04 広ーい!
04 広ーい!
「広ーい!」
はしゃぐバレッタ。
(バレッタが元気なうちは、この世界は平和だ。)
「みーくん、ミントのその基準は間違ってると思う。」
「うるさい。少しは黙っていてくれ。」
みーくんはメガネなので、壊されたら困る。だから自分がいると言う事をアピールする。そのために、必死に会話の糸口を探っているのだろうがなかなかつながっていない。
「おーい、おーい。」
「なに?バレッタ。」
「広いわ。私、こんなに広い場所初めて見た。」
「そうか、良かったね。」
バレッタは考え事をするときの顔になる。
「ねえ、上の世界は地平線と水平線ってものがあるって聞いたけれど、どんなものなの?」
「うん?それは、天と地面または海との境目が垂直に見えるときのことを言うんだよ。」
「へえ…そうなの。好樹って…何でも知っているね。」
「例のセリフを期待しても無駄だよ。」
「何の事?」
みーくんがチャンスとばかりに口をはさむ。
「こっちの世界の人にそんなこと言ってもわかるわけないしょ。」
「そういえばそうだなぁ。」
バレッタが言う。
「ねえ、お昼にしない?」
「そうだね。もう結構長いこと走り回ってるしね。」
(バレッタが。)
と好樹は心の中で付け加えた。
お昼ご飯。
バレッタはまた虫の様なもの。
好樹はカルボナーラもどき。
(どれもこれも美味しくない。)
「みーくん、好樹がその言葉をここで声に出さなくて良かった…と思ったよ。」
(はいはい。忠告ありがとう。)
バレッタは美味しそうに食べている。
バレッタの喉がこくんと動き、虫の様なものをのみこんだ。
その後、お土産を買って、また走って、晩ご飯を食べて、宿に向かって、寝て、朝になって、今に至る。
「…お世話になりました。」
「いいや。お前さんらがお土産を買ってくれたおかげで、こっちはそれで十分さ。」
そんな会話を好樹とおばさんはした。
そして、好樹とバレッタは村に向かって長いトンネルを歩き始めた。
二人仲良く、隣同士にならんで。
…この時は、まさかあんなことになるとは全く考えが及ばなかった。




