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32 異なる分岐点に直面する 夜璃編

…………


あのくせ毛の男の家から出た後……


林月は自動販売機の前に行き、飲み物を一本買った。

そして近くのベンチに座り、何かを考えていた……


一体どういうことなんだ。あのくせ毛の男はどう見てもいい奴じゃないし、それにフィナの奴は俺のためにあの男とあんな協力関係まで結んだのか……


なんでフィナはそこまで俺のために必死になるんだ。俺があの少女の正体を知りたいって言っただけで……?


でも、なんとなく分かる気がする。昔の爺ちゃんやヴァルが、なぜあの子をずっとコントロールして手元に置こうとしていたのか。

彼女は無意識のうちに相手の心理や感情を見抜いて、それに対して対策を取ってしまうからだ……


いや、そんなわけないか。俺のただの妄想だ……


……


林月は前を見て、深くため息をついた……


あの女がなぜあのくせ毛の男にあんなことをしたのかは分からないが、分かるのは一つだけだ。

あの女は本当に危険だ……


……


それでも、もうここまで来た以上、この件は終わらせなければならない。

彼女が俺を恨んでいるかどうかは分からないが、俺を探している以上、話す余地はあるはずだ……


とにかく、最初の計画通りにやるだけでいい。

フィナから渡された数十万をそのまま渡せばいい。それで終わりだ。もうそれ以上は俺の問題じゃない……


そもそもあの女が俺を探していたのは、母親が死んで金がなかったからだ……


金を渡せば、それで全部終わる……


林月は考え終わると、手に持っていた飲み物のボトルをゴミ箱へ強く投げ捨て、前へ歩き出した……


……


その時、突然太陽が差し込み、涼しかった街は一気に暑くなり、言葉にできないほどの蒸し暑さに包まれた……


林月は街を歩き、橋の上へと出て、下の川を見下ろした……


ここはいい環境だな……まるで別の場所に来たみたいだ……


林月は少し苦笑しながら見ていたが、すぐに表情を戻した……


今回はもう逃げない。こんなことから逃げていたら、俺は一生成長できない……


……


銀杏並木の通りに出た……


そしてカフェの前へとたどり着く。

銀杏の木の下で、その建物は少し場違いなほど綺麗に見えた……


表札は地図と一致している。ここで間違いない……


林月は深呼吸をして、ドアをノックした……


しばらくして、銀杏の葉が風に揺れる中、ドアが開いた……


出てきたのは黒髪の少女だった。

白い寝巻きのワンピースを着ていて、髪は乱れ、まるで今起きたばかりのようだった……


彼女は目をこすりながら言った:


「う……誰?こんな朝早くに……」


「俺だ。お前が夜璃だろ!?」


「(・~・) あ……あなたは……?」


「俺は林月だよ。お前、俺を探してたんだろ!?

さっさと言えよ、何なんだよ!?」


林月は焦ったように言った。


夜璃は目の前の男を見て、少しずつ表情を変えた……


乱れた髪を整え、口元を拭き、深く息を吸った……


「あなたが……林月なのね。あなたの父親のこと、知ってる?」


「うん、大体はな。あれのことだろ。

それで、俺を呼んだ理由は何だ?その件だろ?」


夜璃は複雑な表情で林月を見た……


「うん……あなたの父親が昔やったこと、それと私たちに多額の借金があったから、あなたを見つけたの。それだけよ」


「そうか。じゃあそれでいい」


林月はそう言って、手に持っていた金を夜璃に渡した……


夜璃はそれを見たが、心の中にはまだ嫌悪感が残っていた……


「はい、これで終わりだ。じゃあな」


「ちょっと待って、それだけ!?

そんな雑に終わらせるつもり!?このバカ!!

私の母親はお前の父親のせいで、あの時一人で死んだのよ……」


夜璃の目がゆっくりと黒く染まっていく……


「知ってるよ。でもそれが何になる?

俺には関係ないだろ。それはただの道徳の押し付けだ」


林月は言った。


夜璃は目の前の男を見て、さらに闇を深めていった……


終わった……この女、怒ったかもしれない。

あのくせ毛の男の言ってた通り、報復されるかもしれない……


「……すまない。俺もどうすればいいか分からない。

親の罪を子が背負うなんて無理だろ……」


林月は言った。


夜璃は林月を見てため息をつき、ナイフを取り出した……


「じゃあ、自分のやり方で償いなさい……」


そう言うと夜璃はナイフを林月に突き刺した……


林月は歯を食いしばり、驚いたように夜璃を見て、そのまま意識を失った……


………………


まったく……これで終わり?ただ金を渡しただけで……


私は本当は金が欲しかったわけじゃない。ただ結論が欲しかっただけ。

自分が納得できる説明が欲しかっただけなのに……


でも、その結論がこれだけなら、私は全然納得できない……


夜璃はそう言うと床に座り込み、隅でしゃがみ込みながら手元の金を見つめた。

しかし嬉しさも感情の揺れも何もなかった……


その時、横から中年の男が現れた。


「おい夜璃、金は取れたな?よこせ!」


夜璃はその男を見てため息をついた。


「はい、叔父さん」


男は金を奪い取り、笑いながら数え始めた……


「なあ、なんでこんなにやってるのに家はまだこんなにボロいんだよ?」


夜璃が聞くと、男は適当にあしらった。


「いいか、あの男にはまだ金があるはずだ。もっと取ってこい。

あいつの父親が全部悪いんだから、あいつも同じだ」


そう言って男はパチンコ屋へ向かった……


夜璃はまたその場にしゃがみ込んだ。


その時、腹に強い痛みが走り、地面に倒れてうめいた……


これは一体なんなの……


夜璃は前を見て、必死に立ち上がった……


毎朝腹が痛くて、体力もどんどん落ちていく……なんでだこのクソ……


……


夜璃は部屋に戻った。


するとスマホに通知が来ていた。少女からの感謝のメッセージだった……


夜璃はそれを見て、静かに笑った……


そしてベッドに横になった……


ふと何かを思い出し、スマホを手に取り何かを探し始めた……


画面には林月のSNSアカウントが表示されていた……


「見つけた……さっきのあの小僧のアカウントか。あいつは林月で間違いないな……」


夜璃はそれを見ながら小さく呟いた……



………………


そのとき空は夜になっていた……


「ね、ねえ、林月どうしたの!? 大丈夫!?なんで寝てるの!?」


菲娜が林月を揺さぶりながら言った。


林月は目を開け、周囲を不思議そうに見回した……


自分が公園のベンチに横たわっている。これは一体どういうことだ……


林月は緊張して息を荒くし、自分の体を見つめながら、荒い呼吸を繰り返していた!


そして菲娜は林月のそばに立っていた……


「あなた……大丈夫…… でも任務は終わったんでしょ?じゃないとここにいるはずないよね!?」


菲娜が不思議そうに尋ねた。


「ち……違うんだ。夜璃って女にナイフで刺されて、そのあと気を失って……その後はあまり覚えてない……


あの夜璃ってやつ、絶対何か問題がある。たぶんまた出てくる。危険な存在だと思う!」


林月は少し息を切らしながら慎重に言った。


……


菲娜は林月を見つめ、静かに彼の隣に座った……


「ねえ……何してるの、菲娜…… なんで隣に座るんだよ、こういうの変だろ……」


林月は慌てて言った。


菲娜は林月に近づき、真剣な表情で言った。


「うん。これから危険なことが起きるって思ってるなら、私も一緒に手伝う。いいでしょ、林月!」


林月は菲娜を見て、ため息をついた。


「まあ……いいよ、とりあえずそれで」


……


朝になり、また学校へ行く日が来た……


アニメの中の学校生活はいつも期待や変化に満ちているのに、現実はそうじゃない……


部活で友達を作ったり一緒に話したりするなんて、現実ではほとんど不可能だ。


教室の中では、人に避けられたり、あるいは人間関係の裏側を見せつけられるだけだ……


若い世代は、もう昔のように単純ではない。


不良少年のような存在も、もはや単純なものではなくなっている。 むしろそれらの言葉は、ただ現実を美化しただけのものだ。


正直に言えば、そういう人間たちは社会の中のゴミのような存在だ……


そして教室では、皆が流行に合わせなければならず、そうでなければ何かを知っていなければならない。 一つでも遅れれば、すぐに孤立した存在になるだけだ……


林月は学校の正門に立ち、行き交う学生たちを見ながら考えていた……


「ねえ、ずっとここで人を見てるのやめてくれない?変な人だと思われるよ!」


菲娜が言った。


「うるさいな……夜璃ってやつを探してるんだよ。前に言っただろ。 あいつは学生会のメンバーで、学校の人間から嫌われてる。だから何か理由があるはずだ」


林月は真剣に言った。


「うーん……でも学生会が嫌われるのって普通じゃない? 学校と一緒に動いてるから、そりゃ嫌われるよ。まあアニメだと逆だったりするけどね、はは……」


菲娜は笑った。


林月は菲娜を不思議そうに見た。


「お前、今日は授業じゃないのか!? 早く行けよ、ついてくるな!」


林月はそう言って菲娜の肩を軽く押した。


「ダメ。あなた一人だと危ない。 また何かあったら心配になるじゃん、バカ」


菲娜は真剣な目で林月を見た。


林月は少し驚き、そして小さく笑った。


「本気で言ってるのか、菲娜、その言葉」


菲娜は一瞬きょとんとして、それから笑った。


「当たり前でしょ。なんで嘘つく必要あるのよ」


……


そして夜璃も裏門から学校に入っていた……


夜璃は重い気持ちを抱えながら校内へ向かった。


夜璃は学生会の一員ではあるが、今の学校の風潮や管理方式のせいで、学生会はますます生徒から嫌われる存在になっていた。


どんな有名な学校でも、必ず問題行動を起こす生徒はいる。


そのせいで学生会の立場はどんどん低くなっていった。 夜璃がかつて憧れていた学生会の姿は、まるで泡のように消えてしまった……


周囲からの冷たい視線と嫌悪に、夜璃は失望した表情で前を見つめていた。


胸の中の苛立ちと感情は、もう自分でも抑えきれなくなりつつあった……


ダメだ……ここで爆発しちゃダメだ。 もしここで過激な行動を起こせば終わりだ。学生会の立場も失うかもしれない……


夜璃はそのまま足早に学生会室へ向かった……


「おいおい、来たのかよ、遅いだろ。早くこの仕事と書類片付けろ!」


横のオレンジ髪の少女が、学生からの苦情や改善要望の紙の束を掴みながら言った。


夜璃はそのオレンジ髪の先輩を見つめ、少し憤りながら見ていた……


「?どうしたの、早くしなよ。私これから彼氏とチャットするんだけど、ちょっとは協調性持ちなよ!」


オレンジ髪の先輩は威圧的な口調で言った。


「嫌だよ。私の仕事はさっき終わったばかりだよ。毎回自分の仕事押し付けないでよ……」


「何?文句あるの?うるさいな。本当に生徒会にお前いらないんだけど……


素直に言うこと聞くから置いてやってるだけでしょ、はは……」


オレンジ髪の先輩は嘲笑した。


この先輩は、いつも外では優しくて温厚なふりをしているのに、実際は陰険な奴なだけだ……


「最も優しい生徒会」とか「全校生徒にとって最も温かいお母さんみたいなタイプ」とか、結局ただの作り込んだクソ女なだけじゃん……


「ねえねえ、最近成績落ちてない?」


横のショートヘアでお団子の少女が言った。


夜璃もそちらを黙って見た……


「ねえ、あんたのことだよ夜璃。 成績低すぎじゃない?90点にも届いてないとか、生徒会の恥なんだけど……


そんな点数でよく生徒会名乗れるよね。何もできないくせに、本当にさ……」


お団子頭の少女は嫌味を続けた。


「はは、夜璃さんさあ。そんなに成績悪いなら、早くここ辞めた方がいいんじゃない?


うちの生徒会に、そんな成績も上がらないバカはいらないんだけど」


偉そうな副会長の男が言った。


「はは、副会長も冗談きついなあ。 でもテストなんて、ちょっと見ればいいだけでしょ?別に勉強なんていらなくない?」


眼鏡の男が言った。彼は生徒会長だった。


「夜璃、茶を出せ。早くしろ」


生徒会長は手に持ったカップを指差して言った。


夜璃は無表情で歩いていった。 カップを受け取ろうとした瞬間、生徒会長はそれを勢いよく床に叩きつけた。カップは粉々に砕けた。


そして生徒会長は偉そうに、怒ったように言った。


「おい、女。何だよ、お前舐めてんのか!!」


さらに書類を掴み、夜璃に叩きつけた。


「それと、学校のくだらない主任の書類さっさと片付けろよ、クソが!」


夜璃は無言でそれを見つめ、唇を噛みながらしゃがみ込み、床の書類とカップの破片を拾っていった……


生徒会長たちは生徒会のジャケットを羽織り、他の生徒の巡回へと向かっていった。


夜璃は遠ざかる彼らを死んだ目で見つめることしかできなかった……


ここは理想の世界じゃない。何もない。 学校なんて小さな社会にすぎない。


勉強ができない人間には道がないのか? 人付き合いができない人間は幸せになれないのか……?


努力すれば変われるとか、そんなの嘘だろ……


アニメや映画みたいなものは全部幻想で理想だ。 これが私の憧れていた生徒会でも、憧れていた生活でもない……


……


「ね……ねえ…… 大丈夫……?」


突然、夜璃のそばに半透明の銀髪で、髪飾りの付いたポニーテールの少女が立っていた……


その少女は途切れ途切れの声で話している。


「ん?何言ってるの?なんでそんなに話が途切れるの? それに、あなた誰……?」


夜璃は不思議そうに答えた。


銀髪の少女は少し怒ったように、焦った声で大きく言った。


「わ、私も生徒会の人だよ!今週……今週入ったばっかりで! それに先月……転校してきたばっかり!!」


夜璃は自分の服についた水や埃を払ってから、銀髪の少女のそばへ歩いた……


「うん……ごめん、さっきは変な言い方しちゃったね。大丈夫? でも、なんで生徒会に来たの?ここってアニメみたいな場所じゃないよ……笑」


夜璃は笑いながら言った。


「ううん……違うよ…… ただ単純に興味があって、それと今年の目……目標があって……


新しい学校に来たから、私もちゃんと頑張ってみたいの!!」


「!そうなんだ。 それでさ、なんでそんなに話し方が変なの?ちょっとどもってる感じするけど!?」


「。(๑•﹏•)そうかな!? えっと……私は外国人で、5歳の時に家族と一緒に日本に来たんだよ。 名前は雅西。よろしくね!」


雅西は夜璃に微笑んだ。


夜璃は目の前の雅西を見て、静かに笑った。


「じゃあ、この学校の生徒会ってどう思う?思ってたのと全然違うでしょ……


私もそう。 っていうか、アニメとか漫画の影響を受けてたんだよね。 やっぱり現実って漫画や小説とは全然違うよね……」


「ねえ雅西、漫画とか小説とか好き?好きな作品とかあるの?」


夜璃が聞いた。


雅西は瞬きをして、不思議そうに夜璃を見て、それから笑って言った。


「うーん?漫画はあんまりかな。普段は文学系の作品を読んでるよ。 でも異世界系はちょっと好き。元の無味乾燥な世界から別の世界に行く感じが面白いからね。


でも、負の要素とか血なまぐさい作品は好きじゃないし、社会をずっと皮肉るような作品も苦手かな……


理由もなく急に血のシーンが出たり、主人公が何もしてないのにずっと強制されるような作品とか!」


雅西は真剣に言った。


夜璃は少し意外そうに雅西を見た。 こんなに真面目な読書家だったんだ……意外と気が合いそうだね……


夜璃は雅西の肩を軽く叩いて、少し嬉しそうに優しい声で言った。


「ふふ、そうなんだ。 じゃあ、これから学校で何か困ったことがあったら私に言ってね。全部手伝うよ!


できれば、いつでも頼っていいからね!」


雅西は笑って、それに頷いた。


「でも、なんでこの学校の生徒会ってこんな感じなんだろうね。学校ってちゃんと管理してないのかな……?」


雅西は途切れ途切れに言った。


夜璃は前を見て、少し落ち込んだように言った。


「うん、たぶんね。 今の学校ってあまり生徒をちゃんと見てないんだよ。先生の前でいい子を演じてればそれでいいみたいな感じ。


いじめがあっても、先生はあまり本気で動かないし……


少子化の社会とか、学校の無関心とか、生徒の質とか、そういうのが今一番厄介な問題だよね……」


「現実社会をアニメみたいに考えてた私からすると、まるで笑い話だよ……


日本って表向きは自由だけど、その問題はずっと改善されてないよね……」


夜璃は苦笑した。


雅西は鬱な顔の夜璃を見て、そっと肩を叩いた。


「もう、そんな風に考えないでよ。 この世界って元々、全部が良いわけじゃないんだから、気楽に見た方がいいよ……


私もそうだよ。家族の勝手な都合や決裂で、自分の国から日本に来て学校に通うことになって……


最初は何もできなくて、全部少しずつ覚えていって。 どんどん大変になって、何度も辞めたいと思ったけど、それでもここまで来たんだよ!!」


夜璃は目の前の雅西を見て、静かに拳を握った……


そうだ、他の人もこうやって乗り越えてきたんだ。 こんなことで折れてる場合じゃない、私は弱すぎる……


これから何が起きても、ちゃんと向き合わなきゃ……


……


その時、夜璃のスマホが突然鳴った。以前のあの後輩からのメッセージだった……


夜璃はスマホの内容を見て、静かに眉をひそめた……。


………………


夕日の差し込む中、生徒たちは次々と学校から帰り始めていた……


「ねえねえ、林月、起きてよ!もう放課後だよ?なんでまだ寝てるの、バカじゃないの!」


菲娜は林月を揺さぶりながら言った。


林月は菲娜の部屋で横になっていて、前を見た……


「うん……なんで寝ちゃってたんだろ。でも菲娜の部屋、すごく居心地いいし、いい匂いするし……


ここに住みたいなあ、はは……」


林月は起き上がりながら言った。


菲娜は少し呆れたように林月を見て、横の布団を整えた……


「もう……あなたの家って弟に半分壊されてるんでしょ?部屋もそんな状態なら、ここに住んでもいいよ?別に嫌ってないし。それに来たら一緒に話せるしね!!」


菲娜は嬉しそうに言った。


「え、ちょっと待って、本気なの?ただの冗談だったんだけど……ってか菲娜は女の子でしょ、それ普通に変だよ……ごめん、変なこと言った……」


林月は慌てて言った。


菲娜は髪を下ろして、林月のそばに寄り、真剣な表情で言った。


「そういうこと言わないで。私は変な生き物じゃないよ、林月はちゃんと分かってない。


最初から人ってそういうものだよ。他人の評価とか全部……


見た目じゃなくて、行動とかこれからどう生きるかで決まるの。分かる!?


だから異性とか関係ない。同じ人間でしょ?身体とか見た目が違うだけで、そんなので自分を責めないで!!」


「私はあなたをすごく尊敬してるよ!」


菲娜は笑って言った。


林月はそれを見て、静かに笑った……


そして林月の手には、菲娜からもらった髪飾りがまだ付いていた。


――俺は必ずこの件を解決する……


………………


夜、あの後輩の少女は公園で夜璃を待っていた。すると横から誰かが現れた……


「おいおい、お前だろ?あの女にチクったのは。バカなやつだな、やっと見つけたぞ!」


くせ毛の男が杖をつきながら歩いてきた……


少女は怯えて後ろに下がる。


「……ち、違います……あなたがずっとストーキングしてきて、学校でもずっと嫌がらせしてきたから……」


「うるさい!俺があの女にどれだけやられたと思ってるんだ、こっち来い!」


くせ毛の男は少女の腕を掴み、無理やり引き起こした……


くせ毛の男は少女の顔を見て、嘲笑しながら言った。


「ふん、お前も大したことない顔だな。ただの童顔じゃねえか。こういう女に何の価値があるんだよ。男に触られただけでギャーギャー騒ぎやがって、女なんてそんなもんだろ、うるせえな」


少女は必死に抵抗するが、力が強すぎて振りほどけない。さらに投げ飛ばされ、地面に倒れた……


足は地面で擦れて血がにじみ、少女は痛みに泣いていた……


……


くせ毛の男は少女を見て、さらに嫌悪の表情を浮かべた……


その時、横で夜璃を探していた林月は音を聞き、気になって近づいた!


「!? おいおい、くせ毛の男、ここで何してるんだ!?」


林月が横に現れた……


「おい、お前なんでここにいる!?」


くせ毛の男が振り返る。


「いや、夜璃って女を探してて、たまたま通っただけだよ……」


林月は適当に笑ってごまかした。


するとくせ毛の男は怒りながら近づいてきた。


「おい、お前!あの菲娜って女を一日俺に寄越すって言っただろ!なのにあいつ普通に断りやがったじゃねえか、ふざけんな!」


「は?菲娜?知らないけど?俺関係ないし。


たぶんお前がタイプじゃなかっただけじゃない?笑」


林月は前を指さして言った。


くせ毛の男は怒って杖を振り上げて襲いかかってきた。


林月はそれを避ける。


そして林月は倒れて泣いている少女に気づき、走り寄った。


「おい、大丈夫か?どうした……」


少女は林月を見て慌てて突き飛ばす。


林月がよろけた瞬間、背後からくせ毛の男が杖を振り上げているのに気づいた――


林月はすぐに避けた。


そして林月は冷静に言った。


「ふん、分かったぞお前。夜璃に追われてる理由もな。


最初から助けてるフリしてただけで、ただのストーカーじゃないか。


あの女もたぶんこの子を助けるためにやったんだろ?


お前の家に女物の私物が大量にあったのも、その話も、全部そういうことだろ……


ただの変態じゃねえか」


林月は前を指さして笑った。


くせ毛の男は林月の言葉を聞き、嫌悪感に満ちた表情を浮かべると、その言葉に激しく怒り、手に持っていた杖を何度も林月の横へと振り回した……


学妹は目の前の林月を見て、どこか奇妙な表情を浮かべていた……

「こいつ、なんであいつをわざわざ怒らせてんの……バカなの?」


林月はくせ毛の男の攻撃をかわし続けながら、隙をうかがい、前へと大きく踏み込み、拳を一気に振り抜いた。

その拳はくせ毛の男の杖に直撃し、くせ毛の男はバランスを崩してその場に倒れ込んだ。


林月はすぐに振り返り、学妹のもとへ走ると、両手を差し出して言った。


「ほら、早く行こう。ここでずっとしゃがんでる場合じゃないだろ!」と林月は焦ったように言った。


学妹は涙を浮かべ、怯えたような、苦しそうな声で言った。


「足から血が出てて……本当に歩けないの……」


林月はどうすればいいのか一瞬迷ったが、それでも彼女の手を掴み、支えながら歩かせた……


その時、二人がそのまま立ち去ろうとした瞬間、横から全身に刺青を入れた青年が現れた。彼は眼鏡をかけている。

彼は眼鏡を外し、どこか邪悪な声で言った。


「おいおい、お前が言ってた“こいつのせいでやられた学妹”ってのはこいつか?手伝いに来てやったぞ。 お前、誰だ?その女の彼氏か?」


「違うし!私そんなのいないし!この人知らないし!!」 学妹は慌てて叫んだ。


林月は呆れたように彼を見ていた。

その時、刺青男は鉄の棒を取り出し、前を指さした。


「いいか、聞いたぞ。俺の兄貴をボコボコにしたのはお前らだろ? 今から復讐してやる。そこ動くなよ、クソが!」


林月は緊張した表情で刺青男を見た。

男はそのまま鉄棒を振りかざし、こちらへ突っ込んでくる。


林月は一瞬考えた。――こいつはあの女と因縁があるだけだ。なら俺は関係ない。逃げればいい……


そう思いかけた、その瞬間だった。


刺青男の背後に、誰かが現れた。

その人物は鉄槌を振り上げ、男の頭を強く叩きつけた。鈍い音とともに血が飛び散る。


林月は驚いて目を見開いた。


「夜璃か……?」


さらに夜璃は容赦なく鉄槌を振るい、男の口元を叩き潰した。歯が砕け、血があふれ出す。


夜璃はゆっくりと歩み寄ると、鉄槌を持ったまま、穏やかな声で言った。


「学妹、大丈夫?こっちに来て」


林月は夜璃を見つめ、真剣な声で言った。


「夜璃、ひとつ聞きたい。 あの時、どうして俺に刃物を向けた?その後のことも全部、どういうつもりなんだ?」


夜璃は林月を見て、わずかに目つきを変え、低い声で言った。


「違うよ。ただ、お前が私の家の前で死にそうだったから、運んだだけ」


林月は地面の鉄棒を拾い、少しずつ後ずさりしながら言った。


「俺たちの間に何があった?金も払ったはずだろ。これで終わりじゃないのか? それに、フィーナが調べた。お前の母親の死は叔父と関係があるって話だ。 つまりあの件は俺たちとは……」


「黙れ!!!」 夜璃は怒鳴った。


「もう母さんの話をするな!!全部お前の父親のせいだ!! あいつのせいで母さんは……!! もしそれが“私の存在”のせいなら、私は生まれてなんか来なかった!! お前は何も分かってない!!」


夜璃は歯を食いしばりながら叫んだ。


「私の人生はいつからかずっと最悪だ。 何をしても自分じゃないみたいなんだよ!!」


林月は夜璃を見て、これまで聞いていた“ただの危ない女”という印象とは違うものを感じていた。


――ただの狂った人間じゃない。ちゃんと感情がある……


林月は拳を握った。


「分かってるよ、お前が全部憎いのは。でも現実は変えられない。 起きたことは起きたことだ。それでも前に進むしかないんだ……」


「前に進むって何だよ!! 全部消えて、一人で抱えて生きろってことか!?私はどうすればいいんだよ!!」


夜璃は叫びながらも、言葉の途中で止まった……


林月は冷たく言った。


「だから、自分で考えろ。夜璃。 俺はお前の答えを持ってない。 たとえ俺を殺しても、何も変わらない」


夜璃は激昂し、再び林月へと鉄槌を振り上げた。


林月も鉄棒で受け止める。 衝撃で腕が痺れる。


力は圧倒的だった。林月は押し倒され、地面に組み伏せられる。


夜璃は怒りながら何度も肘で押さえつける。 林月は息が詰まり、鉄棒も軋み始めた。


しかし、その瞳の奥に、夜璃の涙のようなものが見えた。


その時だった。


「夜璃!やめて!!もうやめてよ!!」 学妹が叫んだ。


夜璃の動きがわずかに緩んだ。


その瞬間、林月は地面の砂を掴み、夜璃の目へと投げつけた。


「っ……!!」


夜璃が怯んだ隙に、林月は彼女を押し返す。


さらに夜璃が鉄槌を振ろうとした瞬間、林月は鉄棒を振り抜き、その手から武器を弾き飛ばした。


夜璃は驚いたように林月を見たが、すぐには動かなかった。


……


「ぶしゅっ……」


その時、横から重い打撃音が響いた。 横にいたくせ毛の男が、嘲笑するような笑い声を上げる。


学妹の頭は、くせ毛の男によって手に持っていた杖で強く叩きつけられ、そのまま地面に倒れ込んだ。


血が学妹の頭部から絶え間なく噴き出し、彼女の瞳には絶望の涙が溢れていた……。


傷口と血が流れ出すその瞬間、息が詰まるような吐き気を伴う感覚が広がる。


夜璃は目の前のくせ毛の男と、倒れている学妹を見て、強い自責の念に押し潰されそうになっていた。


夜璃は横に落ちていた鉄錘を拾い上げ、強く握りしめると、まるで狂ったように駆け出した。


しかし次の瞬間、くせ毛の男の杖が夜璃の顎を強く殴り上げた。


夜璃はそのまま地面に倒れ込み、血を噴き出した。


くせ毛の男はその光景を見て不気味な笑みを浮かべ、その隙にその場から逃げ去っていった。


……


その時、夜璃は地面に倒れたまま、何もすることができなかった。


自分自身を憎み、そしてこの世界のすべてを憎んでいた。


彼は学妹の血に濡れた姿を見つめながら、歯を強く食いしばる。


言いたいことは山ほどあるのに、それは一つも言葉にならなかった……。



怒ってる 翻訳で人名や以前の翻訳と違うところがあって、何度も修正し直してるんだよね


日本語があまり分からなくて、どの部分だったかも忘れちゃって、結局何回もやり直してるんだよ 笑

(。ノω\。)

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