表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
17/17

電気工事士の資格、そして・・・③

遅ればせながら、電気工事士の資格、そして・・・。完結話です。

また、遅れてしまってすいません!

「うぇ・・・・・・」

数日後、新しい蛍光灯取り付け器具や電動ドライバーをそろえ、意気揚々と作業を開始した私だった。

しかし、早速壁にぶち当たる。


「重い・・・」


古い蛍光灯取り付け器具は何とか取り外せたものの、新しい方を取り付けるため、天井に密着させる作業。

これが相当苦戦していた。


二人なら何の事はなくても一人であれば、器具の密着、ネジ留めをすべて自分でしなければいけないのでキツい。


たった一ヶ所の蛍光灯取り付け器具を付けるのに、一時間もかかってしまった。


既に周りは薄暗くなっている。


本当にこれで点くんだろうか?

私は高鳴る気持ちを押さえつつ、壁にあるスイッチを押す。


明かりは点かない。


焦ったが、何の事はなかった。

器具に蛍光灯が付いていなかったのだ。

出鼻を挫かれたが、気を取り直しゆっくりと向きに注意しながら菅を取りつけた。


「よし」


スイッチオン。

グローランプが一瞬点灯し、数秒後にパッと明かりがともる。

今まで暗かったカレー屋さんの駐車スペースにも光が届き、駐車場の雰囲気が大きく変わった。

やはり、照明の効能は大きい。

たかが照明、されど照明。


トラブルを自分で解決できた。


自分の成長を実感できた瞬間だった。


資格手当も残業代もない。誉めてくれる人もわずか。

けれど私は満足だ。


会社へ作業が終わったことを報告する。

私はお祝いのため夕食をとっていた。


場所はjica北海道の地球交差点という食堂。

いつもとは趣向を変えてエスニック料理でお腹を満たすことにしたのだ。


スリランカ風チキンカレーサラダ付き、750円を食べながら入り口に置いてあった、とあるパンフレットをながめる。


とある女性が発展途上国で苦労しつつも、土木技術者として活躍している内容だった。

私は海外に行ったことはないし、しては技術者でもない。


ただ、最後のページに掲載されていた彼女の笑顔を見て少し切なくなった。


彼女は遠く離れた国で国家規模のインフラ整備を行っている。

私はここで非常に小規模ながら本日、照明器具の取り替えを行った。


目標があり、それに向かって活動している彼女を心の底から羨ましいと思った。


私に何ができるのか。


取ってから一度も使う機会の無い資格。


いや、深く考えるのはやめよう。


私はカレーを口の中に入れる。

先程感じた感動とはうって変わり、何だか寂しくなってしまった。


私が彼女のような笑顔になれる日はくるのだろうか?

なんだか、湿っぽいラストになってしまいました。

あれから十年近く。

土木技師の彼女はお元気でしょうか・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ