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何とか手に入れたい

賑やかにちょっとしたパーティーが開かれる。庶民的な気取らないパーティーだ。警護の騎士達も、交代制で参加している。侍女達も自由参加である為、お喋りしながら楽しく参加している様だ。ヨシュア様は、公爵を気遣いながら、クリスティア様や、ザラ様と話されていた。ユリウス様は、料理を運んで来ている。今日は侍女達の代わりの様な仕事をして居るみたいだが、何せ普通の侍女より危なっかしい。

「代わります。」

そう声を掛ければ、

「良いよ~アルフレッドも楽しんで?今日は僕の親の結婚式なんだから〜僕がやるよ!」

そう呑気に答えた。ああ〜左手のトレーが傾いてますから…。

「いえ、十分楽しみました。どうぞ、ユリウス様も少し休憩を…。」

そう言いつつ、傾いた左手のトレーを取り上げた。ユリウス様はにっこり笑って、ありがとう…と言い、右手のトレーをきちんと持ち直し、テーブルへ運び終えてから振り向いた。

「お義父さんにお願いして、後宮の一角にスライムの飼育場を作ろうと思ったのだけど、ザラ様に止められちゃったね〜。良いアイディアだと思ったのに…。」

実に残念そうに呟いておられるので、頷いてそうですね…と返した。本当に残念だが…。

「色々と問題が出てくるのでは?」

安全面や衛生面で…。そう…誠に残念だが、離れてるとはいえ城内では、来客等の問題が有る。先程のライリー殿の困惑の表情は気の毒だったが…。

「そうだ、ユリウス。王都内はまずい。そう言えば、王都から少し離れた廃村が有ったじゃ無いか。そこなんて良いんじゃ無いか?」

突然現れたザラ様が、現実的提案を上げた。なるほど…いい案だ。ザラ様の提案は、住民の被害が無くそれでいて廃村とはいえ、整地されて居ていい案に思えた。サリアースを尋問した所だ。あそこは、王都に近い小さな村だったが、第3王子が雇った、破落戸が巣食っていた為、村人を王都に移住させて一気に捕縛を試みた所だった。その後、村に戻る者も居ず廃村となった。王都から3キロ程で、良く王都が見える。が、そこに長居は出来ない…魔法の結界がある為だ。5名以上の人があそこに集まれば、徐々に空気が結界の外に逃げていく。酩酊状態に似た症状が出て、次の朝までには意識を失うのだ。そこを巡回中の騎士団に捕まると言うわけだ。野盗や敵国のスパイ等それなりに成果を見せている。特に少数の人数には事が及ばない。それは…下見に来た者に安心感を与え、大勢の厄介事を解決するのだ。意識を失った者も、何故なの気が付きもしない…。ヨミの仕掛けた物らしい。内情を知る者はそこで長居をしないしね。自分達が使う時は、解除出来るし結構役に立つ。

「ザラ様!どんな物が必要ですか?是非教えて下さい!」

ユリウス様の食付きも半端ない。うむと、頷いたザラ様が、恭しく、

「では王よ、明日からまた講義を始めましょう。御心のままに。」

そう言い、腰を降りお辞儀をした。ユリウス様は慌てて、

「先生お願いします。」

と土下座を返した。声だけは大変可笑しそうに、ザラ様が笑っていたが、ユリウス様の周りの方達が気の毒そうな視線を向ける。仕方ないので、ヒョイとユリウス様を抱え上げ、会場を出て執務室に突っ込んで、

「授業前に仕事を終わらせましょう。」

と告げると、俄然やる気になってくれた。ザラ様有り難うございます。


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