01 また逢う日まで
01 また逢う日まで
好樹は梯子を上っていた。
後悔に胸を詰まらせながら。
(あの時、下の世界にとどまっていれば…。)
下を見ると、数メートルのところで梯子が途切れていた。
「何で…?」
「みーくんに聞かれてもわからないよ。」
好樹は自分の家の廊下に立っていた。土足で。
それもそのはず、なぜか梯子の一番上の部分は好樹の家の真下につながっていたのだから。梯子を上り切り、頭上についていた取っ手を押し上げると、今までなかったハッチの様なものが出来ていたと言うわけだった。
「何で…?」
「いや、だからみーくんに聞かれてもわからないよ。」
好樹の『何で…?』はずっと続いた。
現在、みーくんの自称・魔法で好樹の体は強制的に動いている。
取りあえず家の状態を確認しましょう、とみーくんは言っていた。
プログラム・水和好樹の清掃ロボットのおかげで、部屋・外共にきれいなうえ、空き巣に入られたり、空き巣だと思われたりしてはいなさそうだ。
プログラム・水和好樹の警備ロボの報告によると、この家を不審な目で見ていると判断された人物…若干名、この家に盗みで入ろうとした人物…零、とのことだった。
こんな感じで、ロボットはすべて正常だった。
仕事の方はというと、進行していた作業はすべて終わっていて、当分仕事の予定もないという図ったようなタイミングで下の世界に行ったので全く支障は出ていない。
大量の手紙に目を通していた好樹は、自然と顔がほころび、涙が出てきた。
「良かったね、ミント。」
泣く好樹の手には、家族からのはがきが握られていたりした。
泣く好樹と慰めるみーくんという構図が長々と続いた。
好樹が下の世界から戻ってきた日から、数日が経過した。
好樹は毎日のように梯子を下り、梯子が下まで続いていないか確認している。その際、一番下の部分にテープを張り付けているのだが、今までのところ動いてはいない。そして、今日もまた、確認しに行くのだった。
好樹はいつものように、リュックを背負ってマスキングテープを持ち、梯子を下りていた。
「さて、みーくん。今日は下まで続いているのかな?」
「さあ。どうだろうね。」
好樹は下りていく。そろそろ途切れているところだ。
……今日は途切れてはいなかった。
「よっしゃー!」
「あんまりはしゃぎすぎないようにしてね。」
急いで下りる好樹。マスキングテープを通り過ぎた。
その時。
好樹は足を滑らせた。
バレッタは城の屋上で動けなくなっていた。食料は十分にあるのだが、このままだと見つかりかねない危険に緊張感を持ちながら寝ていた。
ぐしゃ、と音がした。
(なに?)
眠い目をこすりながら音のした方へ向かうと、好樹がいた。
ただ、その心臓は、止まっていた。
続く…?




