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第七話 強く出れない男リトライ

こんばんは。私は管理者です。


今日は、初回の実験で思ったように結果のでなかったケースについて、

並行世界を変更することで、どのように変化するかをリトライしてみようと思います。


対象者はSさん三十八歳。

前回の実験では、「強く出れない自分」に不満がありました。

そして、「謝罪が威圧になる世界」に転移してみましたが、序盤こそいい反応を示していましたが、どうやら不満の解消までには至らなかったようです。


そこで、今回は私もしっかり考えました。

送る世界は……「土下座がエンタメになる世界」!!


では、観察をはじめましょう。


───


俺の名前はS、三十八歳。"管理者"とやらに送り込まれた世界で、上手く行きそうだったのに、根本的なところでなんかズレている気がする。

結局、今日もあちこちで床を眺めながら謝罪している毎日は、元の世界と何ら変わってない。


結局今日もコンビニでビールとおつまみを買い、公園のベンチで飲み始める。


「おひさしぶりです。管理者です」


「お前!また俺のサキイカを!」


「そんなことはいいんです。あなたが輝ける世界をリトライいたします!」


「おい俺の言うk…」


言いたいことも言えず、視界が白に染まった


───


今回も特に目立って変わったことはない。

いつものように出社して……そういつものようにトラブル発生だ。

しかもかなり大きめの…


上司が声を荒げる

「Sくん!これはどういうことだ!!」


俺はもう、こうするしかない。

一瞬のうちに土下座の姿勢になり。


「本 当 に 申 し 訳 ご ざ い ま せ ん !」


と心から丁寧な口調で詫びを入れる。


その瞬間……


「おお……おおおおおおお!!」


という歓声が、フロアのあちこちから上がる。


さきほどまであんなに怒っていた上司も目をうるませながら握手を求めてくる

「Sくん、ありがとう!感動したよ!」


俺はようやく管理者に感謝した。

「俺のできることで、問題が解決する世界に送ってくれたのか!」


その後も、俺の土下座は、部署間の問題解決にはじまり、クレーム処理、取引先への謝罪と次々と大きなできごとを収めていく。


「俺の土下座は万能すぎる。もしかして俺自身の魅力もあってのことかな?」


とニヤけていた俺のところに社長が血相を変えてやってきた


「おい、とんでもないリコール案件が発覚してしまった。お前も謝罪会見に来い」


俺はここぞというところで土下座する。


「なんだこの素晴らしい土下座は!」


「こんな感動、いつぶりだろう!」


集まっていたメディアも、リコール事件そっちのけで俺の土下座を報道する。


しかし、度を超えた最高のエンタメであるがゆえに


── 誰も問題について話さない


── 誰も問題を解決しない


── そして時間だけが過ぎる


気がつけば、その問題は完全に手遅れになっている。

しかし、それでもSの土下座は絶賛される。


Sは今日も満足げに膝をつく。


───


管理者は、自分の仮定が正しかったと言わんばかりに膝を打つ


「っぱりな!そうだと思ったよ!」


管理者はメモに書き留めた


「土下座がエンタメになる世界 大成功」

お読みいただきありがとうございました!

今のところ大きな反響はありませんが、少しでも面白いと思っていただけましたら、下部の「リアクション」や「評価☆☆☆☆☆」、「ブックマーク登録」をしていただけると、執筆の大きな励みになります!


ネタがあれば、毎日22時に更新する予定です。次回もよろしくお願いします!

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