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源流堂探偵事務所にようこそ  作者: 西渡島 勝之秀
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古銭の誘い 22

 鮫島達3人は車で30分程度の民族歴史博物館に向かう事になった。

 そこは図書館から道路を挟んで向かいに有る建物である。


 この地域の歴史的価値がある物品や民俗学者が調べた資料が展示してある施設だ。

 鮫島は車から降りると当たりを見回した。

 どうやらここには建築物の展示として過去の代表的な建物がたっているようだ。


 「よし、俺は外の展示から調べるから二人は先に中に入っていてくれ」


 鮫島は二人と別れ外の建物展示を確認する事にする。


 「色々な建物があるな、ん?駄菓子屋があるのか?」


 鮫島は駄菓子屋を見つけ中に入ってみる。

 そこにはカウンターに座った老婆いた、鮫島を見つけると声をかけて来た。


 「お客とは珍しいの」


 「珍しいって、そんなにココには人が来ないのかい?」


 「もう、彼是20年ぶりかねえ」


 「20年って。お婆ちゃん冗談がうまいね」


 鮫島の返しに老婆は笑った後、突然真剣な表情になる。

 

 「お前さん、随分と物騒な物を持っているね」 


 「物騒? 何の事だ?」


 戸惑う鮫島の胸ポケットを老婆が指差した。

 鮫島は胸ポケットを確認する。

 後藤から預かった銀貨が入っているだけだった。


 「これが物騒だってのかい?」


 「分かっておろうが、母親に捻くれた性格は直せと言われてたじゃろ?」


 その言葉に鮫島は驚くが、適当に言っただけの可能性を考えて流す事にした。


 「神様のお守りだねえ、お前さんは知ってるかい? 神様ってのはタダではなんもくれん」


 「世知辛い事いうねぇ。そこは大判振る舞いするのが神様と言って欲しいね」


 鮫島の茶化した態度を気にせずに老婆は続ける。


 「力が無い神様は大したもの与えられん。じゃから大したものは取られん。じゃけんどその神様は危険じゃ」


 「どういう事だ?」


 「何でも与えられるという事は何でも手に入るという事じゃ。それは、恐ろしい」


 「全てを与える幸運の銀貨」


 鮫島は過去の記憶を思い出す。


 星の銀貨。


 「全てを与えたものが与えられた銀貨。だとしたら」


 この世界には特別な力を持った物が存在する。

 それが特別な力を持つまでには様々な経緯があるが大きく分けると数パターン。


 一つは、神様が作った特別な物。

 一つは、人の想いが物に宿った物。

 一つは、長い年月を経て霊格を得たもの。


 鮫島はこの3つのどれかだろうとあたりを着ける。

 火の無いところに煙は立たない、神話や御伽噺そういったものには題材になった実話があるものなのだ。


 「どれだ? ここで間違ったら。対処法が全部違う」


 鮫島は呟きながらふと気付き問いかける。


 「お婆ちゃん何者?」


 老婆は何かを渡す。

 それは、鮫島が子供の頃に好きだった駄菓子だった。


 「もう行きなさい長い事いたら戻れなくなる、ウジガミ様を調べなさい」


 鮫島は店を追い出されながら駄菓子を口にする。

 口の中になんとも言えない風味が漂う。


 「なんてこった、腐ってやがる!」


 文句を言おうと振り返る鮫島。

 しかし、そこには無人の駄菓子屋のセットがあるだけだった。 

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