表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「笑顔が嘘くさい」と言ってきた転校生が恋人の親友になった  作者: 小槻みしろ/白崎ぼたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/22

二十話 ひとつの影



 薄暗がりの部屋に、和希の切羽詰まった声が響いていた。

 恥ずかしがって、必死に顔を隠すのを、幸人が阻む。


「全部見せて」


 和希が泣きながら、自分にすべてを余さずさらして、ゆるすのに、幸人は安堵を覚える。


「和希の全部、俺が愛してやるから」


 和希の目にも、涙以外の色が浮かんでくる。それは、きっと自分と同じ色をしている。

 しだいに、互いの影と息遣い、体温だけが頼りになる。汗ばんだ手で、和希の体を確かめると、和希の手も、幸人をなぞった。


「好き、幸人」


 ささやいた愛ごと、和希の息をのむ。和希もまた、幸人の息を吸った。高みに追いやられて、ずっと二人、ずっと、「ひとつ」のまねごとをする。

 抱きしめてなお遠くなるのを恐れるように、二人は必死に、互いを自分に取り込もうとしていた。


「好き」


 やがて、夜が朝になる。離れるときを恐れるように、二人は眠りに落ちる。

 影が、ひとつになれないふたりを、じっと結び付けた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ