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新世界復活戦!世界に変化をもたらそう!  作者: 小泉 夢はそれになることだよ!!!
第3章 ギルド/日記編

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28 日間、命のような定め 自信編

くそ……風邪ひいた…… 後半は、風邪ひきながら頑張って考えて書き切ったやつ…… 最初は短いかなって思ったのに、後からどんどん長くなっていって、うわぁ……って感じ……

異世界の遥か彼方――ピンク色の髪をした一人の少女が、ギルドの部屋でぐっすりと眠っていた……。


その少女は、隣でうるさく鳴り続ける目覚まし時計の音を聞き、少し苛立ちながら起き上がり、そのまま目覚ましを掴んで、腹立たしげに壁へ投げつけた……。


少女は不本意そうに目を開けた……。

ベッドに横たわりながら、上の天井にある照明をぼんやりと見つめていた……。


……これで59回目の朝か……。数えてみれば、もう2ヶ月以上になる。私がここに来てからも、もう2ヶ月以上経ったんだな……。


本当はクエストとか仕事を探しに行かなきゃいけないのに、どうしてもやる気が出ない、なんだか……。


そうだ、私の名前は藤田。たぶん私はこのギルドの一員ってことになるんだと思う。もうこのギルドに来てから2ヶ月以上経つのに、いまだに一つもクエストを達成したことがない……。


サボっているわけじゃない。というより、自分がどうやってあの仕事をこなせばいいのか、本当に分からない。どうしてなのか、それすら分からない……。


毎回、自分でクエストをやろうとすると、怖さや不安で尻込みしてしまって、結局逃げ出してしまう……。


みんなは仲間と一緒に行動していて、それを見るとすごく羨ましい。私も探してみたことはあるけど、どうやっても見つからなかった。こうやって断られ続けることにも、もう慣れてしまった……。


私はゆっくりと起き上がり、唯一のまともな服に着替えて、だらだらと部屋を出た……。


「おお、起きたのか、藤田冒険者。今日は仕事するの?それとも、ただ起きてぶらぶらするだけ?」ギルドの綺麗なお姉さんの管理人が、笑いながらそう聞いてきた……。


私は少し顔を赤らめながら、緊張気味に言った。

「えっと……その……ちゃんと頑張ってるところです……」


……


まったく……。この冒険者ギルドは部屋付きで、人が増えれば増えるほど、もっと広い部屋がもらえる仕組みになっている……。


管理人は私のそばまで歩いてきて、コーヒーを一杯差し出し、優しく問いかけてきた。

「相変わらず、活動記録はゼロのままなの?それで本当に大丈夫?手伝ってあげようか?」


私は彼女を見て、少し気づいたような、それでいて淡々とした声で答えた。

「うん……大丈夫。自分でやれるから……」


ギルドのお姉さんは私を見て、優しく言った。

「もう、仕方ないわね。でもちゃんと頑張りなさいよ。困ったらいつでも頼っていいんだからね!」


……


私は黙ってコーヒーを受け取り、軽く頷いた……。


……


ギルドのみんなの成績を見ていると、どうしても嫉妬と落ち込みが湧いてくる。なんでみんなあんなに結果を出せるの?何をしてるっていうの……。


結局、友達が多いだけでしょ。みんなにはあんなに仲間がいるのに……本当に不公平だよ……。


ギルドのお姉さんは、私が独り言のように呟いているのを見て、くすっと笑い、そっと肩を叩いた……。


「今日も頑張ってね。まあ、たぶん無理だと思うけど、それでも努力しなさい?」ギルドのお姉さんは笑いながら言った……。


私は少し驚きと失望を感じながら彼女を見て、苛立ち気味に手に持っていたクエスト用紙を掲げ、大きな声で言った。

「今日は成功してみせます!信じてください!

このクエスト、もう2ヶ月も受けっぱなしで進んでないけど、それでも頑張りますから!!」


ギルドのお姉さんはその紙を見て、少し驚いたように指差して言った。

「でもそれ、1ヶ月前にもうクリアされてるクエストよ?たぶんもうやらなくていいんじゃない?笑……」


私は目の前のギルドのお姉さんの、気まずそうで礼儀正しい表情を見て、仕方なく苦笑いするしかなかった……。


……


どうせ私は一人じゃクエストなんて達成できない。始まる前から失敗してるようなものだし……もういいや……。


そう言って、私は手に持っていたクエスト用紙を破り捨て、落ち込みながらその場を離れた……。


壁一面に貼られたクエストを見つめる。でも、その中に簡単そうなものなんて一つもない。

……私、本当にこれをこなせるのかな……私……。


……


そのとき、ギルドのお姉さんが私のそばに来て、一枚のクエスト用紙を差し出してきた……。


「ねえ……あなたならできるわ。これ、受けてみなさい。この中で一番簡単なクエストよ。指定の場所でパーティを組むだけ。臨時パーティだから、きっと大丈夫。行ってきなさい、あなたならできるわ。諦めないで!!」ギルドのお姉さんは真剣な表情で言った……。


私はそのクエストを受け取り、ギルドのお姉さんの真剣で優しい表情を見つめた……。

少しだけ、気持ちが軽くなった気がした。

私はクエストを握りしめ、一歩前へ踏み出した――。


……


「おいおい、何してるんだよ?あいつ、どうせまた逃げるに決まってるだろ?そんなの無駄だって、バカじゃないのか?」近くにいた人がそう言った……。


ギルドのお姉さんは一瞬だけ驚いたが、すぐに微笑んで答えた。

「それがどうしたの?あの子だってちゃんと頑張ってるわ。あの表情は嘘じゃない、本気よ。だから、たとえまた失敗しても、それでいいじゃない……


分かるでしょ?人って、一番真剣な時が一番魅力的なのよ!」ギルドのお姉さんは真っ直ぐに言った……。


「ふん……そうかよ。あんた、あいつのこと信じてるんだな」


「ええ、そうよ。というより……私はここにいるみんなを信じてるの!」



…………



任務に書かれている内容を見ると、まずはその場で臨時パーティーを組まないといけないらしい。でも、私みたいな人間には無理だよね、絶対無理だよ…………


私は道端にある屋台の店を見て、……とりあえず朝ごはんを食べてからにしようかな、と思った……


麺を一杯頼んで、すぐに食べ終わった。でも、この後やることを考えるとまた緊張してしまって、もう一杯注文してしまった……


さらにもう一杯食べ終えても、自分には無理だと思って、また一杯頼んでしまって………………


……気がつけば、テーブルの上にはどんどん麺と器が増えていた。私は目の前のテーブルを見て、少し驚いた……


店主も奥から出てきて、笑いながら言った。 「おい、冒険者。今日も朝飯か? 食べたらまた帰るのか?」


私は驚きと緊張でいっぱいになりながら、手に持っていた依頼書を掲げて、大声で言った。 「ち、違うよ! 任務をやりに来たんだから! ただお腹が空いてただけだし、もう……!」


慌ててお金を払って、私はまた前に進んだ…………


店主はそんな私を見て、苦笑いしながらつぶやいた。 「あの子、やっと少し自信がついてきたみたいだな……この前まではギルドも仲間もいなくて、ここで食べながら泣いてたのにな……」


…………


私は依頼書に書かれた場所を見ながら、ずっと探し続けていた。でも、この辺りからほとんど出たことがない私は、道なんて全然分からなかった!


近くにあった自動販売機を見て、……少し休もうかな、と思った。何本か飲み物を買って、飲み始めた……


おしるこからコーンポタージュまで、甘いものからしょっぱいものまで、次々に飲み続けた。気づいた時には、足元には空き缶やボトルが山のように積まれていた……


……これ、何やってるんだろう……なんで私、ずっと同じところで足踏みしてるの……やっぱりパーティーを組むのが怖いから……いっそ帰ろうかな…………


……いやダメだ! 絶対に成功しないと……成功しないと……


でも、こんなに時間が経ってるし、もうあそこには誰もいないかもね……はは……


…………


私はゆっくりと集合場所へ向かった。そこには二人の男の子がいた。一人はオレンジ髪の少年、もう一人は眼鏡をかけた少年……


……二人いる……どっちに話しかければいいの……


……眼鏡の人にしよう。なんか話しやすそうだし……


そう決めて、私は緊張しながらその少年の前に立った……


「えっと……よかったら、私とパーティー組みませんか? 一緒にやりましょう……!」私は緊張しながら言った……


眼鏡の少年は私をちらっと見て、軽蔑したように言った。 「は? 女? 何しに来たの? 俺はここで彼女待ってるだけなんだけど。今日もう二人目だぞ、パーティー誘ってくるやつ。NTRとか興味ないから。てか、お前そういうの好きなタイプ?」


「あとさ、その見た目で俺と組めると思ってんの? 俺がそんなレベル低いと思うなよ?」


「その髪、ベタベタしてそうだし、服も汚いし……お前女だよな? なんでそんなに汚いんだよ……」


私はその男にずっと言われ続けて、何も言い返せなかった。……いや、なんでこんなにキレてるの……?


ほらね、やっぱり無理なんだよ……現実なんてこんなものだよ。この社会は最悪だ……こんなの信じた私がバカだった……


私はそっと隣にいるオレンジ髪の少年を見た。彼は私を見て、少し驚きながら言った。 「え、えっと……僕でいいの? 僕は林月、よろしく……」


私は彼を見て、なんとなく信用できない気がして、そのまま離れた……


林月は戸惑いながら私を引き止めた。 「ま、待ってよ! そんなに嫌がらないでよ…… ……僕、そんなに変かな……? 女の子はともかく、さっきの男にも……」


……ああ、さっきの人が言ってたの、この人のことか……。男にも避けられるとか、ちょっと可哀想かも……


「でも、君もパーティー探してるんだよね? もうここ誰もいないし……一緒にどうかな……はは……」林月はぎこちなく言った。


私は彼を見て、少し驚きながらも緊張した。でも、この人と組むって考えると怖くなってしまった。なんか変だし、頼りなさそうだし……!


林月は期待と不安が混ざった顔で、私を見ていた……


私は少し後ずさりした。……やっぱり今逃げた方がいいよね。十数えたら走ろうかな……


林月はそんな私を見ていた。そして私は「ごめん」と言って、その場から走り出した……


林月は走り去る私を見て、驚きながらもつぶやいた。 「そっか……逃げちゃうのか……また僕のせいかな…… やっぱり、普通に話しかけただけでも変態扱いされるのかな……」


林月は歯を食いしばった……


可愛いとか関係ない、能力があるとかないとか関係ない……結局全部同じなのかな……やっぱり僕は……


……


私は怖くなって逃げていた。でも、本当はやってみたかった。でも、体も心も動かなくて、全部に縛られている感じだった。誰かが理解しようとしてくれるほど、私はもっと逃げたくなる……なんでなの……


本当は友達が欲しいだけなのに、どうしてここまで来るといつも失敗するの……私は……私は……絶対に無理なんだ…………


林月は逃げていく少女を見つめ、その様子から何かを感じ取った。そして深く息を吸った……


「そうか……逃げるのか……僕のせいなのかな…… 僕、何かしたかな……なんでなんだよ…… まだ何も始まってないのに、どうして逃げるんだよ…… それとも、何か理由があるのか? だったら、僕が手伝えるかもしれない!!」林月は大声で叫んだ。



…………


逃げている途中で、私の足がふいに止まった。私は黙ってあの少年の方を見た……


緊張しながら足を止め、ゆっくりと振り返った……


私は緊張したまま、林月のところへ歩いていき、震える声で言った。 「うん……ち、違うの……あなたのせいじゃない…… 私はただ……ただ怖いだけで…… ……自分でもよく分からないの、なんでいつもこうなるのか、私……」


私は途切れ途切れに話したけど、自分が何を言っているのかさえ分からなかった……


……いつもこうだ。何をしても最後はこうなる。ずっと自分の中で消耗して、ずっと逃げて……こんなんでどうやって仕事なんてできるの……もう一人で泣いてた方がいいのかも……


「違う……私は……分からない、でも……」私は言葉をつなごうとするけど、うまく言えなかった……


昔もそうだった。だから、みんなに嫌われたんだ……


「そっか……ゆっくりでいいよ、そんなに急がなくていいから。少しずつ、一つずつ話してくれればいい…… ちゃんと聞くからさ…… 何かあったら、僕も手伝えるし!」林月は真剣に言った。


私は目の前の少年を見た。その言葉と口調に、少しずつ警戒がほどけていった……


……でも、話すべきなのかな……


……


……この子、昔の自分みたいだな。ずっと逃げ続けてる…… まあ、今の自分もそうだけど…… でも、せっかくここにいるんだし、少しぐらい助けてみようかな…… たぶん、この子はただ怖いだけなんだろう…… 別に僕のことが嫌いってわけじゃないよな……多分……本当にそんなに嫌われてないよな、僕……


……


「つまりさ、君は仕事とか任務をやりたいけど、ギルドの仲間とか友達がいないから、何もできないってこと?」林月が聞いた。


「うん……た、多分……そんな感じ……」藤田は小さな声で言った……


林月は藤田と同じ依頼書を見て、笑いながら言った。 「そっか、じゃあ一緒にやろうよ。僕も同じだし。僕も最近この勇者ギルドに入ったばかりで、さっき初めて任務を受けたんだ。これが初めてなんだよ、はは……」


藤田は私を見て、少し笑いながら言った。 「ふーん、そうなんだ。じゃあ、いつ入ったの?」


「ん? 2日前だけど? なんでそんなこと聞くの?」


藤田は林月を見て、ニヤッと笑った。 「ふふ……そうなんだ。じゃあ私の方が先輩だね。なら立場逆だね、私の方が上だよ。じゃあ私がリードしてあげる!」


林月はそれを聞いて、特に気にせずあっさり頷いた…………


……


藤田は依頼書を見たが、内容がまったく分からなかった。彼女は焦りと気まずさを感じながら後ろを見て、急に言った。 「えっと……もうすぐお昼だし、先にご飯食べに行かない? どうかな?」


林月は時間を見て、まだ朝の9時だしお腹も空いていなかったので、藤田の提案を断った。


藤田は少し驚き、焦ったように前を見た。……もう…… そのまま藤田は林月を連れてあちこち歩き回ったが、どこに行けばいいのか全然分からなかった……


そのまま4、5時間も歩き続けた……


「ねえ、ちょっと……歩きすぎじゃない? 本当に依頼の場所分かってるの?」林月が聞いた。


藤田は焦りながら依頼書の地図を必死に見ていたが、どうしても理解できなかった。くそ……なんで……なんでいつもこうなんだ……こんなことすらできないなんて……私、本当に……本当に……!


「ねえ……ちょっと貸して。見せてくれる?」林月は笑いながら手を差し出した……


……なんか渡したくないな……今は私がリーダーなのに…… まあいいか、どうせ私も分からないし……あいつもどうせ分からないでしょ……


林月がそう言うと、藤田は依頼書を渡した……


林月はそれを見て、私に言った。 「え……これ、住所逆に見てない?」


……その瞬間、藤田は気まずそうに林月を見て、息が詰まりそうになりながら怒って言った。 「ち、違うし! こっちの方が見やすいと思っただけだし! ……ダメなの!?」


「い、いや……ダメじゃないけど……ごめん! ごめんって!!」林月は慌てて謝った……



…………


しばらくしても、林月は地図をいじりながら探し続けていた。私たちもずっと前に進んでいたけど、なぜか目的地は全然見つからなかった…………


「遅すぎでしょ! なんかずっと同じところぐるぐる回ってる気がするんだけど! あなたも地図読めないの!?」藤田が大声で言った。


すると林月は真剣な顔で言った。 「うん、その通り。僕も分からない!!」


…………


「じゃあ誰かに聞けばいいじゃん。この辺に知り合いとかいないの? いなかったら普通に聞けばいいし……」林月が言った。


「やだよ、無理! 私コミュ障だし、あなたがここで二人目の会話相手なんだから!」


「え!? じゃあ一人目は誰なの!?」


「えっと……さっき前にいた人。でも彼女と一緒に行くって言ってて、組んでくれなかったの!」


「そうなんだ……君もあの人に何か言われた? 実は僕もさっき話しかけたんだけど、なんかNTRとか言いながら、男とNTRとか最悪だろとか言われてさ……」


「え……そうなんだ……」


林月と藤田はお互いを見て、ため息をついた……


……やっぱりこの人、頼りないな…… 藤田は心の中でそう思った……


……


「で、どうする? お昼ご飯食べる?」藤田が聞いた。


……


「いや、やっぱり誰かに聞いた方がいいんじゃない? 知り合いとか……でもこの辺にいなさそうだしな……」林月が言った。


「あ……分かった! あの人なら知ってるかも!」そう言うと藤田は林月の手を引いて走り出した……


……


そしてそのまま、藤田は林月を連れて冒険者ギルドへ戻ってきた……


「はは……見ろよ、また戻ってきたぞ。どうせまた失敗だろ、慰めてやれよ!」周りの人が言った……


ギルドのお姉さんは前を見て、藤田が誰かを連れて戻ってきたのを見て、少し笑った……


藤田は急いでギルドのお姉さんのところへ行き、慌てて聞いた。 「ねえねえ! ここってどこなの!? 私たち迷子になっちゃって!」


お姉さんは少し見て、笑いながら答えた!!


………… 結局、依頼に書かれていた場所は、さっきの集合場所のすぐ隣だった。しかも依頼主は一人の老人だった……


内容は、今日の日没までに目の前のツリーハウスを説明書通りに組み立てること……


林月と藤田はその説明書を見て――まったく理解できなかった。笑……


「笑ってる場合じゃないだろ……どうするんだよ藤田、お前できるのか? そうだ、お前なんか能力とかあるんじゃないの? それ使えば一瞬で終わるだろ!」林月は期待に満ちた顔で言った……


藤田は林月を見て、まるで嫌なものを食べたような顔で緊張していた。どうやら能力があるのかも分からない様子だった……


「大丈夫だよ、弱くても問題ないって。大丈夫、僕は信じてる…… 他のアニメの異世界みたいに、チート能力とか可愛い女の子に囲まれるとか…… ……って何言ってんだ僕……」林月は歯を食いしばった。


藤田は変な目で林月を見て、ため息をつきながら言った。 「うーん……本当にいいの? 私の能力、ちゃんと使えるか分からないよ? ていうか、そもそも何の能力かも知らないし……」


林月は少し考えて、笑って言った。 「うん、大丈夫。信じてるよ!」


藤田は林月を見て、少し笑い、拳をぎゅっと握った……


そして深く息を吸うと、周囲の空気が徐々に圧縮されていき、足元に黒い影が現れた……


その影の中から、ゆっくりと一本の長い棒が浮かび上がってきた…… 藤田はそれを手に取り、前方へ向けた……


「おお! 何それ!? めっちゃ強そうじゃん! それ何するやつ!?」林月は興奮して言った。


「実は私も分からないんだよね……一回も使ったことないし……はは……は……」藤田は困ったように言った。


藤田は棒を振り回し、ツリーハウスの材料に向けた。そして先端から黒い光線が発射された……


光が当たった瞬間、材料は爆発した……


こうしてツリーハウスは、作る前にこの世から消えた…………


林月と藤田は、気まずそうに前を見つめた……


……何これ…… 一瞬で壊れたんだけど…… これからどうするの……?


「ふ、藤田……他にも技とかあるの!?」林月が焦って聞いた。


藤田は前を見て、まだ何かできそうな気がした……


少し期待して笑いながら、今度は棒からベタベタした何かを噴き出した……


「……何これ……」


二人は無言でそれを見つめた……


「えっと……どうしよう……私の能力、全然役に立たないみたいだし……ツリーハウスも壊しちゃったし……」藤田が不安そうに言った。


「うん、もう無理だな。逃げよう。あの老人が来る前に逃げるぞ!!」林月は真剣な顔で叫んだ!!


しかしその瞬間、後ろから老人が現れ、二人を捕まえた……


……


「ちょっと! 弁償しろよ、お前のせいだろ! 早く払え!」林月が藤田に言った。


藤田は嫌なものを食べたような顔で言った。 「うん……最初から来なければよかった……」


…………


その後――


林月は手に持った依頼書を見つめた。まだできる依頼はいくつかある。少しずつやるしかない……


そう思って歩き出そうとした時、藤田が呼び止めた……


「ねえ……あのさ……やっぱり、やめない? 私、何もできないし……任務どころか、自分のことすらうまくできない……


いつもこうなんだよ……やっぱりやめよう……帰ろう……」藤田は静かに言った。


そう言った瞬間――


藤田は、ふと何かを思い出した……



……


以前、パーティーを組んで活動していた時、毎回失敗して、みんなに迷惑をかけていたのはいつも私だった。だから、みんなは私を嫌い、絶えず文句を言っていた……


……


あの時もそうだった。私がまたミスをして、みんなを待たせて、嫌われてしまった時……


その時、一人が私の前に歩いてきて、いきなり私の襟を掴み、大声で怒鳴った。


「おいおい、女だろお前。なんでお前みたいな女がいるんだよ、うるさいんだよ。お前頭おかしいのか? なんで何もできないんだよ。女らしくもないし、頭弱いんじゃないのか、このバカ!!」


周りの人たちの視線も、どんどん私への不満と拒絶に変わっていった……


その時の私は、今と同じように、みんなの表情を見ながら見下されていた…………


もういい…… どうせ最後は失敗する。これが私なんだ。こんな世界に馴染めるわけがない。もううんざりだ……


私はみんなの嫌悪の言葉を見つめながら、歯を食いしばって前に向かって言った。


「わ……私、やめます。やっぱり無理です。帰ります……!」


その言葉を聞いた瞬間、案の定みんなは怒り出した。一人の男が前に出てきて、私を強く殴った。


「ふざけんな、最初から言えよ。お前と話すのマジでムカつくんだよ。見た目も最悪だし、消えろよ!」


私はみんなの罵声を受けながら、ただ黙って傷を拭い、去っていく背中を見ていることしかできなかった…………


……何もできないくせに、お前は何なんだよ。この世界にそんな奴はいらない。いや、必要とされてない……


自分がすごいとでも思ってるのか? 顔も悪い、実力もない、スキルもない、何一つ役に立つものもない……


そんなお前が、この世界で何の価値があるんだ? みんながお前みたいだと思うなよ。ただ他人に頼るだけの奴なんて…… 何も持たない人間は、この世界にいる資格なんてないんだ……


頭の中でそんな声が何度も響いていた。どうやら私自身が、自分を否定していたみたいだ…… これが、この世界の生存法則なんだと、そう思い込んでいた…………!


頭の中の“誰か”が、ずっとそれを否定し続けていた……


…………


そして藤田は我に返った。目の前には、変わらず林月が立っている。


藤田は息を荒くしながら、前の林月を見つめた。 だから……結局、こうなるんだ。これが私なんだ…… 私は……


「ち、違うの……その、私もよく分からなくて……」藤田は言葉を詰まらせながら言った。


林月は藤田を見て、少し笑って言った。 「うん、そっか。まあ失敗したしな。そう思うのも無理ないよ。じゃあさ……もう一回やってみる?」


藤田は驚いたように林月を見た。


「ちょっと……何言ってるの…… な、なんで怒らないの? 嫌わないの? 私が言い出したのに、始まったばかりなのに、すぐ諦めて、あなたに迷惑かけてるのに……」藤田は息を切らしながら言った。


林月は少し考えてから、笑って言った。 「ん? そんなに気にしてるんだな。気にするなら最初から言わなきゃいいのに……ってのは冗談だよ」


「でもさ……なんとなく分かるよ。俺もそうだから。ずっと逃げてばっかりだった。でも、逃げ続けてたら、ずっと同じ場所にいるだけだろ?」


藤田は驚いたように林月を見た。林月は藤田の隣へ歩いていく。


藤田はゆっくり振り返って言った。 「……そうなのかな……でも、私、本当にできるのかな……?」


藤田の中で、いくつもの声がぶつかり合っていた……


服を強く握りしめながら、自分の中で必死に揺れている。できるのか、できないのか、自分は本当にできるのか……


林月はそんな藤田を見て、やっぱり同じだな……と思った。 誰だって不安だし、迷う。俺だってそうだ。ただ逃げたいだけなんだ……


その時、林月はふと思い出した。昔誰かに言われた言葉を。


そして藤田に向かって笑って言った。


「そうだな…… 俺も同じだから、こんなこと言うのは変かもしれないけどさ……


自分の成長が遅いとか、結果が見えないとか、そう思うことあるよな。


でもさ、それでもちゃんと向き合って、受け入れて、言葉にしていくしかないんだと思う。だってこの世界では、最初はみんな同じだからな。まあ例外もあるけど……」


「でもさ、昨日よりほんの少しでも前に進めれば、それでいいんじゃないか? 何かを成し遂げるって、一直線じゃないんだ。転んだり、遠回りしたり、汗かいたり、涙を流したり……そういう旅なんだと思う」


「これは昔、誰かに言われた言葉なんだ。俺も同じだったけど、その人がそうやって励ましてくれた」


「だからさ……もう一回やってみないか? まあ失敗しそうだけどな……一緒にさ」


藤田は驚いたように林月を見つめた……


……この人は、今までの人とは違う。 もしかしたら、今度こそ……少しだけでもやってみてもいいのかもしれない……


「……うん、ありがとう。やってみる……ありがとう!!」


藤田は少し安心したように笑って、林月に向かってそう言った…………!



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