

 イラーナとは正反対の性格で時よりぶつかがその飾りのない素直な性格に好意を寄せている。

 本当はお互いに想いを寄せているのだが当人達はその事に全く気付いていない。

 年齢21歳、身長170センチ、クールな美人さんで透き通るような白い肌に金髪のロングを革紐でまとめている。

 鍛え上げられたアスリートのような体型であるがやや凹凸に欠ける。



 コレットのお付きの女騎士はそれぞれに卓越した特技を持っているのが特徴である。

 これは、剣や武術に特化された他の国とは全く違う構成である。

 ダキア王国騎士の位は国が授けた称号であり他国のような身分を制度からなる特権階級を意味するものではないのも特徴である。



 王都の正門でアルセリアがガリア王国レオナールからの親書を門番に見せる。

 親書を持って門番が詰め所に戻る。

 暫くすると3人の騎士がコレット達の前に姿を見せる。

 

 「遠路、遥々お越し下さいました」

 「小生はこの城壁正門の警護を任されています"マチュアス・デェラン"と申します」

 「宿舎を用意してございますので……」

 「配下の者がご案内致します」

 デュランがそう言うとデュランの後ろに控えている騎士2人がコレット達を宿舎へと案内する。


 正門を抜け行くコレット達の後ろ姿を見てデュランが呟く。

 「ダキア王国が一番乗りか……」

 「しかし、皆、女に見えたのだが……」

 デュランはダキア王国の留学生に男が1人もいない事に違和感を感じているのであった。


 

 「……」

 正門を潜り抜けたコレット達は驚きを隠せなかった。


 綺麗に整備された広い石畳の通りに多くの馬車や人が絶え間なく行き交い、通り沿いには歩道も整備されている。

 道路沿いには立派な石造りの建物が延々と並び活気に満ちている。

 

 「もの凄い活気ですね……」

 「これ、大陸中の商人が集まってますよ……」

 元商家の娘であるアルセリアには服装を見ただけでその人の出身地がわかるのである。

 「圧倒的にゲルマニアの商人が多いですね」

 アルセリアは自国のダキア商人の姿を探すのだが……

 「我が国の商人の姿は……いませんね……」

 ダキア王国の商人がいない事に元商家のアルセリアは歯痒そうである。

 「こんなもの凄い市場があるのに……」

 「我が国の商人達はなにやってんでしょうかね?」

 「こんな商機を逃すなんて馬鹿じゃないのっ!」

 腹立たしさで段々とアルセリアの口調が荒くなってくる。


 「まぁ、落ち着けアルセリア……」

 商根魂に火が付いたアルセリアをコレットが宥める。

 「これからでも遅くはなかろう……」

 「まずは、このガリアンの市場調査から初めるのが筋と言うものなのだろう」

 コレットの言葉にアルセリアも納得する。


 2人の騎士に案内されて宿舎へ向かうコレット達は王都ガリアンの圧倒的な都市規模と経済力に愕然する。


 「これほどとは……」

 自国ダキア王国との圧倒的な国力の差に流石のコレットも二の句が出ない。


 武器屋に並ぶ武器と防具の豊富さと価格の安さに剣一筋のパルレラは目を見張る。


 商店の数と商品の品数の豊富さにアルセリアは目を剥いている。


 ただ、船乗りのイラーナはつまらなそうである。


 商店に並ぶ鮮やかな服、珍しい宝飾品、洒落た小物等等に世話役の子達も目を輝かせている。

 

 コレット以外のダキア女子達の買い物心に火が付くのは時間の問題であった。


 そのコレットはと言うと……

 "若い女が多いっ!"

 "素晴らしいっ!"

 "まるでこの世の天国ではないかっ!"

 物欲よりも色欲のコレットであった。


 2人の騎士の案内で王都ガリアンの街中を歩くコレット達御一行はやがて王立アカデミーに到着する。


 「ここが王立アカデミー……」

 王都ガリアンの中心部に建つ立派は建物にコレット達は目を見張る。


 「これって、ウチの国の王宮よりもデカくて立派じゃね?」

 イラーナは、コレット達全員が思っていたが口にできない言葉を何の躊躇いもなく口にする。


 「イラーナっ!思っていても口にしたらダメでしょ!」

 パレルラはイラーナに注意するがイラーナは知らんぷりである。

 「貴女って本当にっ!」

 パレルラは呆れているのだが……

 本当はその正直さが羨ましくもある。


 コレット達が案内されたのは王立アカデミーの直ぐ隣の石造り3階建ての建物であった。


 「こちらがダキア王国の方々にお泊まりいただく建物になります」

 「この建物丸ごと自由にお使い下さい」

 「生活に必要な物は全て揃えておりますが……」

 「何か必要な物があれば……」

 「王立アカデミーの寮長のルシィ・ランベール殿にお伝えくだされば用意いたします」

 「宿泊費は全てこちら持ちなので家賃の負担は一切ありません」

 騎士は説明すると建物の鍵をアルセリアに手渡し敬礼して去って行く。


 これからの1年間、コレット達は生涯忘れる事のできない経験とかけがえのないモノを手に入れるのである。 



 第445話 ~ マノン不在の王立アカデミー  ~

 ダキア王国様、御一行…… ①



 終わり


 


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